今シーズンから2シーズン制が改められ、96年以来9季ぶりに1シーズン制が採用された。1シーズン制には、リーグ戦の早い時点で優勝が決まり、リーグ終盤が消化試合になる可能性があるのではという意見もあった。しかし蓋を開けてみると、最終節を迎え優勝の可能性が5チームにあるという大混戦状態。この状態を開幕前に誰が予想できただろうか。
最終節を前にセレッソ大阪が勝ち点で1点をリードし、単独で首位に立つ現状はリーグ戦の面白さを如実に示している。首位から転落したガンバ大阪を応援するサポーターにとって、この展開は想定せざるものだったことは言うまでもない。彼らはナビスコカップを含むC大阪との4度の直接対決で3度勝利。唯一引き分けたのはナビスコカップ決勝トーナメント準々決勝第2戦。それも第1戦を3-0と圧倒しており、4点差負けしなければ勝ち抜けるという中での試合であり、全くトーナメントを勝ち進むためには何の問題もない引き分けだった。
G大阪は、同じ大阪の名を冠するライバルチームに対してまさに力の差を見せ付けた。ところがリーグ戦の面白さは、直接対決の結果がそのまま順位を決めないというところにある。リーグ戦の怖さがサッカーファンに浸透した一番のきっかけは、韓国との直接対決で勝利しながらも、最終的にW杯出場権を奪われたドーハということになるのだろうが、最近で言えば、秒刻みで優勝の行方が移り変わった2003年の2ndステージが思い出される。
最終節にまで優勝の可能性を残していたのは磐田、鹿島、横浜FM、市原(現千葉)の4チーム。この最終節は、試合終了のホイッスルが鳴るまでのほんの数分間に、優勝の権利が4チームの間を行き交った。結果的に優勝の栄冠を手にしたのは横浜FMだったが、まさにリーグ戦の醍醐味を知らしめてくれた最後の数分間だったと言えるだろう。
C大阪が手にした「勝てば優勝」という立場に関しては、そのC大阪がまったく同じ経験を2000年の1stステージでしている。その結果が悲劇に終わったという事実を持ってして今に知られているが、実は同じような状況は創設以来一貫して1シーズン制をとってきたJ2の過去の歴史の中にも見られてきた。99年の大分トリニータは、モンテディオ山形にロスタイムで同点ゴールを喫してJ1昇格の夢を断たれ、その山形は2001年の最終節に、川崎フロンターレに足下をすくわれ、J1昇格を果たせなかった。
C大阪を率いる小林伸二監督は、その2001年にシーズン途中から大分を率い、最終節までJ1昇格の可能性を残しながらも結局涙を呑むという経験をしている。その悔しい経験を背景に、02年には優勝の栄誉を手みやげにJ1昇格を果たした。下位に低迷していたC大阪の監督にシーズン途中から就任した昨シーズンは、最終節にJ1残留を決めたが、そうやって振り返ると、小林監督にもC大阪というチームにも、最終節のドラマがあったことが分かるだろう。
最終節をむかえ、優勝の可能性を残したのは5チーム。しかし、他のチームがどれだけ大量得点を奪おうとも、C大阪は1点差ででも勝てばいい。勝てば自力で優勝を決められるのである。そうした立場に立ったC大阪は、平常心でプレーをすることが鍵となるだろう。 ちなみに対戦相手であるFC東京は23節の清水戦以来11試合負けなし。19節のこちらも清水戦で引き分けて以降、15試合負けなしのC大阪に次ぐ不敗記録を続けている。2005年12月3日、全てのドラマが決着をみる。
2005.12.01 Reported by 江藤高志
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