5月14日(土) 2005 J2リーグ戦 第12節
札幌 2 - 0 水戸 (14:04/札幌厚別/6,807人)
得点者:'2 オウンゴ−ル(札幌)、'65 中山元気(札幌)
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札幌サポーターや長年札幌を取材している地元メディアにとって、メインスタンドから見て主に右から左に吹く札幌厚別の強風はとっくにおなじみ。それでもこの日はことさら強烈で、報道陣は「手袋を持ってくれば良かった」と凍える素手でペンを握り、風に飛ばされそうな身を震わせていた。
そんな「笠松ではこんな強風はないですね」(本間)という中で、開始2分、風下の札幌に先制点が早々に転がり込んだ。西澤が左斜めから浮き球を蹴り、札幌・中山と水戸・吉本が競り、吉本がヘディングしたボールがすっぽりゴールマウスへ。オウンゴールで1対0。
以降、札幌は中山が走り回って浮き球を味方に合わせ、砂川があちこちでドリブルを仕掛けることを主流に攻め、水戸は永井が中心でボールをおさえ、前節までの左からこの試合では右2列目に移った関と左サイドに入った森田のイキの良さで裏への抜け出しを挑むという様相が続く。
先制点を奪われた水戸にも決定機はあり、17分に関が抜け出してスルーパスに合わせてシュートを打ったり、42分にロングボール1本で森田に渡りシュートという局面があったが、いずれも実らず。札幌も、清野が26分と30分に絶好のシュートがあったが外してしまい、前半は1点にとどまった。
後半もしばらく音なしの時間が続いたが、札幌は1点のリードがあるので点が取れない焦りはにじみ出ず、ミスなく対応し続ける。水戸のデルリスの動きに対しても、3バックが必ず複数でマークし、例えば曽田が競り合ってかわされたとしてもその裏に加賀が走りこんでピンチを消すというような連係をよく発揮していた。
そうこうしているうちに後半20分。札幌・上里が左斜めでボールを持ち、中山とアイコンタクト。「練習通り」(上里)のコンビネーションでパスを出し、風に乗って水戸DFの頭を越えた浮き球を中山が足でトラップし、右足シュート。札幌ゴール裏サポーターの目の前のゴールマウスに気持ちよく突き刺さり、2対0とリードを広げた。
もうがむしゃらに攻めにいくしかない水戸・前田監督は中盤の底の栗田に代えてFW岩舘を投入。1トップから2トップへと人数を変えて、デルリス相手に連係のとれていた札幌DF陣に揺さぶりをかけるが、それでも大局は変わらず。札幌は精彩のない清野に代えて後半13分から投入された新人・石井が和波とのコンビネーションで左サイドを攻めたり、また前線で中山といい距離感で動いたりと、試合の流れを断ち切ることなく、2点差のまま試合終了。第1クール(5節)の0対2のスコアをそっくりそのまま水戸にお返しし、対戦成績をタイにした。
危うかったのは、ヘルニアの治療から復活した札幌GK林。今季初先発も、強風の影響かゴール前でボールをポロリとこぼす場面が前後半を通してあり、どっしりした存在感とは裏腹の状態。右サイドで同じく初先発の徐も守備面が不安なのか慎重なプレーぶり。思い切り前へ突っ込めたシーンは2、3回程度か。それでも失点という目に見える痛手とはならずに助かった。
水戸も前半のせっかくの風上の時に、ロングボールと、デルリスや中盤のキレを合致させることができなかった。まず守って相手を焦らせ自分たちのリズムにし、前のめりにさせてバランスを崩させてから優位をとるという水戸の持ち味が、風に吹き飛ばされた。この日も、相手がボールをつないで攻めてきたら多くの選手がスッと引き、中盤で奪えなくても最終ラインではね返そうという堅さは健在だったが、とにかく早々の不運の失点が響いた。
「風があったのでラッキーかアンラッキーかの違いかなと。運がコンサドーレにいったのではと思います」と水戸・前田監督。確かに綿密な組み立てをやったとしても、強風にはどうしようもないという様相だった。厚別の風は時として、運と不運をピッチ上に吹かせる。
試合後、札幌・柳下監督がマイクを通してスタンドのサポーターに呼びかけた。今週月曜に起こった運営会社の不祥事に対応してのもので、全く異例のことだ。「チーム一丸となって、夢と感動、喜びを与えるよう、がんばります。コンサドーレのサポーターとしてどこへ行っても、誇りに思えるチームにしていきます」
コンサドーレに吹く向かい風はこの日の勝利だけでおさまったわけではない。明日からも歯を食いしばって、フロント、サポーターも含めて皆が戦い続けなければならない。
以上
2005.05.14 Reported by 永井謙一郎
J’s GOALニュース
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