12月3日(土) 2005 J1リーグ戦 第34節
千葉 2 - 1 名古屋 (14:04/フクアリ/17,003人)
得点者:'81 鴨川奨(名古屋)、'89 坂本將貴(千葉)、'89 阿部勇樹(千葉)
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●オシム監督(千葉):
「G大阪のプレーは良かったですね。まずは祝福しています。G大阪はずっと上にいて、少し落ちたところがありましたが、優勝するに必要なだけ、最後は彼らがまさっていたということだと思います。最後にG大阪が優勝したわけですが、G大阪が優勝するには他の助けがなくてはなりません。もちろんG大阪が優勝するように他のチームが助けたわけではありませんが、あのように勝ち点1差で一つのチームが喜んで、そして4つのチームが悲しんでいるわけですから。ただ、最後にうちはこのような勝ち方をして、うちは悲しんでいないというのは良かったことではないですか」
Q:前節はG大阪のフェルナンジーニョ選手のマークに結城選手ではなく坂本選手がついた。今日は相手が2トップだったが、結城選手ではなく阿部選手がFWのマークについていたが、相手のFWとの相性など兼ね合いによって、それがふさわしいと判断されたのか?
「まず最初に、前節と今日の2試合を勝ったわけで、ヨーロッパだとそういうときはそのような質問は普通はしないものですよ。
今日を含めて最後の2試合は結局、そこがポイントだったわけです。ストッパーが相手のFWにつけばマークは確実なんですが、私たちはそこでリスクを冒したんです。中盤でボールを動かせる、自分たちがボールを持ったときにボールを動かせる選手を相手のFWにつけたんです。実際にそこの部分で成功して、2試合に勝ったと思います。まあ、今日は最後はあのような形にはなりましたけど、実際にうちの選手がボールを動かしていたという意味では、うちがもっと先に点を取っていてもおかしくなかったはずです。試合前のメンバー表を見てもらったらわかるんですが、多分Jリーグで唯一うちの選手というのはスタメンのフィールドプレーヤーのほとんどがゴールを入れているはずです。そこがチームの質ですし、私はそういうふうにピッチに出ている選手全員がボールを動かせるサッカーをやろうとしているんです。
皆さんは忘れているみたいですが、サッカーは常に対戦相手があってやることです。今日、名古屋がどれだけやる気を持ってやってきたか。名古屋は今日の試合、特に失うものがなかったはずです。そういう意味では全力でリスクを冒して攻めてきたはずです。ある意味、うちは優勝争いに絡んでいなかったので、失うものがなかったわけですけど、名古屋はもっと失うものがなかったと思います」
Q:ロスタイムに2点取って勝ったことをどう評価されているのか?それからナビスコカップ決勝戦のときに「カップ戦の優勝よりはリーグ戦の2位、3位のほうが価値がある」と話されていたが、今回の4位をどういうふうに評価されるのか?
「まず最初の質問に対してですが、別に何も思いませんよ。神経が強かったということでしょう。それから、3位も4位もそんなに大きな差はないでしょう。特に、4チームが同じ勝ち点なのですから。そこで今回は勝ち点1、その1というのは少ないですが、どれだけ重みがあるのかということを皆さんが学んだことだと思います。
今回悔しがるのは浦和や鹿島のほうでしょう。その2チームはリーグの最初のほうから自分たちのビジョンを掲げて、しっかり勝ってきて、そして最後にはこのような形になった。G大阪は常に実力を発揮して、常にトップを走ってきて、最後はこのようになりました。うちの場合は、最初からそんなに上位にいたわけではなくて、ずーっと同じような位置をキープしてきて、やはり勝ち点を少しずつ少しずつ落としたことによって、うちはこのような結果になってしまいました。
実は、今日の試合前に選手たちに言ったのですが、そのような形でゴールを入れられて勝ち点を今までに落としてきている。それがすごく大きなことになるということを言いました。実際に、ミスというものはどこでも起こりますし、アーセナルやレアル・マドリードの選手だって、うちの選手と同じようなミスをしますが、他のチームはどうでもいいんです。やはり、自分たちのチームの選手にそのミスを繰り返してほしくないんです。だから、そこを強調して言いました。そして、最後にG大阪が勝ったということは、G大阪が優勝するに値するチームだったと思います」
Q:今シーズンの戦いを振り返っての評価は?
「簡単に言いますが、その分析というのはすごく時間がかかるものです。分析するのはすごく時間がかかるんですが、私が今聞かれて、正直な印象としてひとこと言えるとしたら、実際に選手たちが自分たちを信じきれなかったということです。今まで何度も点を取られて勝ち点を落としてきて、その度に私は、ある時は選手を罵倒して、怒鳴って怒ってきました。ただ、選手たちがそこを今まで理解できなかった。そこで、最後になって、このような結果になった。もう少し勝ち点があれば優勝できるという状態にあった。ただ、それをリーグ戦の最初のほうから選手たちが信じてこられなかったということです。そういう意味では私がもっと選手たちを強く怒鳴って、指摘していればよかったのかもしれません。そういうことでやはり実際に勝てなかった。失った勝ち点2の差というのはそういうところから出てきていると思います」
Q:最終戦で逆転勝利を得て、来シーズンは今シーズンの浦和や鹿島のようにシーズンの最初から優勝というビジョンを持って戦うことができそうか?
「まず、私が来シーズンも千葉の監督を続けるかどうかというのはそんなに重要なことではありません。チームだけがビジョンを持つということを言うのは簡単なことです。ただ、その前にまずクラブが一つになって、スポンサーなり、クラブの運営なりがそういう優勝を目指すのだったら、そういうビジョンをクラブ全体で持たないと始まりません。
正直、千葉は各ポジションに質のある選手というのが足りていません。他のチームにいるようないい選手というのは、実際にはいません。まずはそこの選手を実際に連れてこられるかどうか。もしも連れてこられたとしたら、実際に今シーズンの経験を生かして、いかに勝ち点を失ったかということを補って、また一から考えるべきでしょう。そういういい選手がいるチームだとしても、11人の選手が揃っていたとしても、やはりそのレギュラーの選手とポジション争いをするような、質の高い選手がまたさらに必要なわけです。そういうものがないと、やはり試合に出ている選手のパフォーマンスが発揮できなかった時に、競争させる選手がいないだけで、実際にうまくいかないということも起こりうるからです」
Q:第33節で首位のチームが最終節で5位にまで落ちるという今シーズンのリーグ戦をどう考えるか?
「それ自体がこのJリーグの質を示していると思います。Jリーグは成長していると思います。実際に計算上でそういうことが起こりうるシチュエーションになったわけですから。実際にJリーグ自体はスタートした時からはずっとプロ化していますが、周りの環境がもっとプロ化すれば、多くの観客が見に来て、選手や監督が大きなプレッシャーを受けて、さらにそういうものがJリーグを前進させていけばいいと思っています。
(最後に)皆さんに感謝しているのは、この3年間私の話を聞いてくれたことです。すごく残念に思っているのは、私がここで成功できなかったということです。そして選手たちにも残念だと思っています。ただ、そういうこともサポーターには理解してほしいと思っています。こういうことでみんなが何かを学んでくれたら良かったと思います。やはり人生の中でそういうことをなんとか成し遂げて、祝福するということが大事だと思います。(記者からの拍手を受けて)拍手が大きすぎて耳が痛いです」
以上
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