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【天皇杯4回戦:水戸 vs 鹿島 レポート】特徴を出し合った茨城ダービーは、鹿島が1点を守り水戸を下す(04.11.13)

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11月13日(土) 第84回天皇杯4回戦
水戸ホーリーホック 0 - 1 鹿島アントラーズ (13:00/笠松)
得点者:中田 浩二(鹿島)
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 水戸の先発メンバーリストの中に気になる名前があった。木澤正徳。35歳になるベテラン右サイドバックだ。試合前にその点について前田秀樹監督に尋ねると「こういう大きな試合の中で、彼のようなベテランが生きてくる。(マッチアップする事になる)新井場のすごさも知っているしね」と答えてくれた。

 誰もが考えていた試合展開。つまり鹿島が試合を支配する中、水戸がカウンターを狙うという試合展開の中で、ベテランが入った水戸の最終ラインが意地を見せた。
 
 前半の立ち上がりから鹿島は水戸にボールキープすら許さなかった。本山雅志、小笠原満男、フェルナンド、そして中田浩二の4枚が作るボックスの中盤は厳しいプレスを仕掛ける。たまらず水戸はディフェンスラインにまでボールを下げ、蹴らされた。水戸は9分に磯山和司がケガのためピッチを去り、松浦淳が交代で登場するが、1トップの基本陣形は変わらず。大岩剛、岩政大樹の2枚の壁は、松浦1人で打開するには荷が重い相手だった。鹿島にとっては思い通りの展開。
 鹿島は予定通りの形でボールを奪い取ると、水戸ゴールを陥れようと攻撃を繰り返す。鹿島に決定機がなかったわけではない。しかし、運も味方につけた水戸は最後のところで踏みとどまった。16分の鈴木隆行のシュートも、20分の本山のシュートも枠をとらえられない。攻め込まれてはいるが、守りのペースは水戸がつかみつつあった。

 防戦一方の試合展開の中、水戸が守りきれたのは「可能性」があったからだとも言える。それが永井俊太だった。中盤の最もプレッシャーの厳しい狭いスペースで、寄せてきた相手をかわし、ボールをキープする。ボールを下げるのは簡単だが、そこで挑戦し、前方へとボールを運ぶ永井のプレーは、水戸に何回かのチャンスをもたらしていた。
 永井を起点として反撃に出た水戸に対して、青木剛は「カウンターで前に出てくるスピードが速かったです」と印象を語っている。永井の動きに連動して関隆倫、森田真吾が松浦を何度となく追い越した。ここに北島義生の展開力が加わって、鹿島の守備陣を鋭く襲った。

 スタジアムが沈黙と歓声を繰り返した。
 ゲームプラン通りに前半を無失点で折り返して迎えた後半。試合は動きを見せ始める。きっかけは前田監督にとっての2度目のアクシデントだった。53分に森田が肉離れで戦線を離脱。しかし代わって登場した伊藤仁が出色の出来を見せる。守備の意識を持ちつつタテへの意欲も失わない。鹿島がボールを支配する試合展開自体に変化はないのだが、中盤が間延びしてきた事でリスクマネージメントが雑になりつつあった。その隙を水戸が鋭く突く。

 後半61分。右サイドへと流れた伊藤から関を経由して永井にボールが渡る。永井は落ちついてDFをかわしてシュートを放った。
「切り返すところまでは完璧でした。コースも見えていました」(永井)
 しかしボールは無情にも枠の外に外れる。そしてこの最大のピンチが鹿島の闘志に火をつけた。新井場徹が左サイドを何度となくえぐり中央へとクロスが入る。ニアサイドに飛び込む深井正樹がいつゴールを陥れてもおかしくない場面が連続する。そしてその時は訪れた。

 74分。小笠原が蹴ったコーナーキックを大岩がシュート。これはポストにはじかれるが、そのこぼれ球を中田が落ちついて蹴り込む。終盤での鹿島の先制ゴールは、試合を決める力を持つかに思えたが、水戸は栗田泰次郎が「失点してからも行けると思っていました」と振り返ったように勝利への意欲を失ってはいなかった。

 前田監督は試合前から木澤の体力に限界がある事を織り込んでいた。その不安が新井場の攻撃で顕在化した事もあり、82分に最後のカードとして、その木澤に代えてFWの吉田賢太郎を投入する。ディフェンスを1枚減らす思い切った作戦だ。ベンチの意志に応えた選手たちは、最後の何分かの時間帯で鹿島を押し込む。壮絶な展開に沸き返るスタジアム。最後はセンターバックの森直樹を前戦に上げたスクランブル攻撃も繰り出した。

 鹿島は、水戸の死にものぐるいの攻撃に気圧される場面もあったが、後半ロスタイムの最大のピンチもノーゴールの判定に救われる。9度の栄光を手にしてきたチームではあるが、トーナメントの難しさの中の辛勝となった。
「こういう大会は最初に苦しんだ方がいい」(中田)
「トーナメントは勝利が大事なので勝ててよかった。水戸はJ2のチームでモチベーションが高かっただけに、これを勝てたのは次につながると思う」(青木)
 タフな試合を前向きにとらえる鹿島の選手たち。もちろんその裏側には、水戸のがんばりがあった事を忘れてはならない。栗田の印象深い言葉でこの原稿を締めようと思う。

「引退したときに、一番印象に残る試合になるのかな、という試合でした。今まででいちばん楽しかったです。これだけの人が入ってくれましたしね。うれしかったです」

以上

2004.11.13 Reported by 江藤高志
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