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【J1:第14節 横浜FM vs 鹿島 レポート】鹿島の独走に「待った」をかける勝利。横浜FM、2発のヘッドで鮮やか逆転。(05.07.07)

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7月6日(水) 2005 J1リーグ戦 第14節
横浜FM 2 - 1 鹿島 (19:04/日産ス/25,207人)
得点者:'4 岩政大樹(鹿島)、'29 大島秀夫(横浜FM)、'63 中澤佑二(横浜FM)
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「両チームとも満足のいくサッカーではなかったろう」
試合後、トニーニョ・セレーゾ監督が満足いかない心境を吐露したが、スタンドからのファン目線に立てば、なかなかどうして見ごたえのあるゲーム内容だった。

 とくに前半の攻防は、さすが強豪の激突と呼べるレベルの高さ。キックオフ直後に、横浜FMが速いボールの動かしからペースをつかんだかに見えたが、そこは鹿島。持ち前のしたたかさで先制ゴールをもぎ取る。伏線は右からのフリーキック。鹿島・フェルナンドの一撃が枠をとらえて左CKを獲得。キッカーは小笠原。間髪入れずに中央へ蹴り込む。これを岩政がヘッドで叩きつけるとボールはネットに吸い込まれた。

 リードされた横浜FMだが、この日は両サイドバックが実に元気。2人とも、高い位置へ動いて積極的に前に出て仕掛ける。さらにMF陣が絡むと攻撃は有機的になった。29分の同点ゴールも、見えないアシストが存在した。大島へドンピシャのクロスを送ったのはテクニシャンの大橋。「大島さんには、とくにクロスを蹴りやすい」と話す相性に、さらに時間的な余裕が加わった。それが田中隼磨。キープする大橋の横からゴールに向かって走ってマークを離し、大橋のターゲットの照準を助けている。ディフェンスを越える地点に送ったピンポイントクロスから、ズドンと聞こえてきそうな大島のダイビングヘッド。力感あふれる一撃でスタンドのボルテージも一気にヒートアップする。
 また、このカードのレベルの高さを感じさせるアタックが35分ごろ応酬された。まず横浜FMの大きなサイドチェンジ。奥からのロングパスを左サイドの大橋が短く前方のドゥトラへ繋ぐ。続いては小笠原の上質なパス。ゴール前への単純なスルーパスなのだが、球質が柔らかで、受け手のところでコントロールしやすいように意識的にスピードダウンさせている。

 後半、先手を取ったのは横浜FM。再三再四、鹿島ゴールを脅かすが、フィニッシュには至らない。得てして、こういう流れは変わりやすい。しかし横浜FMは、ためらわずに連続攻撃。そして63分に勝ち越し点を決める。左CKから中澤がフリーになったヘディングで豪快にネットを揺らした。
 その後、選手を替えて追いすがる鹿島の攻撃も、横浜FMが何とかしのいでタイムアップ。リーグ中盤での大事な直接対決で、見事に逆転勝利を飾った。この試合で目に付いたのが横浜FMのスライディングタックルの多さ。クールさも保持しているトリコロール集団にしては珍しい。ピッチ状況というより、鹿島のキープにかわされてもあと半歩は粘ろうと伸ばした足先には、この日の勝利に対する想いがあらわれているようだった。
 対する鹿島はFW陣のシュートが鈴木の1本と、攻撃は十分に機能しているとは言えないものの、次にどうするというオプションは備えている。ただ、この日はややコンディションがきつかったのではないか。キレと連動もスピードが『らしく』なかった。

 結果論だろうが、累積警告で一人が出場停止という同じ状況でも、チーム力には微妙に影響の差があったかもしれない。横浜FMの場合には、松田の穴を埋め慣れている河合がいた。対する鹿島は、青木の代わりに小笠原をボランチに起用したが、やはり1列前で使えたほうが攻撃の怖さが出てきたろう。ともあれ、リーグ戦としては楽しみが広がった。鹿島としては、ここで首位のポジションをさらに確固たる状況に進めたかっただろうが、手傷を負った敗戦でもなければ、ショックを受ける内容でもない。次に勝つことで状況を戻せる。チームリーダー小笠原のボールさばきの沈着に動揺はない。まだまだJ首位戦線の中心にいる。
 

以上

2005.07.07 Reported by 池田博人(インサイド)
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