7月28日（木）新潟市合併記念国際親善マッチ
新潟 vs 大連実徳（19：30KICK OFF/新潟スタジアム）
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　新潟はリーグ戦で連勝し中断期間に入った。メンタル的にもいい状態で大連実徳戦を迎える。この試合は高卒ルーキー4人がベンチ入りする。中でも、唯一トップチームデビューを果たしているFW河原和寿は、ゴールゲットを宣言。大連実徳は中国リーグで、ここ10年間で7度の優勝を誇る強豪。新潟とっては、若手の実力アップを図るだけでなく、チーム全体を刺激する一戦になりそうだ。

　河原の口から真っ先に出た言葉は「とにかく点を取りたい」だった。大連実徳戦のベンチ入り22人に名を連ねると、すぐに気持ちはピッチに向いた。「どういう起用になるかはわかりませんが、出番がきたらゴールを狙うだけです」。自分の役割、課題は十分に心得ている。

　U-18日本代表として6月のポルトガル遠征、7月の国際ユース新潟大会に出場した。6月のヤマザキナビスコカップ・神戸戦でスタメン出場。今季、新潟入りした5人の新人の中では唯一トップチームでデビューしている。新潟ではDF藤井大輔とともに、年代別代表経験を持つ初の高卒ルーキーとして、入団当初から期待が大きい。

　ただ、ここまでの自己採点は厳しい。「まだまだです。全然満足していません。特に今は点が取れていないですから」。ポルトガル遠征では無得点。国際ユース新潟大会では3試合で1得点したものの、「結果的に入っただけ」。24日の練習試合・新潟大戦でもゴールを奪えなかった。

　持ち味は素早い動き出しと相手の裏を突くプレー。プロ入り後のトレーニングで一歩目の速さには自信がついた。だが、フィニッシュには迷いがあった。「いい形で打とうという意識が強すぎました。今は練習のときからゴールが見えたらシュートを打つことを意識しています」。ゴールに対する貪欲な姿勢をこのプレシーズンマッチで示す構えだ。

　中国のチームとは対戦経験がある。大宮東高校3年のとき、U-17日本代表のメンバーとしてU-16中国代表と対戦。0対2で敗れた。「最初からガンガンくるタイプだった。たぶん大連もそうだと思う。気持ちで負けずに前を向いてプレーしたい」。大連実徳は、自分の中の積極性を煽るには申し分ない相手になる。

　河原の印象通り、大連実徳は立ち上がりから攻守に激しくくる。システムは4-4-2。2月の名古屋とのプレシーズンマッチは1対1で引き分けた。中国リーグではここ10年で3連覇を含む7度の優勝を経験。1992年から4大会連続でアジアクラブ選手権に出場している。中国一の強豪と言える。

　新潟戦にはほぼ主力がそろう。軸になるのは昨年のアジアカップ決勝の日本戦でゴールを決めたMF李明、ブルガリア代表FWのヤンコビッチ。平均身長は181センチと高さも武器だ。カウンター、サイド攻撃、ゴール前でのしつこさと、勢いに乗るとかさにかかって攻め立てる。

　新潟の反町康治監督は「背の高い選手が多いね」と相手の特徴を頭に入れつつも、「まず自分たちの力を十分に出すこと」。リーグ戦とはモチベーションがどうしても異なるプレシーズンマッチだが、「そんなことはない」と言い切った。

　前売りチケットは3万2000枚が売れた。「この試合を見に来てくれる人たちは、本当に新潟を応援しようと思ってくれている人。その前でみっともない試合はできないし、力のあるところを見せなければならない」。河原以外に、藤井、DF田中秀哉、MF吉澤正悟の高卒ルーキーがベンチ入り。「『よし、やってやろう』という気持ちを持ってもらいたいし、そうでなければダメ」と奮起促す。

　もちろん指揮官の思いは伝わっている。「せっかくもらったチャンス。結果を出してアピールします」と河原。結果、内容が今後の飛躍に大きく影響する一戦になる。


以上

2005.07.27 Reported by 斎藤慎一郎