8月24日（水）J1 第20節 浦和 vs 神戸（19:00KICK OFF/駒場）
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　前節のF東京戦を逆転で手にした浦和がいいよ首位を視野に入れてきた。5節から首位を独走してきた鹿島との勝点差は7にまで接近。一時は15点もの差があったが、完全に射程圏内にとらえたと言える。

　首位を目指す浦和にとって明るい話題は、新加入のポンテの高いポテンシャル。浦和に移籍してからの公式戦は2試合をこなしたが、試合ごとにその能力を発揮しつつあり、特に前節の1ゴール1アシストの活躍は素晴らしかった。ポストタイプのマリッチは、相手の集中的なディフェンスに苦しんでいるが、まだその実力は見えていないというのが実情だろう。

　ところで今節の浦和は、長谷部誠が累積による出場停止となり、ボランチをどのように組み替えるのかがポイントの一つとなる。方法論としては、酒井友之をそのままボランチに入れるのか。それとも内舘秀樹のポジションを一つ前に上げ、堀之内聖を起用するのか、というやり方が考えられる。内舘を前に上げた場合、坪井慶介のポジションも右から左へと変える必要が出てくるため、リスクを伴う選手起用だと言える。この判断が試合を左右するポイントの一つとも言えるため、注目点として上げておきたい。

　一方、アウェイに乗り込む神戸は、波に乗った形で試合ができそう。というのも、前節の名古屋戦は、パベル監督がベンチ入り停止処分を受けており、指揮官不在の戦いを強いられていたという事。さらには、神戸は中断期間中に大量補強を敢行しており、チームが新しい顔ぶれになっていたという意味でも難しいタイミングの試合だった。そんな状態での名古屋戦を1−0で乗り切ったのはチームにとって大きな前進。今節からは監督もベンチに復帰することもあり、結束は深まるはずだ。

　そんな神戸だが、FW、MF、DFの各ポジションごとに補強をしており、今後の巻き返しが期待される。その中でもポイントとなりそうなのはFWのイヴォだ。そもそも神戸の攻撃は三浦淳宏から平瀬智行へのクサビのパスが起点となる場面が多いが、ここにこのイヴォが絡むことによって深みのある攻撃が可能となる。汗をかいて左右に動き回ることのできる選手であり、浦和の最終ラインにとっては嫌な相手だと言える。

　またボランチに入った新加入の遠藤彰弘は中盤のバランスをとるという役割においてキープレーヤーとなりうる選手だ。神戸は左右のウイングバックの選手と左右のボランチが連動した動きを見せているが、その動きを遠藤がコントロールしている。パベル監督のサッカーを完成させるに当たり、重要な役割を担うことになりそう。

　3枚の最終ラインにはマルティンと金古聖司が加わったが、北本久仁衛とのコンビで名古屋の攻撃を0点に抑えており、上々の滑り出しを見せている。特にマルティンは攻撃の起点となるパスをさばける選手であり、攻守における早い切り替えの鍵を握る選手となりそう。

　そんな神戸との対戦を控える浦和は、F東京戦で見せた前戦からの素早いチェックで攻撃の形を作らせないような試合運びを見せたいところ。振り返ると前節の対戦相手であるF東京の守備陣は、浦和の前からのプレッシャーのため、蹴ることしかできない状態に追いやられていた。コンビネーションの問題がないF東京をしてつながせなかった浦和のプレッシャーは、新加入選手の多い神戸を相手にした場合、さらに有効な武器となるだろう。

　おそらくは浦和がじわじわと、確実にプレッシャーを前にかけていく試合展開の中、神戸は耐える時間帯が増えるという内容になるだろう。浦和とすれば、ポンテと共にマリッチの初ゴールも期待したいところ。一方の神戸は、我慢の試合の中で何度か訪れるであろうチャンスを確実にものにしたい。厳しい戦いが予想されるが、勝点を奪うためにはできるだけ長い時間を無失点で乗り切りたいところ。

　首位を視野に入れた浦和と、最下位からの脱出を試みる神戸の激しい戦いになりそうだ。

以上

2005.08.22 Reported by 江藤高志
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