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【2005クラブ別戦力分析レポ:広島編】優勝争いまでの3年計画ラストイヤー。キーワードはアルゼンチンワールドユース世代(05.02.25)

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【2005シーズンの見どころ】

「3年目にはJ1で優勝争いをするチームにする」。
J2に落ちた時に就任した小野剛監督が、その時に掲げた3年計画。今年、その最終年を迎える。前年の年間順位12位にすぎないチームが、今季優勝を狙う。客観的に見れば、かなり厳しい状況であることは間違いない。

そのため、クラブはかつてないほど、積極的な補強に動いた。そのキーワードは「アルゼンチンワールドユース世代」の結集、である。
「広島のような地方クラブは、補強においてもハンディがある」と小野監督は言う。たとえば関東のクラブであれば、生活の基盤を変えることなく、移籍を考えることができる。でも、広島に移るとなると、話は別だ。生活環境の変化を伴い、家族の生活にも大きな影響を及ぼす。28歳くらいの、もっとも脂が乗っている世代を補強したいと考えても、オファーが競合してしまうと条件的に非常に厳しくなるのは、そういう事情による。
そこで広島は、ターゲットを若い世代に絞った。それも、かつて小野監督の指導を受け、その影響を色濃く受けたアルゼンチンワールドユース世代(2001年のU-20、2005年に24歳になる世代)である。幸い、広島には森崎和幸・森崎浩司・駒野友一・上野秀章と、この世代がすでに4人いる。その彼らと小野監督のもとで共にプレーしたい、と感じてくれる世代にターゲットをしぼって、補強を仕掛けた。
結果として、仙台のエースでありJ2とはいえシーズン20得点をあげた佐藤寿人の他、清水から池田昇平、柏から茂原岳人の獲得に成功。さらにこの世代のリーダー格というべき森崎(和)を小野監督はキャプテンに指名し、名実ともにアルゼンチンワールドユース世代にこのチームの牽引役を任せよう、というわけだ。

 この補強は、チームに大きな刺激を与えた。移籍組の3人が、すべてポジションを確保。池田は、新外国人DFのジニーニョと共に4バックの中心として安定した守備陣を形成。茂原は豊富な運動量を活かして中盤を走り回り、正確なショートパスとドリブルで抜群の存在感を発揮している。
彼らのキャンプでの精力的な動きに刺激され、小村徳男や吉田恵、西河翔吾ら昨年実績組も発奮。北朝鮮代表で注目を浴びた李漢宰も、クラブで試合に出られないかもしれない状況に「早くみんなとサッカーをやりたい」と、ケガの完治を待ち切れない勢いだ。何より、広島一のスター選手といっていい森崎浩司が、レギュラーを確約されていない状況なのである。

新加入選手たちの戦術理解能力が高く、小野監督が掲げる「ボールが動き人も動く」サッカーに、すぐに対応。宮崎キャンプでの練習試合ではG大阪や城南一和(Kリーグ)などの強豪相手に勝利し、3勝2分と負けなしの結果を残した。プレシーズンマッチのC大阪戦こそ大敗したものの、これはコンディション調整の無理がたたったためのもので、チーム全体としては自信を失っていない。

前年12位から一気に優勝争いを目指す。客観的には「無理」な目標設定に見えるかもしれない。しかし、クラブ全体はその高い目標に向けて動いており、小野監督も「自信はある」と胸を張る。開幕ダッシュに成功すれば、若いチームが勢いにのり、一気に旋風を巻き起こす可能性はおおいにある。



【新戦力・注目のキープレーヤー】

広島の宮崎キャンプの話題を独占した感のある選手が、新外国人FWガウボンだ。187センチという長身を武器にしてのポストプレーとヘディングの高さには、当初から期待が集まっていたが、彼のストロングポイントは、それだけではなかった。
蔚山現代戦、佐藤(寿)と茂原のスルーパスに反応し、GKをかわして無人のゴールにボールを流し込む。瞬間的反応の速さと鋭いボール感覚、柔らかなボールタッチを見せつけたこの2ゴールによって、ガウボンは自らの技術の高さをも証明したのである。
結局、宮崎キャンプ中の練習試合でガウボンは5試合で6ゴールという荒稼ぎ。疲労が蓄積してC大阪戦こそ無得点だったが、コンディションが戻ってくれば、相手の厳しいマークに対しても平然とボールがキープできるフィジカルと技術を持っている。
彼のポストからの配球から佐藤(寿)や大木勉らの飛び出しを誘発し、そこからチャンスを広げて、最後はまたもガウボンが決める。そんな形が頻発しそうな予感は、確かにある。久保竜彦(現横浜FM)移籍以来、広島が求めてやまなかった絶対の得点源が、ようやく現れてくれそうだ。

そして、もう一人。違う意味で注目したい選手が、森崎(浩)である。2年連続チーム得点王であり、またチームナンバー1の人気を誇る若者だが、今年のキャンプでは完全に出遅れた。一次キャンプのグアムで、右足内転筋の張りを感じた森崎(浩)は「ケガをしたくない」という思いが先に立ってしまう。そのため、彼の最大の武器であるワイドでダイナミックな動きがなくなってしまった。他の選手が意欲的に動き回っていただけに、彼の動きの鈍さは際立ってしまい、結果としてポジションがなくなってしまったのだ。コンディションが戻ってくるにしたがってパフォーマンスを上げてきたが、まだまだ本来の森崎(浩)の動きからすれば物足りない。小野監督も彼を本来のトップ下やFWではなく、ボランチで起用することによって、ディフェンスからきっかけを与えようとした。その効果は、少しずつ出てきているようには、思えるのだが。
確かに層が厚くなってきた広島だが、破壊的かつ繊細な左足とゴール前での勝負強さを持ち、技術も運動量もあり、さらにチームのムードメイカーをも務める森崎(浩)の存在は貴重。チームの優勝構想も、森崎(浩)抜きでは始まらないのである。彼が開幕まで2週間を切った中で、どれだけコンディションを上げ、いいパフォーマンスを見せて小野監督にアピールできるか。ある意味、新戦力の活躍よりも、チームの鍵を握っているのかもしれない。


【開幕時の布陣予想】

今のところ大きなケガ人もなく、開幕からベストメンバーで臨めそうだ。今季は昨季の3バックから4バックにフォーメーションを変更。より攻撃的な選手を多く配置した形で、開幕ダッシュを狙っていく構えである。

GKは下田崇。G大阪戦では大黒の決定的なシュートを2本はじき返すなど、相変わらずの安定感。絶対的な信頼を持つ彼の起用は、揺るぎない。
DFは、右から駒野・ジニーニョ・池田・服部公太という4枚が有力。もっとも、池田のところに小村が入ってくる可能性もあるが、他の3人の起用は絶対的だろう。特に今季は、駒野と服部、広島が全国に誇る両サイドバックが好調を維持。長い距離をかけ上がっての攻撃参加が何度も見られそうだ。

 4−3−3か4−4−2か。ここは、小野監督も思案しているところだろう。練習試合では、4−3−3が確かに多かったが、それは大木と佐藤(寿)を共に起用したいという考えもある。サテライトのフォーメーションはむしろ4−4−2の形が多いことからも、小野監督のアタマの中でどちらがベースということではなく、使う選手によってこの2つのシステムを使い分けたいということではないか。
 ここでは、一応4−3−3で考えてみる。ボランチは森崎(和)と茂原でほぼ決まり、という感があった。が、茂原が川崎F戦・C大阪戦と疲労からパフォーマンスを落としてしまっており、また森崎(浩)がボランチで好プレーを見せたこともあって、ここの争いは熾烈になってきた。トップ下のベットは、よほどのことがない限り、確定だろう。
 3トップは、ガウボン・大木・佐藤(寿)。大木や佐藤(寿)のところに森崎(浩)がからんでくる可能性も捨て切れないが、森崎(浩)を使う場合はむしろ4−4−2を選択するのではないだろうか。また、茂木弘人も評価を上げてきているが、スタメンの可能性は薄い。

Reported by 中野和也


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