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【2005クラブ別戦力分析レポ:湘南編】センターラインの強化に成功。2年目の上田監督の成果に期待(05.02.25)

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【2005シーズンの見どころ】

1999年、当時のベルマーレ平塚を率いた指揮官が昨年9月、ふたたび帰ってきた。彼にとってベルマーレは、前身のフジタサッカークラブから数えれば20年以上の付き合いとなる“ホームクラブ”である。だが懐かしさに目を細めている余裕はなかった。
シーズン終盤の11試合を終え、彼は強く思い知らされる。「厳しく、タフなリーグだ」と。

2005シーズンに向け、上田栄治監督はセンターラインの強化から着手した。具体的には「敵の攻撃をはね返せるセンターバック」「決定的な仕事のできるMF」、そして「ストライカー」である。
ビルドアップができていなかったわけではない。ただラストパスやその一手前のパス、言わずもがな決定力が不足していた。昨シーズンの12チーム中9番目、総得点39という数字を見ても、ゲームをコントロールできる才能とゴールゲッターの獲得が急務だったといえる。

そこで新たに加わったのが加藤望と佐藤悠介、グラントである。加藤は中盤でボールをキープしてゲームをつくり、また試合の流れによってプレースタイルを変える柔軟性を持つ。佐藤の左足で、リスタートの破壊力も増した。グラントは得点感覚に優れるストライカーである。彼ら新戦力とこれまでのメンバーがうまく融合すれば、攻撃の組み立てにおいてリズムが生まれ、課題だった決定力も克服できるだろう。

またピッチ上での目に見える変化とは別に、彼らが加わったことによるもうひとつのメリットがある。「経験」だ。
湘南は久しく「若いチーム」と言われ続けてきた。若さは予想を覆す意外性を秘めると同時に、経験不足というデメリットも内包している。言い換えれば、個々の持つ伸びしろを確固たる力に変えていくのが経験である。その点で、特にベテランの加藤やグラントの存在は競争意識を煽るのはもちろん、「手本」としてチームに強く影響を与えるだろう。

昨年はケガ人が続出したDF陣の強化も磐石だ。バリシッチがセンターバックに入り、補強のテーマである1本の強固なラインがセンターに引かれた。練習試合では冨山達行、田村雄三といったルーキーも先発組に食い込んでいる。この争いにベテランの白井博幸や浮氣哲郎、昨年コンバートされた戸田賢良、2年目の村山祐介らが加わり、誰を使うのか迷うほどメンバーは充実してきた。

新戦力の台頭により、輝きを取り戻した選手もいる。FWの永里源気やサイドアタッカーの石原直樹は、練習試合でいいパフォーマンスを見せた。またケガからの復帰を待つボランチの中里宏司やDFの時崎悠らも、熾烈なポジション争いを虎視眈眈と狙っている。

上田監督が就任し、天候に恵まれた地元平塚でのキャンプを経て、チームの底上げは確実になされている。「目標はあくまでJ1昇格です」。昨年10位だから、厳しい船出であることは間違いない。だが着実なステップアップを図ってきた上田ベルマーレには、大きな可能性がみなぎっている。



【新戦力・注目のキープレーヤー】

昨年暮れに行なわれたトライアウトの場で上田監督が真っ先に目を付け、新たに加入したのが加藤望である。柏レイソル一筋だった男のプレーは、新天地を目指す選手が集う中でも一際輝いていた。35歳にしてなおフィジカル能力はトップクラスにあり、またこれまでの実績が示すとおりゲームをつくる能力も折り紙つきだ。加えて決定力も兼ね備えている。前線と中盤との間に生まれる溝を埋め攻撃の潤滑油となり、さらに自らもゴールを奪える彼の特長を生かせば、チームの決定力不足は間違いなく解消されるだろう。

C大阪から移籍した佐藤悠介も、強力な新戦力の1人である。左足から繰り出される正確無比のキック、そしてゲームを読む幅広い視野で攻撃の起点を担う。当初は左サイドの最右翼と考えられていたが、今のところボランチでの起用が有力である。
上田監督の目論見はこうだ。
「サイドだと、どうしてもボールを扱う機会が少なくなる。ボールに多く触れるボランチのほうが、悠介の才能が生きるでしょう」
個々人の才能をフルに生かせるポジションを上田監督は探している。FWの戸田をセンターバックにコンバートしたことから始まり、佐藤をボランチ、加藤を左サイドに据え、それまで左サイドだった坂本紘司をFWへ移した。戦力の補強による単純なポジション争いだけでなく、潜在能力を最大限に引き出せるポジションを見極めることで、チームは想像を超えた化学反応を起こしている。

前線と最終ラインに新たに加わった外国人選手も、補強の大きなテーマだった。グラントはプレミアリーグのチャールトンに在籍したこともあるストライカーである。つねにDFの裏を狙い、シュートチャンスを逃さない嗅覚を備える。先に挙げたメンバーを中心に中盤を支配し彼にラストパスを送れば、ゴールはより近づくだろう。
クロアチア出身のDFバリシッチは190cmという長身を生かし、攻守において制空権を支配する。上田監督の掲げる「コンパクトなディフェンス」というコンセプトにも対応したスピードやリーチ、持久力も併せ持つため、言葉の壁をクリアし周囲との連係さえ取れれば今後さらに伸びるだろう。

経験豊かな新戦力のほかに、今季初めてJリーグの芝を踏むルーキーの加入も見逃せない。とくに注目は大卒コンビの冨山と田村である。冨山はDF、田村はボランチ出身の選手だが、両者とも湘南では主にサイドバックとしてピッチに立っている。身体能力の高さとひたむきなプレーは、昨季ルーキーながら同じように注目され、開幕からスターティングメンバーに名を連ねた村山をも凌ぐ勢いである。

新戦力、そして新たなポジショニングにより、前線、中盤、最終ラインと、いずれも熾烈な競争が繰り広げられている。現状が最終形ではないだろう。上田采配のもとで争われる「内なる戦い」で、進化はさらに加速する。


【開幕時の布陣予想】

練習試合の様子から、開幕スタメンの布陣は図のように考えられるが、いくつかエクスキューズを添えておきたい。

まずFWだが、グラントのコンディションが完全ではなく逆に柿本倫明の調子がいい点、加えて佐野裕哉が山形との練習試合で負傷したため、スタートは柿本と坂本の2トップが予想される。リザーブに伸び盛りの永里が食い込む可能性もあるだろう。
中盤は左に加藤、右には高田保則が有力だが、練習試合でいいプレーを見せた石原の右サイドも考えられる。ボランチは左に佐藤、右に吉野智行が有力。
DFは白井のケガの回復具合がキーポイント。開幕に間に合えば、白井とバリシッチのセンターバックが実現する。左サイドバックは城定信次が有力。右にはルーキーの冨山が考えられるが、ボランチからのコンバートに手応えを感じている同じくルーキーの田村に白羽の矢が立つ可能性もある。また白井の復帰によって浮氣が最終ラインから外れた場合、右ボランチに抜擢される可能性も残る。
GKは鈴木正人が中心となるだろう。

Reported by 隈元大吾


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