8月2日(火) 2005 J2リーグ戦 第24節
湘南 1 - 0 草津 (19:02/平塚/4,263人)
得点者:'49 坂本紘司(湘南)
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ハーフウェイライン付近からフリーキックが蹴られる。ペナルティエリア内で巧みに体を入れて放った反町一輝のシュートは湘南GK小林弘記の動きを止めるが、しかしクロスバーに嫌われ、ゴールネットを揺らすことはできない。後半開始早々、いきなり肝を冷やすシーンに見舞われた湘南が形勢を逆転させたのは、その直後のことだ。
自陣でボールを奪った佐藤悠介が吉野智行に送り、駆け上がる。吉野からの折り返しを受けた佐藤はドリブルで相手ペナルティエリアに侵入し、右足でポスト際にシュートを放った。草津GK小島伸幸がこれを弾くも、ボールはゴールラインを割る。そして佐藤からのコーナーキックにバリシッチが頭で合わせ、草津同様、こちらも一度はクロスバーを叩くが、詰めていた坂本紘司がこぼれ球を逃さずシュートを押し込んだ。この試合で唯一ゴールネットを揺らした後半4分の場面である。
「湘南のシュートがバーに当たったとき、うちは一瞬足が止まったでしょう。集中力や気持ちの強さがああいうところで出る」草津の司令塔・山口貴之は、不甲斐なさを隠さない。「イージーミスが多すぎる。僕らにもチャンスはあったし、勝敗は紙一重だった。口惜しいですよ」
事実、山口の語るように、流れの手繰り合いは前半から繰り広げられていた。草津は攻撃に切り替わると両ウイングバックが高い位置に張り出し、また中に絞ればそのスペースを山口が埋めるなどして機を窺う。とくにFW樹森大介は再三、DFラインの裏を突く動きを見せた。
対する湘南は攻撃に転じると後方から一本のパスをFW梅田直哉に通すなど、素早くシンプルに運びチャンスをつくる。「最初から飛ばしていた」という村山祐介の攻め上がりもあり、坂本との連携によって左サイドも活性化した。
しかし、両者ともに要所でパスミスやディスコミュニケーションが足を掬い、リズムに乗り切ることができない。ゴールも遠かった。湘南がサイドチェンジを絡めシュートまで持ち込めば、草津も山口がキープしてチャンスを演出する。相手の攻撃を抑え次第に流れを手繰り寄せた草津が前半の終りに攻め立てるが、小林をはじめ全員で体を張った湘南が守り切り、後半へと繋いだ。
「後半に必ず訪れるだろうチャンスを決めれば勝てると思っていた」思惑どおりに坂本が自身の右足で決勝点を叩き出したあと、草津は杉山琢也と吉本淳を相次いで投入し反撃を目論む。だが前線まで運びながら自らのミス、そして湘南の決死のディフェンスにチャンスを摘み取られ、最後までゴールには届かなかった。
「いいサッカーとはけっしていえないが、勝ったことが大事」試合後、湘南の佐藤と坂本は口を揃えた。互いにミスがあり、チャンスがあった。スリッピーなピッチに、中2日の過酷なスケジュールに、真夏の暑さに、両者とも悩まされた。だが、どんなかたちにせよゴールを奪い、湘南が勝ち点3を積み上げたという結果は紛れもなく、残る。紙一重の攻防を制した勝利の奥には、「この試合はどうしても負けられない、絶対に負けられない試合だった」という上田監督の強い気持ちと、それを共有し、徹底し、表現した選手たちの姿があった。
以上
2005.08.03 Reported by 隈元大吾
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