8月27日（土）J1 第21節 東京Ｖ vs 鹿島（19:00KICK OFF/味スタ）
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Ｊ1リーグ第21節。ようやく復調の兆しが見えてきた東京Ｖは、今季初の連勝を賭け、首位に君臨し続ける鹿島をホーム・味の素スタジアムに迎える。

この両チームの前回の対戦は11節・5月8日（県立カシマサッカースタジアム）。東京Ｖ・ＦＷワシントンがＰＫのシーンでゴールマウスに立った姿が印象的なあの試合だ。
試合は、怪我人が続出し苦しいチーム状態の鹿島を東京Ｖが攻め立てた展開。だが、少ないチャンスをモノにした鹿島が先制、追いつかれるもロスタイムにＰＫを得、結局２−１で鹿島が勝利した。敗れはしたものの、試合後胸を張ったのは東京Ｖ・アルディレス監督（当時）で「敗戦に値しない内容だった」と振り返り、鹿島・トニーニョ・セレーゾ監督は「相手が勝っていてもおかしくなかった」と渋い表情を浮かべた。

ただ、この『苦しい中での勝利』が鹿島に更に自信を深めたのは間違いなく、一方の東京Ｖはその後、勝てない焦りから大量失点を繰り返し、監督交代の事態にまで陥っている。相手を圧倒したあの試合で『首位・鹿島』に勝ちきっていれば東京Ｖの低迷はなかったかもしれない、という仮説は無意味かもしれない。だが今回『首位・鹿島』から白星を挙げる事ができればこの上ない『復活』へのきっかけとなるだろう。今回こそは、是が非でも勝利をモノにしたい。

その東京Ｖは前節、清水戦で約3ヶ月ぶりのリーグ戦勝利を手にした。ワシントンが出場停止、ＭＦ相馬が体調不良で欠場と攻撃の要を欠く中、ＦＷ平本、途中出場のＦＷ町田がきっちりと役割を果たし２得点。
しかも追いつかれた後に突き放すという「力強い（バドン監督）」内容に、「嬉しかった！ロッカールームでも盛り上がったし、一気にチームの雰囲気が良くなった」とＭＦ小林大悟。
そして、バドン監督が能力を高く評価しているＦＷ町田が活躍したのもプラス材料。後半に運動量が落ちることが多い東京Ｖにとって、『スーパーサブ』の台頭は心強く、この鹿島戦でも勝負所で投入される可能性は高い。
これで新監督が指揮をとった2試合は1勝1分け。選手の信頼も深まり、勝ち点3以上の価値を持つ清水戦での勝利だった。

今節の鹿島戦は「先制点がキーになると思う」とＤＦ戸川。先述のように、東京Ｖは前半ゲームを支配しても、後半押し込まれる試合が続いている。「大宮戦、清水戦と先制できたからよかったけど、先に点取られると苦しくなると思う。とにかく、先制してくれるまで（後ろは）我慢します（ＤＦ戸川）」。
その得点の鍵になるとバドン監督が考えているのはセットプレー。清水戦翌日の練習では、ＭＦ小林大悟、ＤＦ米山らにＦＫの練習をするよう指示し、堅守・鹿島からの得点源として期待を寄せていた。
予想布陣は、ＦＷワシントン１トップ、平本、ジウの２シャドー、小林大悟がボランチに、という形に戻ると考えるのが妥当だろう。左サイド・相馬は、木曜日の時点では練習に参加していない。前日の様子を見て、ということになりそうだ。

対する鹿島はいまだ勝ち点42を蓄えて首位独走中。前々節・広島戦を落とし、いよいよ失速かと思わせたが、前節新潟戦では一転、大量7得点の快勝。失速どころか更に勢いを増す様相だ。
長期離脱していたＦＷアレックス・ミネイロ、ＤＦ名良橋がスタメン復帰、ＭＦ小笠原がゲームに復帰と、開幕以来メンバーのやりくりに困っていたチームには朗報が続いている。特に前節、ＭＦ小笠原は強烈に存在感を示した。「彼が入った事でためを作ったり、ボールを引き出したりできるようになった。彼が動くことで周りも動く」とトニーニョ・セレーゾ監督は称賛の言葉を惜しまない。「欲を言えば全部勝って優勝したい。ダントツで勝ちたいと強く思っている」と常々話していた小笠原が、再びチームの優勝に向け走り出した2試合目、やはり鹿島では1番の注目プレーヤーとなるだろう。
今節、ＤＦ大岩は2試合目の出場停止となるが、ＤＦラインには岩政が復帰。いよいよベストメンバーが顔を揃えて、この東京Ｖ戦に挑む。「東京Ｖは大きなモチベーションでくるだろう。当然難しい試合になる。我々は7得点で勝ったことは忘れて、新しい気持ちでゲームに臨む」とは、トニーニョ・セレーゾ監督のコメントだ。

以上

2005.08.26 Reported by 高木聖佳
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