6月11日(土) 2005 ヤマザキナビスコカップ 第6節
東京V 1 - 2 G大阪 (19:01/味スタ/8,868人)
得点者:'39 松波正信(G大阪)、'68 寺田紳一(G大阪)、'74 小林慶行(東京V)
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この試合はG大阪にとっても、東京Vにとっても、気持ちの持っていき方が非常に難しいものとなった。G大阪は前節で広島に敗れながらもナビスコカップ予選Bグループの首位通過を確定させていた。そして、本来なら予選突破へのわずかな可能性にモチベーションを高めることができたであろう東京Vも、キックオフ時間が他グループより遅かったことで戦わずして予選敗退が決まっていた。
東京Vはケガで欠場したワシントンの代わりに玉乃をトップで起用。指揮官はまったくタイプの異なるテクニシャンをFWとして送り出し、閉塞感漂う現状打破への起爆剤を求めた。対するG大阪もナビスコカップ好調の吉原が戦線離脱しているため、松波が先発。あとは、日本代表組を欠く布陣で最終節に臨んだ。
試合は実に静かな立ち上がりとなり、ともにパスサッカーを信奉する両者の対決は中盤の潰し合いから始まった。「前半はどちらのチームも勝利に値しないような印象を受けた」。アルディレス監督は最初の45分をそう振り返っている。しかし、東京Vに関して言うと、内容は前の2試合(広島戦、川崎F戦)より見どころがあり、玉乃が作る独特のリズムに周りの選手も呼応して、ゲームをうまく作っていた。守備の対応に追われた前の2試合に比べれば、それほど悲観する内容ではなかった。そしてG大阪も、アラウージョ、フェルナンジーニョのブラジル人コンビが阿吽の呼吸で攻撃を組み立て、スピーディーで娯楽性溢れるサッカーを見せていた。
試合が動いたのは39分、先制したのはG大阪。CKの流れから二川がゴール前にクロスを送ると、シジクレイが技ありの胸パスで意表を付き、最後は松波が押し込んだ。試合後、「初めて息子が見に来ていたのでがんばった」と照れくさそうに振り返っていたが、実に彼らしい泥臭いゴールだった。
「リードされていたので後半はより押し上げた」(アルディレス監督)。ビハインドを背負ってしまった東京Vは、後半から積極的に前へ行ったことで攻撃に勢いが出始め、開始4分には相馬のクロスから平本がヘッドでネットを揺らす。これはオフサイドの判定でノーゴールとなったが、試合の主導権はその後も東京Vが握っていた。特に小林大に代わって入った平野が、「少しでも動き回ってパスが出てくるようにしようとした」と随所にフリーランニングを見せたことで、東京Vの持ち味であるパスワークに迫力が増していた。
しかし、試合の運び方にはG大阪に一日の長があった。東京Vの攻勢をうまく受け流しながら迎えた68分、カウンターからフェルナンジーニョがゴール前まで持ち込み決定的なスルーパスを出すと、途中出場の寺田が公式戦初得点を決め、リードを2点に広げる。東京Vもその6分後、「自分で蹴りたいと思っていた」と小林慶が自ら得たFKを直接ゴールに叩き込んで反撃ののろしを上げたが、結局ゴールはその1点のみに留まった。
東京Vは1-2で敗れてしまったが、内容は悪くなかった。5月21日の第3節で同じくG大阪に5-3という大量失点で敗れてから、自分たちの方向性を見失っていた感があったが、この日は持ち味のパスワークから攻撃を組み立てることができていた。ただ、東京Vは確かにボールを回せてはいたが、同じくパスサッカーでゲームを作るG大阪のリズミカルな攻撃とは対照的に、ポゼッションを高めるだけで停滞感を漂わせる場面が多かったことも指摘しておかなければならない。
その違いを生んだのはスペースに対する意識の差、そして選手同士の信頼関係の差。G大阪の選手がパス&ゴーの意識を徹底し、次々とスペースに飛び込んでボールを呼び込み、そしてそこにパスを出すことで有機的な連動を作っていたのに対し、東京Vはボールが動くだけで選手の動きが乏しかった。時折、フリーランニングで流れを変えようとした選手もいたが、そこにボールが入ってこないので、次第に動き出しもなくなっていく。東京Vの状態が上向いてきていることは確かだが、それだけに同じくパスサッカーを志向するG大阪との差がより一層浮き立って見えたのも事実である。
以上
2005.06.12 Reported by 神谷正明
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