今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【2004J1・J2入れ替え戦】第1戦 福岡 vs 柏 レポート:勝負を分けたかすかな運。柏、先勝でホームへ(04.12.04)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
12月4日(土)2004J1・J2入れ替え戦 第1戦
福岡 0 - 2 柏(13:03/博多球/20,522人) 
得点者:47' 大野敏隆(柏)、89' 谷澤達也(柏)
-------

 柏1点リードの後半ロスタイム。自然発生的に生まれた拍手の音はスタジアム全体を包み込み、大音量となっていた。ピッチ上は、福岡が得たゴール正面からのFKが蹴られようとするところだった。起死回生の同点ゴールを切望する福岡サポーターの願いはしかし、直後に打ち砕かれる事となる。
 
 増川隆洋がシュートを狙って振り抜いたその足元は、飛び散る水しぶきにまみれていた。彼のシュートが、水を含んだピッチコンディションの影響を受けているのは間違いなかった。
 ボールを奪った柏が、その直後に反撃を試みる。明神智和のスライディングからスペースにボールが出る。これをキープしたのは玉田圭司だった。ボールには勢いが付きすぎていて、福岡のDFが十分に間合いを詰められる位置関係にあったが、ここで運命のいたずらが福岡を翻弄した。時間を追うごとに強さを増す雨の中、ピッチには水がたまりはじめていた。その水たまりをボールが通過する。急激に失速したボールを玉田がキープしてトップスピードで走り抜けた。谷澤達也へのパスも、ダイレクトできわどいコースに蹴り込んだ谷澤のシュートも一流だった。しかし、柏の勝利を決定づけたこの2つのプレーを生み出したのは、ピッチに平等に降り注いだ雨。追うものと追われるものとの立場を分けたのは、一握りの運だった。

 福岡のホームスタジアムで行われた第1戦は、立ち上がりから緊迫感に満ちた試合となる。柏は長期離脱から復活したリカルジーニョが中盤を締めるが、本人が「かみ合わないところはある」と振り返った事でもわかるとおり、なかなか攻撃を組み立てられていなかった。
 山形恭平を起点として、オーバーラップした宮本亨とサイドに流れた有光亮太で攻撃を組み立てた福岡とは好対照を成していたが、柏の立場から言えば、序盤の福岡の攻勢を無失点で乗り切っており、アウェイでの戦いの入り方としては悪くない立ち上がりだったと言える。

「ぼくらにとってアウェイで、それも相手のサポーターの前でやるので、相手の勢いだとかはわかっていた。最初の20分を失点0で抑えることがこの試合の一つのポイントだったと思う。これといって変わった事はしてないんですが、前半をしっかりと戦えたと思います」(明神・柏)
 本来の力を出せるようになった前半の半ば以降、柏は左右両サイドハーフがピッチを広く使って攻撃の機会を作り始めるが、ゴールにまでは至らない。前半の終了間際には、GKからのフィードボールが玉田に渡り、増川との1対1の勝負となる。柏にとっては決定機かとも思われたが、増川が体を張ってブロック。気迫のディフェンスだった。

 ともに無得点のまま迎えたハーフタイムの両監督の指示は概ね肯定的なものだったが、その中に特徴を見いだすとすれば攻撃面の指示だろうか。第2戦を視野に入れ、ともに得点をほしがっている事がうかがえた、そんな後半の立ち上がり。柏がラッキーな形で先制ゴールを決める。
 後半2分。左サイドのコーナーポスト付近に流れた宇野沢祐次からペナルティーエリア近辺の大野敏隆へパスが出る。思いきりよくシュートを狙う大野だが、このシュートがDFの体に当たって方向を変え、ゴールマウスへと吸い込まれていった。
「先制点が大きいですね。はじめに取れた事で気持ちに余裕が出てくるし、すごいその後は戦いやすかったです」(永田充・柏)
 アウェイで先制するという、柏にとっては願ってもない展開。一方の福岡は、同点ゴールを狙って果敢にゴールを目指すが、永田、中澤聡太が立ちはだかる柏の最終ラインを前になかなかチャンスを作れなかった。
「(有光選手は)やっぱりスピードがあると思いますし、常に裏を狙っているな、という印象を受けました。ただ裏ばかりで、自分で仕掛けるということをあまりしてこなかった。その辺では楽といえば楽でした。でも、裏に入ったときにはすごい怖い選手だなと思いました。中澤聡太が前に行ったらぼくがカバーするという試合前から気をつけていた事ができたし、全体的に気持ちもすごく高くてみんな集中してやっていたと思う」(永田・柏)

 有光、エジウソンの2トップを抑えられた福岡・松田浩監督が5分に切った交代のカードが、試合の行方を決めた。松田監督は、停滞した福岡の攻撃陣のてこ入れを図ろうとエジウソンに代えて長身の太田恵介を投入。福岡は高さと強さを兼ね備えた太田にボールを集めるが、永田、中澤が気迫の守備で形を作らせない。1点のビハインドを背負い、気持ちに焦りが出てきたのか、福岡の攻撃はしだいに雑になっていく。
 柏はFWからの守備意識を高く保ち、福岡の攻撃を抑え込んでいく。一体感のある応援は、福岡を後押ししたが、最後まで同点ゴールを生み出す事はできなかった。

 アウェイでの2点差の勝利は、柏にとっては望外の結果だった。しかし試合はもう一つ残されている。
「谷澤が(2点目を)取ってくれたので、すごい楽になりました。ただ、次の試合で先に1点を入れられたらまた向こうも勢いが出てくるだろうし、それは気をつけておきたいですね」
 2点のリードを持って柏はホームへと帰還する。その戦いが残留を決めるものになるのか。それともJ2への転落をもたらすものになるのか。大きいとも小さいとも言える柏のリードに対して、1年間をかけて手にしたチャンスをムダにしないようにと福岡は勝負をかけてくるだろう。魂をかけた戦いの行方は、第2戦に持ち越された。最後に笑うのはどちらのチームになるのだろうか?

以上

2004.12.4 Reported by 江藤高志
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着