7月6日(水) 2005 J1リーグ戦 第14節
新潟 3 - 2 神戸 (19:00/新潟ス/39,012人)
得点者:'37 鈴木慎吾(新潟)、'38 ホルヴィ(神戸)、'52 喜多靖(新潟)、'72 平瀬智行(神戸)、'88 エジミウソン(新潟)
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新潟が粘り勝ちした。2対2で迎えた後半43分、ゴール前の混戦か出たこぼれ球をFWエジミウソンが左足で決めて勝ち越した。神戸は2度リードされるも、MFホルヴィ、FW平瀬智行のゴールで追いついたが、最後に一瞬の隙を突かれた。
迷いに迷っていた勝利の女神が、最後は新潟に微笑んだ。後半43分、新潟はMF寺川能人が右サイドからクロスを入れる。これを神戸のGK掛川誠がファンブル。両チームが入り乱れてボールを奪い合ううちに、こぼれ球がエジミウソンの目の前に転がった。
「うちの選手はみんな『自分が決める』という雰囲気だった。その中で僕の前にボールが来たのはラッキーだった」。打ったのは利き足の右足ではなく、左足。それも力を抜いてループ気味の軌道。「冷静に丁寧に蹴った」というボールは、ヘディングでクリアを試みた神戸DF坪内秀介の頭上を越え、吸い込まれるようにゴールに収まった。
調子は良くなかった。後半8分にはドリブルで突破し、1対1の場面をつくりながらもGKに阻まれた。シュートの寸前までいくが、打ちきれない。「蹴る感覚自体がよくなかった」。それが大事な場面で良い方向に働いた。「力を入れすぎず、丁寧に狙った」。ここ一番でみせたエースの落ち着いたプレーが新潟に4試合ぶりのリーグ戦の勝ち星を呼び込んだ。
攻撃の形はある程度つくれていた。前半37分のMF鈴木慎吾の先制点は、DF海本慶治とエジミウソンのパス交換でディフェンスを崩してつないだもの。後半7分にはDF喜多靖のミドルシュートで一時、2対1と勝ち越した。鈴木慎吾からパスを受けた岡山哲也がボールをキープし、後方から走り込んだ喜多に預けてシュートに持っていった。
的確なボール回しで、一瞬の隙突く。中断期間にトレーニングを重ねてきた攻撃の形が大事な場面で結果になって表れた。
神戸は逆に大事な場面で集中し切れなかった。決勝点を許したシーンは密集からボールがこぼれたときに全員足が止まってしまった。攻撃面では後半途中から3バックにシステム変更し、ボールが回り出した。後半27分、DF北本久仁衛の浮き球のパスを逆サイドの平瀬が押し込んで2対2に追いついた。サイド攻撃で新潟の守備陣を崩しにかかっていた時間帯だった。ただ、それ以外シュートは攻め込みながらもマウスを捉えきれなかった。あと一歩でチャンスを逃していたことが、最後に隙をつくる呼び水になっていた。
もっとも新潟も反省点はある。先制点の1分後に簡単に同点にされている。2点目もマークが外れたもの。失点27はリーグワースト2位だ。加えて攻撃の軸でもあるMFファビーニョが鼻骨骨折の疑いで前半10分に退場。次節以降の出場は微妙になった。今後は本格的にチーム力が試される。
両チームともに一瞬の隙、一瞬のチャンスを巡る攻防が課題として残った。
以上
2005.07.07 Reported by 斎藤慎一郎
J’s GOALニュース
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