7月6日(水) 2005 J1リーグ戦 第14節
清水 2 - 2 名古屋 (19:00/日本平/7,280人)
得点者:'11 チョジェジン(清水)、'44 本田圭佑(名古屋)、'49 チェテウク(清水)、'80 中村直志(名古屋)
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気温は比較的涼しかった日本平(公式記録では22.4度)。ピッチは少し水気を含み、湿度は91%と高かったが、「あれだけ外しまくった中で負けなかったのは良かった」と長谷川監督が皮肉混じりに語った詰めの甘さは、天候や前節から中2日というコンディションのせいだけにできるものではなかった。
前半はほぼホームの清水のゲームだった。素早く守備の陣形を整えてきっちりと守り、ボールを奪ったらシンプルに速い攻撃を仕掛ける内容はまったくいつも通り。対する名古屋は、本田がFW登録ながら左サイドの2列目に位置し、中山の1トップのような形。その後ろの中央に中村がいて、右に藤田、また前節の後半と同様にFWの杉本が右サイドバックに入って、清水と同じ4-2-3-1に近い形で試合に入った。
しかし、清水の1トップのチョ・ジェジンがしっかりとターゲット役をこなしたのに対し、名古屋は中山にボールを当てて、それをサポートしてサイドに展開という形が機能しない。きちんとボールをつないでポゼッション・サッカーをするという意識はあったが、崩しの部分がうまくいかず、逆に清水のカウンターからピンチを招く場面が多くなった。守備に入ったときも、クライトンのポジショニングが中途半端で、バランスがもうひとつ。右サイドでは、杉本が上がった裏をチェ・テウクにつかれる場面も目立った。
ただ、先制点はまったく予想外の形から生まれた。前半11分、清水の中盤左でのリスタートから山西が思いきったロングシュートを打つと、これが素晴らしい当たりとなり、低く速く強いボールがGK楢崎の手前で大きく揺れ動いて何とか弾くのが精一杯。そのこぼれ球にチョ・ジェジンが素早く詰めて、今季6点目を決めた。
その後も、清水は何度もチャンスを作ったが、早い時間に先制したことと、追加点が取れそうな雰囲気が濃かったことで気が緩んだのか、肝心の詰めが甘い。前半17分には2本続けて左右のポストに当たるなど、少なくみてもあと4回は決定的なチャンスがあったが、どれもシュートが枠に飛ばない。
逆に、名古屋の攻撃で唯一成功していたのは右サイド。藤田がタメを作ってサイドバックの山西を引きつけ、その外から杉本がオーバーラップする形から何度かチャンスを作った。そして前半終了間際の44分、清水の一瞬のスキをついて杉本が右サイドを飛び出して低いボールを折り返し、ニアに本田が飛びこんで巧みにゴールに流し込んで同点に追いつくことに成功。
清水にとっては、非常にもったいない前半だった。
後半は、名古屋がポジショニングの修正を施し、本田を前に上げて2トップに近い形として、少しポジションが高すぎたクライトンも、本来のボランチの位置に落ち着き、2列目は藤田と中村が自由にサイドを入れ替える形となった。これで「前の当てどころが増えた」(増川)ことで、前半よりも前線で起点を作れるようになり、2列目からゴール前に飛び出すという藤田の持ち味が生きる場面も増えた。
だが、次の1点はまた清水。後半35分、名古屋のセンターバック古賀が、ボールの処理をもたついたところにチェ・テウクが詰めてボールを奪うと、そのままドリブルからペナルティエリア内で冷静に切り返してDFのタックルをかわし、狙いすましたシュートをゴール右隅に決めた。
その後は、清水がカウンターから、名古屋がスルーパスからそれぞれ何度かチャンスを作ったが、どちらも詰めの部分でのミスが目立った。とくに清水は、決めるべきところを決めきれないという印象が前半から改善されなかった。そして後半35分、藤田とのパス交換より中村が左から豪快なミドルシュートを放ち、見事にゴール右上ぎりぎりに決めて、名古屋が再び同点に追いつく。
最後は、どちらも3点目を狙って打ち合いの展開になったが、スコアは動かず2-2のままタイムアップ。粘り強く2回追いついた名古屋は、2試合連続の引き分けと結果は不十分だが、ネルシーニョ監督は試合内容を高く評価した。監督が強調するほど90分を通して良かったとは言えないだろうが、新しいチーム作りの過程としては、そこそこの手応えがあったことは選手のコメントからもうかがえる。
一方、清水のほうは、選手たちやスタッフの表情にまるで負け試合のような悔しさがにじむ。とくに数多くの決定機を逃したことと、リードを守りきれなかったことは、技術・戦術的な問題とは言いにくい。中2日の次節で、その点をどれだけ改善できるのか、逆にチームの反発力に大いに注目してみたい。
以上
2005.07.07 Reported by 前島芳雄
J’s GOALニュース
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