今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【2004サントリーチャンピオンシップ第1戦 横浜FM vs 浦和 レポート】河合の決勝ゴールが炸裂!岡田F・マリノス、完璧な試合運びで初戦勝利(04.12.06)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
12月5日(日) 2004サントリーチャンピオンシップ第1戦
横浜FM 1 - 0 浦和 (19:05/横浜国/64,899人)
得点者:'66 河合竜二(横浜FM)
----------

「佑二さん(中澤)がおとりになってくれた。(来たボールを頭に)当てるだけだった」
 2年前、浦和から戦力外通告を受けた男・河合竜二の高く鋭いヘディングシュートがゴールネットを揺らした瞬間、スタジアムの半分以上を占めた真っ赤な浦和サポーターが声を失った。テクニカルエリア上のブッフバルト監督は何を思ったことだろう……。
岡田武史監督にとっていちばん悩ましいポジションだった左センターバックに抜擢された河合が高い集中力を発揮。ボランチ・中西永輔もセットプレー時にエメルソンを完封し、上野良治も体を張ったスライディングタックルで中盤を制圧した。日本サッカー界屈指の知将の選手起用が見事なまでに的中し、横浜FMが重要な第1戦をモノにした。
 2004年Jリーグの年間チャンピオンを決めるサントリーチャンピオンシップの初戦が5日19時から横浜国際総合競技場で行われ、ホームの横浜FMが1−0で勝利。95年以来、2度目のサントリーチャンピオンシップ獲得に向け、幸先のいいスタートを切った。
 93年から続いてきたサントリーチャンピオンシップも今回がラスト。JSL時代からの名門である横浜FMと日本一の人気クラブ・浦和の対戦とあって、この日の新横浜一帯は試合開始前から大いに盛り上がった。Jリーグ新記録となる6万4899人の大観衆も結集。真冬とは思えない陽気も彼らの熱気を後押しした。
 2003年は年間完全優勝を果たし、今季も1stステージを制覇した横浜FM。しかし今年の2ndステージは腰痛の久保竜彦、左足首骨折の安貞桓ら主力の相次ぐ戦線離脱と、勝利へのモチベーション低下などがあって、6位に甘んじてしまった。けれども岡田監督はリーグ戦終盤、サントリーチャンピオンシップに目標を切り替え、選手を次々とテスト。さらに先週1週間は非公開練習と関東近郊でのミニ合宿を行って、チームの意思統一を図ってきた。
 
「もうやるべきことはやった。あとは選手たちが個々の仕事を果たしてくれることを祈るしかない」と前日練習の後、話した指揮官が送り出したメンバーはこの11人だった。GK榎本達也、DF(右から)中澤佑二、松田直樹、河合、ボランチ・上野、中西、右サイド・田中隼磨、左サイド・ドゥトラ、トップ下・奥大介、FW坂田大輔、清水範久。最終ラインの左には那須大亮ではなく河合。ボランチもバランスを考えてエースキラーの中西と球出しのできる上野を配した。
 エメルソン、永井雄一郎、田中達也の超攻撃的3トップが強引にゴール前へ詰め寄り、それを横浜FM守備陣がガッチリ守ってカウンターを仕掛ける展開が予想されたが、実際には横浜FMがイニシアティブを握った。開始2分のビッグチャンスが浦和イレブンをひるませたのかもしれない。清水からのスルーパスを浦和守備陣の背後で受けた坂田がいきなり決定的なシュートを放ったのだ。2003年ワールドユース(UAE)得点王は「フリーだったし、ワクは外さないと思った」と自信を持って右足でニアに振りぬいたが、残念ながらボールは右ポストに当たって跳ね返った。それでも奇襲攻撃としては十分だった。
 ここからは横浜FMが作戦通りのサッカーを展開する。「ウチはもともと守備から入るチーム」と坂田が言うように、非常に意思統一された守りを見せる。横浜FMにとっていちばんのテーマはエメルソン、永井、田中達に仕事をさせないこと。松田、中澤、河合の3バックが的確なラインコントロールを見せつつ、ペナルティエリア内にガッチリ蓋をする。こうなると、さすがのエメルソンらも中盤に下がってボールを受けざるを得ない。「中盤に下がらせたらこっちのもの」と中西は不敵な笑みを浮かべた。困った浦和3トップはサイドを使おうと試みるが、ここでも田中、ドゥトラの両サイドとボランチが2人で挟みに行く形を徹底し続けた。岡田監督がデータから「浦和は前半に点を取らなければ勝てない」と選手たちに伝えていたことも、いいモチベーションになっていた。彼らのディフェンスはまさに「見事」という他なかった。
 攻撃もシンプルだった。松田ら最終ラインが坂田、清水の高速2トップにロングボールをフィード。浦和の最終ラインを下がらせて、その空いたスペースを使いながら1人、2人と絡んで攻める。坂田のスピードは相手DF陣を嫌がらせた。「ロングボールは出場停止のネネに代わって入った内舘秀樹のところを狙う」という約束事もうまく機能する。浦和は自分たちの長所を完全に消されてしまった。
 後半に入るや否や、ブッフバルト監督は内舘に代えて後半から平川忠亮を投入。まず守備を安定させ、さらに3トップのポジションを変えてきた。前半は右から永井、エメルソン、田中達という並びだったが、後半は右から田中達、永井、エメルソンという形になった。これで硬直した局面の打開を図るが、横浜FMのディフェンスは相変わらず固い。坂田、清水らが前線から走ってボールを追うなど、彼らは戦う姿勢を前面に押し出した。このあたりが「経験の差」なのかもしれない。横浜FMにはサントリーチャンピオンシップ出場経験のある松田、奥らがいるし、日本代表経験のある中澤、中西らもいる。坂田もワールドユースという世界舞台で結果を出した選手だ。いざというところで、彼らの経験値が出た。
 迎えた後半21分、ついに均衡が破れる。奥の右CKに合わせ、ニアに飛び込んだ河合が豪快なヘディングシュートをゴールネットに突き刺したのだ。マークについていた長谷部誠は完全に振り切られる形になった。2年前、浦和から戦力外通告を受け、岡田監督に拾われた苦労人がJリーグ初ゴールを挙げ、古巣にリベンジを果たしたのだ。
 過去のサントリーチャンピオンシップを見ると、第1戦に負けたチームがタイトルを取ったことはない。絶対に負けられない浦和は動きの悪い田中達に代えて岡野雅行を投入。巻き返しを試みた。が、横浜FMの運動量と勝利へのメンタリティは最後まで途切れず、1−0のまま試合終了。岡田監督は隣に座るディド・ハーフナーGKコーチらとガッチリ握手を交わし、足早にロッカールームへと引き上げた。
「この素晴らしい舞台で、相手を恐れず、勇敢に戦った選手たちを誇りに思う。今日は腰の引けた試合はしたくないと選手たちが意思表示をしてくれた」
 記者会見に姿を現した指揮官は満足そうな表情を浮かべた。河合、中西、上野と、自らがチャンスを与えた選手たちが期待以上の働きを見せ、坂田と清水という和製2トップも多くの見せ場を作った。百戦錬磨の<知将の采配>がことごとく冴え渡った第1戦だった。

以上

2004.12.6 Reported by 元川悦子
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着