7月9日（土）J1 第15節 Ｆ東京 vs 東京Ｖ（19:00KICK OFF/味スタ）
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今年もいよいよ「東京ダービー」の夜がやってくる。F東京がホームに東京Vを迎える一戦。このカードがダービーになってからの2001年以来、リーグ戦とナビスコカップを含めた11回の対戦では、F東京の7勝1分3敗。しかし、今回の東京ダービーは、ともに「苦しいチーム状況からの脱出をはかるため」の大切な戦いとなる。

ホームF東京は前節、川崎Fとの対戦で0-0と引き分け。後半1人少なくなった川崎Fを相手に、試合を制することができなかった。17本のシュートを放ちながらもゴールネットを揺らすことは出来ず、決定力不足という言葉があげられた。F東京はこれでリーグ戦10試合勝ちなし。だが「勝てていない」状況は変わっていないものの、一方で中断後2試合連続の引き分けの内容については「形は出来ていた」と手応えを感じる声も上がっている。

一方の東京VはJリーグ史上ワーストの2試合で14失点。第13節のG大阪戦では1-7、水曜日に行われた第14節では0-7。しかもG大阪戦と同じような失点、同じようなところを突かれた形となってしまった。これ以上の精神的ダメージはないだろう。試合後にはアルディレス監督から、そしてどの選手からも「いちばん大きいのは自信を喪失していること」という言葉が聞こえてきた。

ともに「勝ち」がどうしてもほしい状況でむかえる東京ダービー。
F東京の原監督は「向こうも必死だろうけど、こっちも必死。激しい試合になると思うけど、負けるわけにはいかない。お互いこういう苦しい状況でのダービーは『一人一人の気持ち』そういうものが勝敗を左右するかもしれない」とし、「まず気迫で負けないようにしないといけない」と気を引き締めた。
そして、東京Vのこの2試合の状況には、「逆に怖い」としたF東京。「悪い時のヴェルディを考えて試合をするのがいちばん怖い。この2試合の悪いところじゃなく、いいときのヴェルディのことを考えてないとやられてしまう」と加地選手は冷静に語った。
そしてこの状況の中で、「サポーターへの思い」を口にする選手が多い。前節スタメンで出場した梶山選手は手ごたえとともに、得点に届かなかった歯がゆさを口にし、「どうしても、応援してくれてるサポーターの人に喜んでもらいたい」と勝利を誓った。梶山選手の膝のコンディション次第では前節と同じくコンビを組むことになる可能性が高い今野選手は、「温かい言葉をかけてくれるけど、本当はイライラしてると思う。だからこそ勝ちたい」とし、「陽平（梶山）の持ち味を活かすためにも、僕は守備的になるけれど、それでも前節2回チャンスはあった。ディフェンシブに戦ってるんだけど、1本のチャンスを決めちゃうような、そういう勝負強い選手になりたい」と自らを奮い立たせた。

一方の東京V、「問題はひとつでなく、たくさんある」と前節試合終了後に話したアルディレス監督だが、わずかに中2日で迎えるこの試合。2試合連続の7失点に、「守備を修正することがいちばん大切だ」とし、練習も守備に重点を置いたアルディレス監督は「チーム全体での守備をしっかりすること。ソリッドな守備をすることで、失っていた自信も取り戻すことができる」と語った。
前日は、全体練習を終え、選手がグラウンド上で輪になり話し合いをする姿も見られた。個々で話すのではなく、「みんなで話そう」と山田選手が声をかけたのだ。「お互いのモチベーションを上げ勝利しようと、選手同士で気持ちをひとつにすることが出来た」とワシントン選手がその様子を振り返ったが「何よりも一番大切なのは勝利すること」と、気持ちひとつにし試合に臨む。
更に、最後の最後までピッチの中で話し合いを続けたのがDFの3人、戸川選手、李選手、上村選手だ。身振り手振り、そして動きも交えて入念に話し合いを続けた。特にF東京の右サイドからの攻撃に対する守備の確認を入念に行っていた様子だ。そして「私は選手たち全員を信頼しているし、全員でこの状況から抜け出したい」と語った指揮官の采配に注目していたい。

　ともに、どうしても「勝ちたい」東京ダービー。お互いのチームにとって、サポーターにとって、ダービーを制することこそが最大の、いや、唯一の苦しみから脱する方法とも言えるだろう。
まさに「総力戦」となる東京ダービー、喜びを爆発させるのはどちらの『東京』か！譲れない戦いが待っている。


以上

2005.07.08 Reported by 日々野真理

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