9月18日（日）J2 第32節 札幌 vs 福岡（14:00KICK OFF/札幌厚別）
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　今季のこの対戦カード、2位の福岡は5位の札幌に対して未だ勝利はない。まず第1クール（4月23日・第8節）は、福岡が中村のゴールで先制するも、終了間際に中山が同点弾を決めて札幌が1対1のドローに持ち込んだ。そして第2クール（6月18日・第17節）は、福岡が外国籍選手3人全員を出場停止で欠いたところを、札幌が3対0と大勝。この第3クールでは、外国籍選手3人が全員揃う予定の福岡としては、そろそろ勝ち星を挙げて、順位通りの強さを見せたい思いだろう。

　福岡は、ここ3試合を勝ち、引き分け、勝ちときていて、つまづきはない。両サイドが上がってきて左右の2列目と絡む攻撃と、グラウシオの前線でのキープ力も目立つ。グラウシオ自身の得点力と共に、前節・横浜FC戦で今季2点目を山形恭平が挙げたように、攻撃に厚みが出て、FW以外の選手が点を取る形も見られる。
　第1クールでは6分け1敗、第2クールでは3分け3敗と、これまではところどころの試合で勝ち星を逃すこともあった福岡だが、第3クールはこれまで5勝3分け1敗。2位という高位置をさらに揺るがないものにするためにも、取りこぼしなくリーグ戦の最後まで突っ走りたいところだ。

　迎え撃つホーム・札幌の戦績は、10日（第31節）の鳥栖戦、14日（第27節順延分）の山形戦と2連敗。メンバー構成も、中盤では砂川と三原の脚のコンディションが90分やれるか微妙で、DFでも西澤が山形戦の最中に左膝前十字靭帯損傷で戦線離脱と、状況は苦しい。16日、浦和からMF西谷正也を期限付き移籍で獲得したが、この福岡戦に登録は間に合わない。今いるメンバーがいかに優位をつかむか。
　8試合連続先発出場中の、中盤の底の鈴木は「前の試合ではもっとディフェンスをガツガツやっていきたかった。今度の試合ではホベルトからの縦パスを入れさせないようにしたいし、サイドでは（右の）中村も上がってくるので対応したい」と思惑を語る。そうして守備をしっかり行なった後に、彼の持ち味である前方へのパスワークが発揮できれば、優位は札幌のものだ。

　鈴木の同期で今季ずっとレギュラーだった上里が、先月、左膝前十字靭帯損傷で今季絶望となったが、「上里が抜けたから負けたとは言われたくない。自分が出場して、自分の100％を出せるように。そして、上里のためにも勝ちたい。今の昇格争いの中にいたい」と、鈴木はレギュラーとして戦う重みを感じている。
　14日・山形戦から金子に代わり中盤の底の先発に戻った田畑は、「やろうとすることは変わらない」と、高い位置から攻守を仕掛けるアクションサッカーの継続という狙いぶりを語る。その上で、こうイメージを話した。「福岡は山形のようにチームがしっかりしている。ウチが押されるような時間帯もあるだろうけど、そういう時は全体で意思統一して守っていきたい。相手にセンタリングを上げさせないよう、またセカンドボールへの対応もしっかりして、そして自分たちのサッカーをしていきたい」

　札幌の中盤は、いったん優位になると加速度がついてグングン押していけるが、膠着し、相手に押されると、盛り返せずそのままズルズルということもある。そうした時でも、福岡のサイドからの攻撃などに粘り強く我慢できるか。フッと気持ちが抜ける時があったら、そこをつくのが上位・福岡の強みだ。
　札幌主将の和波は、「ガムシャラになって、その試合に全てをかけなければ。内容も大事だけど、泥臭く勝ちにいくことも大事。そうしたものを見せればリズムが出てくる。ホームだから、そういう雰囲気も作れると思う」と語る。

　J2の4シーズン目にして念願のJ1再浮上を目指す福岡。想いは強く、高いはずだ。札幌も福岡を上回るほどの強い気持ちを出すことが、2位、3位に離されないためには必須だ。

以上

2005.9.17　Reported by 永井謙一郎