10月30日(土) 2004 J1リーグ戦 2ndステージ 第11節
大分 2 - 0 神戸 (15:04/大分ス/18,364人)
得点者:'13 吉田孝行(大分)、'22 マグノアウベス(大分)
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『選手にプレッシャーをかけたくない』
3日間の異例の非公開練習となった大分。今節までは4連敗中と苦戦していた。前節は、優勝を争うG大阪相手に果敢な攻撃を見せるも、3失点と敗れている。この試合を含めて3試合連続の3失点中である。ハンベルガー監督は、チームとして自信を失いかねない状況を感じ取っていた。その状況を打破するために取った作戦が、非公開練習だった。マスコミだけでなく応援に駆けつけたファンさえサインを禁じていた。
対する神戸は、失点も多いがそれを上回る攻撃力で、第10節を終えた段階で7位につけている。先発で三浦和良と播戸竜二が2トップを組み、2勝1分け中と健闘。今節は、神戸の攻撃力を大分のDFがどこまで抑えるかが、ポイントであると予想されていた。しかし、試合開始のホイッスルがなるとその予想はまったく当たっていなかった。
1ヵ月半ぶりのビッグアイでの試合となった大分は、右DFに吉村光示、左DF有村光史を配置した4バック。ボランチの位置に原田拓、やや高めの位置に小森田友明と梅田高志。FWには吉田孝行・マグノアウベス・西山哲平の3トップでという布陣で臨んだ。神戸が2トップで、中盤を厚くした3バックで来ることを読んでのことである。
ハンベルガー監督が非公開練習中に徹底したことは、『点を取る』ことだったという。その意図の表れがこのシステムであった。前線から早いプレッシャーをかけ続け、ボールを奪ったら神戸DFの裏を狙う。FWの吉田が右に左にと走り回り、マグノアウベスは積極的に仕掛ける。空いたスペースには両サイドDFが詰めてくる。この攻撃を繰り返していくうちに、神戸DFはラインが崩され、後手を踏むシーンが多くなった。
ハンベルガー監督の意図が前半13分に結果として表れる。
中央でパスカットした梅田が西山にパス。ドリブルで仕掛けるが、神戸GK掛川誠がよくカットした。しかし『点を取る』ことを意識させられた吉田がこぼれ球を右足で押し込んで先制する。ビッグアイでの試合に飢えていたファンのボルテージは一段と上がった瞬間だった。
こうなると大分FWに翻弄されていた神戸DFの連携がさらに悪くなってしまう。マーク受け渡しの修正ができないまま、22分にも大分の『点を取る』プレーを受けてしまった。右サイドでボールを受けた小森田が積極的に仕掛けペナルティーエリア内に入ってきたのである。神戸の薮田光教が身体を張って侵入を阻止しようとしたが、反スポーツ的行為のファールを犯してしまった。判定は2点目を献上することになるPK。これをマグノアウベスが落ち着いて左サイドに決めるとビッグアイのボルテージは最高潮に達した。
前半は大分の良い所ばかりが目に付いた。シュート数は5本しかないのだが、神戸守備陣のほころびを見つけるとFWだけでなくMFも突いて来るのである。時にはDFパトリックまでもがドリブルで中央から仕掛けていた。
神戸DFはなすすべなく、ストレスが蓄積されていく。それを象徴するかのように前半終了のホイッスルがなると同時に冷静さを欠いてしまった北本久仁衛が審判に詰め寄り侮辱行為で退場処分を受けてしまう。こうなると神戸はバランスを考えて自慢の2トップの一画、三浦を後半開始から下げざるを得なくなってしまった。
後半に入ると大分は数的優位を受けて慌てず攻めることができる。決して無理な突破を図らず、ボールを支配しては確実にシュートチャンスを狙って行った。神戸も10人でよく守ってはいるのだが、シュートを打つことができない。後半はシュート数0。これでは2点のビハインドを返すことはできない。スピードのある平瀬智行を投入するも結果は出なかった。
前半は大分の積極性が、後半は大分の試合運びの上手さのみが目立つ試合になってしまった。試合終了後、選手・スタッフ・関係者が抱き合って喜ぶ姿を見ていると、試合前の準備が全員の力で成し遂げられ、結果を招いたものと容易に想像できる。
3日間の非公開練習。この異例とも言える練習期間は、結果を見据えたハンベルガー監督の巧妙な作戦だったのかもしれない。
以上
2004.10.30 Reported by サカクラ ゲン
J’s GOALニュース
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