9月10日(土) 2005 J1リーグ戦 第23節
浦和 1 - 2 大分 (16:03/埼玉/35,198人)
得点者:'18 梅田高志(大分)、'28 田中達也(浦和)、'71 マグノアウベス(大分)
----------
大分がトンネルを抜けた。
「いやー長かったですね」
前節、「精神的な休養を」と監督代行、GKコーチから言われ、先発から離れたGK西川。シャムスカ新体制のもと、決して落とせない大一番を終えて感慨深げに、しかし彼らしくにこやかに辛かったはずの日々を振り返った。大分はリーグ戦12試合ぶり、実に5月8日以来の勝利をアウェイの地で浦和から挙げ、ベンチと選手が一体になって喜んだ。
試合序盤から浦和の様子は本来のものではなかった。明らかに攻撃陣の出足が悪い。
「全体に重かった。重い時っていうのはあるから気にはしていなかったんだけど」と田中達也。
彼を含め、攻撃陣が乗って来ない。大分のハードマークにあった前線は動けない。加入以来、時には起点として、時には自ら得点に絡んできたポンテを封じ込められ、攻め手を欠くこととなる。リズムをつかめぬまま迎えた18分。左サイドのマグノ アウベスのドリブルから中央、トゥーリオへ。トゥーリオが出したボールに走り込んだ梅田が右足で華麗に決める。浦和は、ナビスコカップを含めて3戦連続、相手に先制点を浴びた。だが、そこから10分後、浦和はセットプレーで早々に追い付くことには成功した。28分、同点弾はCKから。ニアサイドでフリーの永井が三都主のキックに飛び込み、これを逆サイドで田中達也がコースを変えてネットに突き刺した。
しかし、この日の大分はここからが違った。「チームとの練習時間は3日しかなかったので、戦術の話でなくメンタル面の話をした」とシャムスカ新監督。「1点とられても、このままで行けばまた取ってくれると信じた」と言う西川。そして、フィールドプレーヤーは前を向き戦った。大分は攻撃の形を持つわけではないのだが、守備に関しては前線から追い「全員で守り、全員で攻めよう」という言葉通りの守備を行った。ラインを高く、コンパクトに保ったディフェンスラインがこの日の大分の象徴。これに戸惑い、また前述のとおりハードマークに苦しみ、浦和攻撃陣は苦しんだ。前半のシュート数は大分の7に対し、浦和は4。コーナーキックはなんと1(大分も同じく1)。浦和の攻撃の特徴である前線の仕掛けが全く出来ていなかったことがうかがえる。
後半に入り、浦和は立ち上がりから怒濤の攻撃をようやく始めた。1分、鈴木から山田の右サイドへ開き、中央ポンテに合わせるもこれは左へ外れる。5分、ポンテのラストパスに田中達也が飛び込むも、これも枠をとらえられない。13分、左サイドからのロングボールを右サイドで受けた田中達也が相手DFを交わしクロス、鈴木が飛び込むもこれもまた大きく左へ外れる。結局、後半だけで9本のシュート(大分は4本)を放ち、7回のCK(大分は1回)のチャンスを得るも決めきれない。「流れがあったのだが、つかめないうちに失った」と長谷部。
後半26分、大分の追加点は中央の吉田から受けたボールをマグノ アウベスが運び自ら右足シュート。これが決まり1-2の勝ち越し。この2点目を大分は守り抜き、久しぶりの勝利を手に入れた。この日の大分殊勲賞は、福元。この日がJリーグデビューとなったまだユース所属の18歳。「ラインを高くして攻撃的に行こうっていうことで、メンバーに入れたと思う。自分のウリはビルドアップとロングフィード」左ストッパーに入り、田中達也と再三マッチアップ。抜かれる場面もあったが、流れの中からの得点を許さなかったことが何よりの勲章だ。田中達也のドリブルに対し「速かった、いい経験になると思う」と感嘆の声を上げる彼には、次節も出番がありそう。来週末行われる仙台カップに参加するU-18日本代表に招集されていたが、急遽予定を変更。チームに帯同し大分へ帰ることとなった。
「浦和は、下位チーム相手ということで精神的に抜けた部分があったのではないか」大分のキャプテン吉田は試合後、こう振り返った。
「どうしてこうなったか、今はまだわからない」と浦和・ブッフバルト監督は怒りまじりのためいきと共に吐き出す。タイトルのかかったナビスコカップ準決勝、首位(当時)鹿島アントラーズとの決戦が終わったばかり。2戦勝ちなしとはいえ、17位大分をホームに迎え、過信がなかったとは言いがたいだろう。優勝戦線から一歩遠のく、計算外の敗戦。しかし試合後、田中達也は決意を込めた。
「残り試合全部勝つしかない」首位G大阪との勝ち点差は10。残り試合数は11。全部勝てば、浦和の優勝もあり得ない話ではない。
以上
2005.09.11 Reported by 了戒美子
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第23節 浦和 vs 大分 レポート】浦和は優勝戦線から一歩遠のく痛い敗戦。大分は、12戦ぶりの勝利で長いトンネルを抜けた。(05.09.11)















