7月6日(水) 2005 J1リーグ戦 第14節
柏 0 - 0 大分 (19:00/柏/6,457人)
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ホームの柏レイソルは序盤、極力リスクを冒さないよう守備の人数を増やしていた。大分トリニータの攻撃時には、最終ラインの3枚に加え両サイドが下がってポジションを取り5バック気味になる。このラインに対し、ボランチの明神智和とリカルジーニョがふたをし、大分が中盤に持ち込んできた危険なボールをカットしていく。
そうして奪ったボールは、シンプルに前線で待つ矢野貴章と玉田圭司に送り、カウンターでチャンスを作った。早野宏史監督が「攻撃は前半は矢野と玉田が運動量もあってコンビが良かった」と評価するように、前半の柏の2トップは何度かのチャンスを作っていた。
柏のゲームプランは概ね成功したが、それでも大分攻撃陣にペナルティエリア内への侵入を許す場面は少なくはなかった。例えば前半11分にはペナルティエリア内でのマグノ アウベスのシュートを皮切りに、ディフェンスがブロックしたボールをサイドに展開され、最後は西山哲平のクロスをドドに狙われる場面があった。
大分にしてみれば惜しいチャンスは何度も訪れた。中央を突破する場面に限らず、パスワークから平山智規の裏を突いて決定機を作り出す場面も少なくなかった。ただし、それを決めきれないところに大分の問題がある。
「決定機はあるんですが、得点が決まらないのは問題ですね」(大分・西山哲平)
「前の試合も決めるところで決めてれば勝てた試合。もったいなかった」(大分・川田和宏)
前半を耐えた柏は、後半の立ち上がりも守備重視の戦いを見せる。柏にとって大分というチームは、勝ち点で接近する(5差)相手であり「前節引き分けということで、帰りのバスの中からこの試合は勝とうと話していた」(早野監督)という試合だった。勝つための方法論として、まずは失点を防いだのである。
しかし攻撃面では早野監督が指摘するように「後半は2トップの運動量が落ちた」ことでチャンスメイクする場面が少なくなり、膠着状態に陥る。「前半はつまらない試合だなと感じていた。後半にかけていた」と柏・土屋征夫は振り返ったが、守備的な戦いで無失点に抑えた後半途中から、早野監督は守備重視のゲームプランを修正した。両ウイングバックのポジションを高く維持し、明神を前線に絡ませることで分厚い攻撃を仕掛けるようになる。この変更により柏はボール支配率を高めることに成功するが、得点を決めるところまでの攻撃性は出すことができなかった。
試合終盤の柏の攻めは見応えがあったが、得点するまでには至らなかった。スコアレスドローに終わった試合後、サポーターからは選手に対してブーイングが飛んだが、ナビスコカップ予選リーグ第1節のF東京戦以来、ホームでは9試合連続で勝ちがないという状況であれば仕方ないことかもしれない。
一方の大分も前半の決定機に得点を決められないところに深刻な悩みがある。柴小屋雄一が「うちは攻めの形がカウンターではなくポゼッションが多い。奪ったボールをもっと速く攻められれば点は取れるんじゃないかと思う。もしポゼッションで行くなら、選手のフォローが必要だと思う」と指摘しているが、もう一度攻撃のスタイルを徹底する必要がありそうだ。大分は、ナビスコカップ予選リーグ第6節を含め、3試合連続で無得点となっている。
以上
2005.07.07 Reported by 江藤高志
J’s GOALニュース
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