11月19日(土) 2005 J2リーグ戦 第41節
甲府 1 - 1 山形 (14:04/小瀬/6,598人)
得点者:'26 バレー(甲府)、'44 林晃平(山形)
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福岡のJ1復帰がほぼ確実になり、3位争いをする甲府と仙台は共に引き分けた。優位に立てるチャンスに、図らずも助け合ってしまい、3位争いの興味は42節以降にも繋がった。引き分けた甲府は、追いつかれたというよりも、自ら勝てるチャンスを逃してしまった形だ。
立ち上がりから2〜3点は取れる内容だった甲府。山形のディフェンスラインは甲府ボールの時に、保持者の状態(前を向いてロングパスが出せるのか、背を向けていて出せないのか)に合わせてラインの上げ下げを行ってきたが、ラインの上げ下げに意識が行き過ぎていたのか、実際に入ってきたボールや選手に対して中盤の選手を含めてプレッシャーが弱く、甲府の選手は自由にボールを繋ぐことができた。開始から1分も経たないうちに藤田→バレーと繋がれてシュートを打たれるなど、何度も失点の危機があった。しかし、20分が過ぎても、そのチャンスを得点という形に出来ない甲府。見ていて、いつもなら頼りになるバレーの動きの質に、不十分さを感じるようになる。バレーは、シュート力、スピード、フィジカルの強さが揃った選手だが、一度決めたプレーをボールの質や味方の動きに対応して直前で変えることができない。パスコース、シュートの選択肢が1つしかないときは圧倒的に頼りになるが、選択肢が多いときは、味方とのコンビネーションが微妙に合わなかったり、ラストパスを感じることが出来なかったりする。
もたもたする甲府に対して、山形はカウンターの速さで徐々に脅威を与え始める。右サイドハーフの佐々木の速いドリブルは甲府の守備のバランスを崩す効果があり、攻撃の基点として怖い存在だった。
山形が先制すれば甲府は攻撃のリズムを見失うのではないかと感じ始めた26分、ようやく甲府がゴールを決める。石原が入れたクロスを、長谷川がバレーに繋いで生まれたゴールだった。決めたバレーは当然素晴らしいが、長谷川の動きの質の高さが呼び込んだゴールと言ってもいいだろう。バレーと長谷川は近いところにポジションを取っていたが、石原がクロスを入れた瞬間に反応したのは長谷川だけ。そして、長谷川がバレーのポジションを見て「さぁ決めてくれ」というボールを落としたからこそ、バレーの決定力が活きた得点だった。ただ、1得点だけでサポーターが満足できるような前半の内容ではなかった。最低でも2点を取らなければシュートチャンスに見合った満足は得られなかった。しかし、甲府は2点目を挙げることは出来ない。
それどころか、41分に根本との接触プレーで冷静さを失ったアライールが、そのあと根本と再びやりあい、感情をコントロールできないままに、競り合いのあとで蹴ったように見える動きをしてファールを取られる。大木監督もこのことについて記者会見で話したが、一発退場になっても不思議ではなかった。そして、このFKの流れから失点の場面が訪れる。一度はペナルティエリアの外にボールを戻させたが、そこからクロスを入れようとする高橋へ誰もマークに行かず、アライールが遅れてアプローチに行く。しかし、プレッシャーがかかる前に正確なクロスを入れられ、林に同点ゴールを決められてしまう。甲府が攻め込まれた時に陥る典型的なパターンである。ゴール前に誰もが集中し過ぎて、ペナルティエリアの外からクロスを入れる選手や、天皇杯で決勝点を決められたときのようにミドルシュートを打ってくる選手に対するマークに行く余裕が無くなる。攻撃力のある甲府だが、ディフェンスに関する技術という点では未熟だということは認めざるを得ない。また、中の選手の場合、斜めから入ってくるクロスに対してはマークする相手とボールを同一視野に入れることがセオリーであるが、大木監督が言うように「見切ってしまう」ことで、相手の近くにいてもマークが出来ていないということになってしまう。
後半になって、ボールに対するアプローチが早く強くなった山形。前半のように甲府が比較的楽にボールを回すことを許さなかった。また、ポゼッションができるようになり、カウンターを中心としながらもドリブルや長いフリーランで甲府のバランスを何度か崩してチャンスを作る。選手交代でも、先手を打って攻撃的な選手(本橋、原)を投入して脅威を与え続ける。甲府は今シーズンリーグ戦初出場の鈴木(健太)を入れて流れを引き戻そうとするが、大きく変えることはできなかった。そして、時間が無くなるにつれて焦りをはっきりと感じ取ることができた。選手個々の能力の高さでチャンスを作るものの、ゴールシーンは前半の1回だけに終わってしまう。終了間際に山形が決定的なところでシュートミスを繰り返してくれたお陰で、負けずに済んだという印象さえ持つ後半だった。
仙台が引き分けに付き合ってくれたことで、3位を狙うことに対する状況は何も変わらないが、これが昇格争いをするということのプレッシャーというものだろうか。残る3ゲーム、相手チームとの戦いよりもプレッシャーという自分自身との戦いのほうが重要になってくるのかも知れない。
以上
2005.11.19 Reported by 松尾潤
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第41節 甲府 vs 山形 レポート】これが昇格へのプレッシャーなのか。甲府と仙台が助けって3位争いの状況は変わらず(05.11.19)
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