第83回全国高校サッカー選手権大会 2回戦
2005年1月2日
国見 5 - 0 鹿島学園
得点者:4分城後(国見)、11分城後(国見)、41分本吉(国見)、64分渡邉(国見)、75分城後(国見)
−大会トーナメント表はこちら−
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王者は、どこにその強さの秘密を持っているのか。
豊富な運動量で展開する激しいプレッシングサッカーか。個人個人のフィジカルの高さか、プライドか。答えは、すべてに当てはまる。ゆえに王者でいられるのだろう。
昨年の大会を、平山相太(筑波大)や中村北斗(アビスパ福岡)を擁し圧倒的な力で制したチームと比較すれば、小粒感がいなめないという今年のチーム。「連覇なんて簡単に言えることじゃない」と小嶺忠敏総監督も口にしたが、緊張感漂う初戦にあっても彼らから伝わるのは、平常心と『国見』というオーラだった。自分たちが昨年のチームと比べられることも、大会の注目を集めることも分かっている。だからこそ、簡単に負けられない。
その気持ちは試合開始後すぐに表れる。前半4分。この日、サイドバックに入った7番横田倫光(3年)が左サイドをドリブルで駆け上がり低めのクロスを中央へ。一人を経由しペナルティエリア内で待っていたのはMF城後寿(3年)。落ち着いてトラップし右足で押し込んで先制すると、前半11分にも渡邉千真(3年)からのパスを落ち着いて決めた。その後も後半開始直後に本吉伸(3年)が3点目、後半24分にも渡邉千がドリブルから豪快に左足を振りぬきスタジアムを沸かせながら追加点を奪った。
そして三度、城後である。「いつもはボランチで、今日のあのポジションは初めてじゃないかな。ハットトリックなんて多分人生初じゃない?」と小嶺総監督も笑顔を見せた城後の3点目が後半35分に決まり、5-0と圧勝。初出場の鹿島学園につけいるスキさえも与えずに3回戦にコマを進めた。
ヒーローとなった城後は「(ハットトリックは)狙ってなかったです。でもいいところに来たので、よかったです。去年に比べて、相太さんとか北斗さんのようにスター選手がいない分、一人一人の役割をしっかりして、そこでひとつになるのが今年のチームなんです」と柔らかい笑顔で話した。
『一人一人の役割』これこそが今年の王者の強さの秘密。城後は本来ボランチの選手だ。4番の藤田優人もFW登録だが、この日は最後尾でプレーしていた。小嶺総監督は言う。「相手によって(戦い方を)変える。今日は攻撃的にしようと」。それに臨機応変に応えられる選手たちが作り出す国見のサッカー。中盤での激しいプレス、常に2対1の数的優位をつくり、鹿島学園にチャンスらしいチャンスさえ与えない徹底した戦いぶりは、貫禄さえ感じさせた。
それでも、国見に慢心はない。今大会でもNO.1プレーヤーといわれる渡邉千は「結果的には勝ったけど、もっと点が入る場面もあった。決めるところは決めたい」と静かに話し、城後も「目標は優勝なので、次も頑張りたい」と口にする。
死角さえ見えない、出発したばかりの国見が、次にあたるのは雪辱に燃える藤枝東。全日本ユースでは2-1と勝っている相手だが、苦手とする素早いパスワークを武器にするチームだ。そこをどのように乗り越えるか。注目の一戦は3日、駒場スタジアムで14:10から行われる。
その他、各会場(等々力、柏の葉、西が丘)の第一試合は、盛岡商業(岩手)の田中大介が2得点の活躍を見せ、エース福士徳文(3年)も1点を奪い玉野光南(岡山)に快勝。羽黒対秋田商は、前半18分に畠腹郁実があげた1点を守りきり接戦を制した。優勝候補の鹿児島実業(鹿児島)は、修徳(東京B)を相手にエース山下真太郎(3年)がハットトリックを決め、圧勝。ベスト16へ進出した。
以上
2005.1.2 Reported by 青柳舞子
[ 第83回全国高校サッカー選手権大会 2回戦 試合結果]
・埼スタ、等々力開催分試合結果
・柏の葉、西が丘開催分試合結果
・駒場、駒沢開催分試合結果
・三ツ沢、市原開催分試合結果
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