11月27日(土) 2004 J2リーグ戦 第44節
甲府 0 - 0 札幌 (14:00/小瀬/7,146人)
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小瀬スポーツ公園陸上競技場のスタンドを見渡して最初に驚いたのは、札幌サポーターの多さだった。200〜300人はいただろうか。札幌から日帰りもできる時間帯の試合であったが、札幌が今シーズンの順位とは関係なく、愛され期待されているチームだということを証明していた。90分を通じて跳ね続けるコアなサポーターの数では札幌が甲府を上回っていたかもしれない。
最終節で自分たちの目指すサッカーを表現したいという両チームの気持ちが表れた立ち上がりだった。ボールポゼッションは札幌が優位だったが、お互いにサイドが攻撃の起点となる、攻守のはっきりした攻防を見せてくれた。ただ、第4クール終盤から調子を落としている甲府は時間とともに攻め込まれることが多くなった。対して、天皇杯で市原に勝ちJ1チーム(大分)との公式戦を残す札幌は前線からのディフェンスも積極的で、高い位置でボールを奪って何度もチャンスを作った。しかし、20分を過ぎると攻め疲れなのか、札幌の足が鈍り始めた。有利に試合を展開できた時間に得点を決めることができない。この決定力のなさが今シーズンの順位にも大きく響いているのだ。
札幌のトーンダウンで今度は甲府が、ミスに乗じてチャンスを掴み始める。27分には山崎が札幌ディフェンスのクリアミスを突き、中央から強烈なミドルシュートを打つがポストに嫌われる。29分にも素晴らしいパス交換から青葉が右サイドを駆け上がり、センタリングを山崎に合わせたがシュートはバーの上を越えて行った。山崎だけの問題ではなく、このようなチャンスに決めることができないことが、甲府が昇格争いから取り残された理由のひとつだ。結局お互いにチャンスに決められず、自滅という形で助け合い、前半を0−0で終えた。
最近の甲府は後半の立ち上がりにもラッシュを見せるのだが、得点が決まらない。この試合でも同じ展開だった。そして、後半10分が過ぎた頃になるとお互いに中盤が間延びしてしまい、カウンターの応酬となった。この応酬は最後まで続いた。札幌が先手を打って選手交代を行ったが、清野や上里の投入も流れを変えるには至らなかった。チャンスは作ったが決まらないのだ。甲府の松永監督も3枚のカードを使ったが、チャンスを作りながらも札幌のゴールネットが揺れるシーンをサポーターに見せることはできなかった。
お互いに見せ場を作りながらも、得点を決めることができないという課題も最後まで露呈し続けた。しかし、身の丈経営の札幌は日本人だけのチームで、柳下監督のもと我慢強く選手を育てた成果は出ている。札幌は我慢の今シーズンを来シーズンにどう爆発させるのか楽しみだ。
Jリーグのチームのうち少なくないチームがFWのポジションを外国人に任せているが、札幌も甲府も日本人選手。この環境は非常に大きな意味がある。両チームの選手はこのチャンスを活かしてほしい。ただ、別の考え方をすれば、優れた能力を持つ外国人選手がチームメイトにいないことで、肌で感じることができないということもいえるかもしれない。その是非はともかく、甲府はバロンの移籍で得点力不足に陥った。小倉というスーパーな選手がFWにいるが、ディフェンスをしないで前で点を取るだけという選手ではない。オールマイティな選手で、その能力をチームも必要としていたからだ。いまさらバロンの移籍を振り返ってもしようがないが、鹿島がバロンを必要としなければ甲府は高い確率で昇格争いに残っていたのではないだろうか。ともかく、一時期はリーグ2位を走っていたチームと松永監督には敬意を払いたい。来季は甲府を最下位から引き上げた大木武監督が戻ってくる。海野社長は「来シーズンはもう少しお金をかけて、もう少し強くなるようにする」とサポーターの前で話をした。この言葉を信じたうえで、大木新監督の手腕にも注目したい。一歩夢に近付いた甲府の来シーズンは、夢を掴むための1年になる。
以上
2004.11.27 Reported by 松尾 潤
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