2005年2月9日(水)19:30 Kick Off
2006 FIFAワールドカップドイツ大会 アジア地区最終予選
日本代表 vs 朝鮮民主主義人民共和国代表(埼玉スタジアム2002)
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ジーコ監督に対する評価は常に割れていた。賞賛は少なく、懐疑的な視線にさらされる時期は長かった。それは例えば、固定的なメンバー選考や、チーム作りにおける明確な戦術的指示のなさに対する批判だった。しかしそれは裏を返せば選手に対する信頼感と敬意の裏返しだったとも言える。紙一重の戦いではあったが、その中で結果を出しつつ、ジーコ監督はチームを作ってきた。
1月17日に宮崎で合宿をスタートさせてからはや3週間。これだけ長期の合宿を続けて来たのは、もちろん明日の試合のため。その試合とは、2006FIFAワールドカップアジア地区最終予選初戦。対戦国は北朝鮮だ。
北朝鮮という国は国際舞台からは長らく遠ざかっており、極端に情報の少ない国だが、日本代表は一次予選のビデオで分析を進めている。例えば田中誠は「まじめなサッカーをやる」とその印象を語っている。
そもそも一次予選での基本的なフォーメーションは、4-4-2だったが、アン・ヨンハッ(名古屋)とリ・ハンジェ(広島)の二人が合流した海南島合宿では3-5-2が試されてきた。3-5-2システムにおいては、アン・ヨンハッが左WBのポジションに入っており、対人能力に定評のあるアンの守備力が、日本の右サイドからの攻撃を抑え込む事が期待されているのだろう。またリ・ハンジェは、右のサイドハーフやトップ下など攻撃的なポジションを任されており、注意が必要となる。ただし、そのリ・ハンジェは右足親指を痛めたと伝えられており、試合までにどこまで回復するのかは未知数。さらに熟成を進めてきた3-5-2は、日本戦前の最後の調整試合となったクウェート戦で4-4-2へと変更されており、ユン・ジョンス監督の迷いが見て取れる。
気になるのは田中の「FWは1対1での強さと決定力があるという印象でした。フリーで打たせると確実に入れてくるという感じですね」という言葉。北朝鮮の2トップに対しては遠藤保仁も「2トップは裏でもらう動きが気になりますね。そこにはボールを出させないようにしたい」と口にしていおり、加地亮も「2トップは早くて強いですね」と警戒感を口にしている。
その北朝鮮の2トップだが、得点感覚に優れているのがホン・ヨンジョという選手。一次予選で4得点をマークしてチーム内得点王となっている。またコンビを組むキム・ヨンスは「中盤に下がる動き」(遠藤)があり、マークをどのように付けるのか、という部分での連携面で注意が必要になってくる。
この2トップにパスを供給するのがキム・ヨンジュン。一次予選では彼がボールを持つとまわりの選手が連動して動き出す場面が見られており、攻撃の起点として機能していた。日本とすれば、素早いアプローチを仕掛けてタテへのボールの動きを遅らせなければならない選手だ。
2列目以降の選手の、ミドルレンジからの正確で強烈なゴールシーンがTVで流されていた場面を覚えている方もいるだろう。トップと2列目にシュート力のある選手をそろえているという点では、日本は最終ラインとボランチとの連携に気を配る必要がある。もちろん悪い取られ方をした時のカウンターにも注意したい。
その一方で、日本がボールを保持する場面では、北朝鮮はゴール前により多くの人数を集める可能性が高くなるだろう。それだけに、できるだけ素早く縦方向へボールを動かし、小笠原満男にボールをつなぎたいところだ。小笠原は、前を向いてのスルーパスで相手守備陣を切り裂き、中盤へ下がることでボランチのタテへの進出を促す。そういう意味で、日本のキープレーヤーとなるのは確実だ。
中央に枚数をかけてくるチームに対してはサイドからの攻撃も重要だ。三都主アレサンドロのドリブル突破は日本にとっての大きな武器となる。しかし、練習試合で露呈していた、ゴール前の選手たちとのクロスのタイミングのズレがどこまで改善されているのかがポイントとなる。また、5日の全体練習後に、居残り練習を行った加地亮にも期待がかかる。先日のシリア戦では、1対1で仕掛ける姿勢が随所に見られ、鈴木隆行の先制ゴールの起点となった。タテに行くと同時に、中央へと切れ込んで、そのままシュートをねじ込む、という場面も見せてほしいところだ。
確実に勝ち点3がほしい試合ではあるが、と同時にホームゲームということで負けられない試合であることも事実。そういう意味では、お互いに出方を確かめながらの膠着した立ち上がりとなる可能性がある。そうした試合運びを「攻めあぐねている」ととらえ、気持ちを先走らせるのは控えたい。ジーコ監督は常々「試合は90分で決めればいい」と語っている。アジア王者たる日本を応援するサポーターとしては、どっしりと構え、じっくりと戦況を見守ってほしい。なにしろ最終予選の初戦であり、なおかつ相手は情報が少ない国なのである。
最終予選という言葉の響きに心の奥底にある何かしらの感情が沸き上がってくる人は少なくないだろう。そういう人は、8年前の喜び。12年前の悲しみ。そしてそれ以前の長く苦しい冬の時代が心に刻み込まれているのだろう。感情を揺さぶるほどのインパクトを持つ試合にはそうそう巡り会えない。そんな試合に接せられる喜びを感じつつ、魂を込めた戦いの日々が始まる。
まずは初戦。日本代表に、勝利の美酒がもたらされんことを。
以上
2005.2.8 Reported by 江藤高志
J’s GOALニュース
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