第83回全国高校サッカー選手権大会 2回戦
2005年1月2日
市立船橋 1 (5 PK 4) 1 東福岡
得点者:5分壽(市立船橋)、23分伊藤(東福岡)
−大会トーナメント表はこちら−
----------
13,500人もの観衆が訪れた2回戦注目の好カード「守の市立船橋」「攻の東福岡」の対戦は、互い持ち味を出し合った好ゲームとなった。意外にも立ち上がりから前に出た市立船橋が壽(ことぶき・3年)のゴールで先制点を奪ったが、東福岡も20分にスルーパスを受けて抜け出した伊藤(3年)が決めて同点。その後は互いの特徴を潰しあう一進一退の攻防が続いた。結局、互いに追加点を奪うことが出来ず、PK戦の末、市立船橋が3回戦へと駒を進めた。
前半ペースを握ったのは市立船橋。左サイドのスペシャリストである薬袋(みない・3年)を最終ラインに下げた4バックシステムで対面の木佐木を押さえ込み、高い位置からのプレスで東福岡の中盤に自由を与えなかった。しかし、近藤(3年)を中心に市立船橋のカウンター攻撃を凌いだ東福岡は、市立船橋の運動量が落ちた後半に入って主導権を奪い返して得意のパスサッカーを展開。48分には得意の大きなサイドチェンジから決定機を作り出した。
展開力のあるサッカーで攻め続けた東福岡。高い守備意識を全面に打ち出して守り抜いた市立船橋。互いの持ち味を発揮した試合内容は全くの互角だった。むしろ、攻撃という点から見れば東福岡に軍配が上がる。しかし、それをも上回る市立船橋のリアリズムは際立っていた。相手ボールになると素早く引いて最終ラインを5人にしてスペースを埋め、とにかく点をやらないことに専念していた。敢えて東福岡の敗因を探れば先制点を奪われたことか。PK戦も市立船橋にとっては計算内のことだったのかもしれない。
この試合に続いて行われた奈良育英と青森山田の試合は、組織力と個の強さがぶつかり合う試合となった。奈良育英の中盤の構成力とサイド攻撃を封じ込めるために、青森山田は中盤を省略して早いタイミングでボールを前へ。突破力のあるレオナルド(3年)と小澤(2年)。2列目から飛び出す小寺(3年)。そして高いテクニックを見せる仲谷(3年)の4人が個の力で前線から仕掛けることで奈良育英を自陣に押し込んだ。そして37分、40分と立て続けにゴールを奪い、後半開始直後の45分にも3点目を奪って試合を決めたかに見えた。
しかし、ここから奈良育英が反撃を開始。レオナルドと仲谷の突破に備えて前へ上がれなかった両SBが積極的に高い位置に出ることで流れが変わった。前を向いたときには全員がスペースを見つけて労を惜しまず駆け上がり、ボールに対して常に3人が三角形を作って流れるようにボールを運ぶ。前半は影を潜めていたサイドアタックが蘇り、1回戦では抜群の安定感を見せた奥野(3年)、宮本(2年)のCBコンビも落ち着きを取り戻す。
そして54分、オーバーラップしてきた西本(3年)のクロスボールに細川が走りこんで1点をゲット。続く65分にはゴール正面20メートルの位置から柳(3年)が放ったミドルシュートがゴールマウスを捕らえた。そして終了間際の78分には同点ゴールかと思われるシーンも作り出した。しかし、さすがに3点のビハインドは大きく、あと1点を追いつくことが出来なかった。それにしても、青森山田の前の4人の攻撃は迫力満点。3回戦で当たる市立船橋の堅守との戦いが見ものだ。
もうひとつの注目のカードである滝川第二と星稜の対戦は、攻撃型のチーム同士らしい激しい攻め合いの末、星稜が3回戦に駒を進めた。接戦を制した立役者はJリーグの名古屋入りが決まっている司令塔の本田(3年)。1-1で迎えた33分、左サイドからのクロスボールに左足を落ちついて合わせて勝ち越しゴールをゲット。再び同点とされた10分後には、後方からのフィードを受けて、そのままペナルティエリア内へ。最後は角度のないところからゴールネットを揺らした。
そして60分。今度は左サイドの深い位置で得たFKをゴール前へ。勝負の行方を決めた込山(3年)の4点目をアシストした。その後、滝川第二に1点を返されたものの4-3で接戦をものにした星稜。左足から繰り出される正確なキックと、一発で試合を決めてしまう爆発力を持つ本田が、その実力を十分に発揮した結果の勝利だった。強豪相手に点の取り合いを制しての勝利はチームを勢いづけるには十分な結果となった。
そのほか、那覇西は2点のリードを追いついかれたもののPK戦で草津東を下して3回戦へ。前橋商業はセットプレーからの豪快な2発で初出場の済美を下した。近大和歌山と仙台育英は互いに譲らずスコアレスドロー、PK戦の末、仙台育英が勝ち名乗りを挙げた。優勝候補として注目を集める鵬翔は初出場の矢板中央に大苦戦。しかし、2-2の同点で迎えたロスタイムに興梠(3年)の劇的な決勝ゴールで2回戦を突破した。そして、34分の岸本(3年)が奪ったゴールを守りきって各務原を下した広島観音は、なにやら今大会の台風の目になりそうな予感を漂わせている。
以上
2005.1.2 Reported by 中倉一志
[ 第83回全国高校サッカー選手権大会 2回戦 試合結果]
・埼スタ、等々力開催分試合結果
・柏の葉、西が丘開催分試合結果
・駒場、駒沢開催分試合結果
・三ツ沢、市原開催分試合結果
J’s GOALニュース
一覧へ【第83回全国高校サッカー選手権大会 2回戦 市立船橋 vs 東福岡 他レポート】注目の一戦は市立船橋がPK戦を制し、3回戦へ進出!(05.01.02)
- 終盤戦特集2025
- アウォーズ2025
- 明治安田J1昇格プレーオフ2025
- 明治安田J2昇格プレーオフ2025
- J3・JFL入れ替え戦
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 2025 月間表彰
- 2025 移籍情報
- 2025 大会概要
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- 2025 Jリーグインターナショナルユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE













