10月30日(土) 2004 J1リーグ戦 2ndステージ 第11節
東京V 1 - 2 磐田 (19:04/味スタ/12,161人)
得点者:'33 前田遼一(磐田)、'37 西野泰正(磐田)、'89 森本貴幸(東京V)
----------
試合前、東京Vの小林慶行は「この試合で、パス回しはうちが一番なんだ、という事を見せたい気持ちはある。」と話していた。当然「それより結果が大切だけれど」との前置きがあってのことだが。結果、東京Vはパス回しで磐田に引けをとることはなかった。むしろボール支配率では大きく上回り、チャンスも数多く作ったのは東京Vだ。しかし、結局スコアは2-1で磐田が勝ち点3をもぎとり、東京Vの今季初の3連勝は阻まれた。振り返ってみると経験豊かな磐田の試合巧者ぶりが光ったゲームとなった。
試合前から降り始めた雨はキックオフと同時にその激しさを増していった。立ち上がりはボールコントロールに手こずる場面も見られたが、試合は東京Vがボールを回し、磐田が激しいプレスでそのボールを奪い素早い攻撃に切り替えていく、という締まった展開になっていく。短いパスを回す東京Vに対し、磐田はシンプルに前に当てて、はたいて、という即効性のあるパスワーク。それぞれの持ち味を出し合う両チームだが、決定的なチャンスはなかなか作ることができない。ボール支配率で上回るのは東京Vだが、磐田のプレスが激しく、最終的に中を固められることでゴール前ではボールを奪われてしまう。中を封じられた東京Vはサイド、とくに左サイド・相馬から何本もクロスが入るが、飛び込む選手がいなかったり、タイミングが合わなかったりで生かしきることができない。それでも、東京Vが磐田のゴール前を脅かす機会は時間と共に間違いなく増えていき、27分には上がって来ていたボランチ・小林慶行がミドルシュートを放つもバーに当たって得点に至らなかった。
しかしその流れが一気に変わったのは33分。磐田ボランチ・福西から右サイドでボールを受けた太田がファーサイドで待っていたFW前田に送り、これを胸でうまくワントラップした前田が右足で思い切りよくシュート。これがゴールネットに吸い込まれ、磐田が先制点をあげた。「いい流れの時に得点できず、逆に失点。1番悪い流れになってしまった」と東京V・小林大悟。この1点がチームに与えた影響は大きく、「ここから東京Vがコントロールできなくなってしまった(アルディレス監督)」。そしてそのチャンスを見逃さないのが磐田。4分後の37分、東京V・DFのミスから、再び太田がボールを奪い、今度はニアに詰めていたFW西野に。その西野が落ち着いてゴールに流し込み、追加点をとった。太田は続けてのアシスト、西野にとっては「早く取りたかった(西野)」という嬉しいJリーグ初ゴールだった。「悪い部分もある中で2点が取れた(鈴木監督)」磐田に対し、立て続けの失点をした東京Vが前半終了まで勢いを取り戻すことはなかった。
今季、このような展開になった東京Vはこのままズルズルと悪い流れを引きずることが多かった。しかしハーフタイム、東京Vは「攻撃的にいく」事を確認。アルディレス監督はリスクを承知で「前から更にプレッシャーをかけるように」と指示した。そして後半。東京Vは監督の指示通り、立ち上がりから積極的にゴールを目指す。投入されたFW森本や飯尾もなんとか1点をというプレーを見せた。対する磐田は殆どシュートを打つことはできなかった。が、攻められてはいるが最終ラインがしっかりと中を固めていることで、どれだけボールを回されても最後の局面では相手の流れを切ることができていた。この試合の磐田は、格別に好調だったとはいえないだろう。しかしやはり「勝ち方」を知っている、という印象が強く残った。
東京Vにようやく得点が入ったのはロスタイムももう残り僅かな時間。89分、飯尾、小林慶行と繋がれてきたボールを森本が右足で勢いよくシュート、サイドネットをゴールの中から揺らした。森本のプロ2得点目にスタジアムは沸いたが、「もう少し早く点を取ってほしかった」というのはアルディレス監督の本音だろう。しかし、「選手が最後まで諦めなかったからこそ生まれた(アルディレス監督)」この得点は次に繋がるものとなったはずだ。「この試合は敗戦に値しない」。試合後のアルディレス監督は終始笑顔だった。磐田・鈴木監督もまた「最後まで粘り強くプレーをしてくれた」と選手を称え、更にこの試合には磐田・山本新監督が観戦に訪れていたが、「いい若手がいて、チーム内にいい競争が生まれそうですね」と同じく満足気な表情でスタジアムを後にした。
以上
2004.10.30 Reported by 高木聖佳
J’s GOALニュース
一覧へ【J1-2nd:第11節 東京V vs 磐田 レポート】2-1で磐田が勝ち点3をもぎとり、東京Vの今季初の3連勝は阻まれた(04.10.31)















