8月2日(火) 2005 J2リーグ戦 第24節
仙台 2 - 2 福岡 (19:04/仙台/16,452人)
得点者:'9 根引謙介(仙台)、'15 宮崎光平(福岡)、'61 ホベルト(福岡)、'85 バロン(仙台)
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後半16分、古賀のCKが千代反田の頭をピタリと捉えると、その跳ね返りで混戦になったところを、最後はホベルトが押し込み、福岡が逆転する。ここまで4連勝中の福岡、現時点での実力が仙台の上に行っているのは、この試合立ち上がりの圧倒的な内容差。都並監督が「何点失点してしまうのかな」と弱気になるほど、福岡は高い位置で仙台を押し込み続けた。仙台にとって、残り30分弱でのビハインドは重たいように思われた。このまま福岡に「粛々とした試合運び」を許せば、この時点で試合は終わってしまう。
そう考えながら、逆転ゴール後の時間を注視した。だが仙台は、ゲームがまだ終わっていないことをアピールするかのように、猛然と攻めに出る。ホベルトのゴールから10分、15分が経過しても、ゲームのテンションは落ちていない(つまり、福岡がゲームを「冷ます」ことができていない)。仙台スタジアムが、異様な盛り上がりを見せる。
そもそもこの日の仙台には、何か固い(ある意味意固地なほどの)意思が見えた。それは前節の甲府戦で出来なかった「低い位置から繋ぎ、さらにそこからしっかりと前へ持って行く」こと。確かに試合序盤、まさにそこを福岡に狙われ低い位置でボールを失ったことが、押し込まれた理由の一つではあった。だが仙台は、この意思を捨てなかった。思えばプレスを怖がり、自陣から苦し紛れに蹴ってしまうことこそ、福岡の思う壺な展開で、少々苦しみながらも相手の意図に反抗し続けるほうが、福岡にも違和感を与えられるはず。そう仙台が考えたかは定かではないが、ともかく前半半ばからは、プレスをかいくぐるコツをつかみ出した仙台が、福岡に負けないほどの決定機を得始める。ハーフタイムを迎える頃には、内容で互角とも言える戦いを仙台は見せていた。
その自信があったからか、逆転ゴールを受けても、仙台が意気消沈することはなかった。完全に仙台が押し込んだというわけではなく、時に福岡もカウンターから仙台ゴールを脅かしたが、既にビハインドを負っている仙台に、後ろを振り返る余裕など無い。さらに、都並監督の的確な采配が、仙台の攻勢にぴったりとマッチしたことも、反抗を後押しした。後半開始からダブルボランチの一角として投入した村上、その運動量とダイナミズムを活かすために、左サイドハーフの梁とポジションを入れ換えてみたり、右サイドハーフにドリブル突破の関口を入れる際、熊谷を一段下げて右SBとして起用したり(これは第2クールの時点から、トレーニングで頻繁に試されていたが、熊谷は実戦の場で、見事なバランス感覚を見せた)、その全てが当たる。
そして異常な盛り上がりのなか仙台は、後半38分、左の村上からの折り返しをニアで受けたシュウェンクが、渾身のオーバーヘッドでボールをファーへ。そこにいたバロンがこの日Jデビューとなった柳楽に倒されたことでPKを獲得。得たPKをバロンが自ら決めて、後半の内容を考えれば最低限の対価と言える勝点1をもぎとった。
福岡は同点に追いつかれたことこそ悔やまれるが、地力の強さは見せた一戦だった。今日の試合は、多分にアウェーの雰囲気に呑まれた部分もあった。次節はホームに帰っての水戸戦。守備の要、千代反田が出場停止だが、この点は今節苦いデビューとなった柳楽が奮起を見せて、再び勝点3の波に乗りたい。逆に仙台は、「今J2で一番強い」(バロン)福岡を相手に、一言で言えば「やればできる」ことを証明した一戦といえる。素晴らしいファイトで後半は流れをほぼ掴んでいたにも関わらず、勝ち越しゴールを奪えなかったことを悔やむ声もあるが、前述の通り、最低限の結果は得たのではないか。とはいえこれで次の鳥栖戦が、いよいよ勝点3という結果を求められる試合になった。
こう考えると、わかりやすいのではないか。甲府、福岡、鳥栖との、日程が詰まった強豪3連戦を、グループリーグに例えてみよう。現在1分け1敗、勝点1の仙台は、グループリーグ突破のために、最終戦で勝点3を得るのが最低条件・・・背水の陣のつもりで、仙台は戦ってくれるはずである。
以上
2005.08.03 Reported by 佐々木聡
J’s GOALニュース
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