7月9日（土）J2 第20節 山形 vs 草津（19:00KICK OFF/山形県）
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山形のホームスタジアム、山形県総合運動公園陸上競技場がある山形県天童市は、将棋の駒の生産地として知られているが、市街地に温泉街をかかえる温泉のまちでもある。草津から対戦相手を迎える今節は「温泉ダービー」と銘打ち、天童温泉のお湯を持ち込んで「足湯体験コーナー」が設置される。両チームのサポーターには、応援・観戦に臨む前にお湯の心地よい感触を楽しんでもらいたい。

ただ、試合の湯加減は熱めのほうがいいだろう。

攻撃が好調だった山形は、前節・札幌戦では厳しいプレッシャーの前にパスワークが抑えられ、シュート数が8本と5試合ぶりにひと桁台に抑えられた。しかし、そのうちの2本がゴールマウスを通過し、スコアでは2-0と快勝。その１試合前の仙台戦で21本のシュートを浴びせながら無得点に終わったことと併せて、ゴール前の決定力の重要性を改めて裏付ける結果となった。

今節でもゴール前のチャンスを数多くつくるべく、攻撃力の強化に主に取り組んできた。さらに、FW原竜太がようやく怪我から復帰し、いつでも出場できる準備が整った。中盤では前節で先発した4人に出場停止が解けた大塚を含め、どの組み合わせがベストか試行している。

前節で3位に浮上し、2位の甲府とも勝ち点1差と射程圏内。5月7日以来、2ヶ月以上もご無沙汰のホーム戦勝利を勝ち取り、いい形でシーズン前半を追えるためにも、確実に勝ち点3が欲しい試合だ。

その山形を相手に、草津は自陣でプレーする時間帯が多くなることを覚悟して臨むことになるだろう。草津は第2クールに入り、3バックに変更。そのセンターに齋藤を起用した第16節で、当時2位と勢いに乗る鳥栖戦を撃破した。手塚監督が「戦えるチームになってきた」とコメントしたとおり、鳥栖戦以降の4戦は2勝2敗と五分。湘南を破り、ともに1-2で敗れた2試合でも、甲府戦では先制、徳島戦でもいったんは追いつくしぶとさを見せている。

前節では、相手のボランチを自由にし、そこから出たロングボールへの対応で手間取るなど、守備面で意思統一がされていない部分もあった。今節の山形との対戦でも、前掛かった状態でボールを奪われるとたちまちサイドのスペースに侵入を許してしまう危険性がある。酒井、寺田が予想される両ウィングバックが飛び出した後にシュートまで持ち込めれば問題はないが、奪われた際のリスクマネージメントを実践できるかどうかが一つのカギになる。

攻撃ではキープレーヤー山口の、守備から攻撃へ転じた瞬間の動きに注目したい。プレッシャーの少ない状態で素早くボールを受ければ、吉本、樹森らとのコンビネーションでゴール前のチャンスにつなげることができる。現在J2最少失点の山形守備網を破るのは簡単なことではないが、自陣ゴールを割られる前に連続得点試合を７に伸ばすことができれば、勝点3のチャンスも訪れるだろう。

今季開幕戦で3-0と山形がJ2先輩の貫禄を見せつけてから4ヶ月、J2の水に慣れてきた草津が差を縮めているのか、それとも昇格争いに揉まれている山形が水を空けているのか。湯冷め知らずの戦いに期待したい。

以上

2005.07.08 Reported by Reported by 佐藤　円