12月10日(土)J1・J2入れ替え戦 第2戦 柏 vs 甲府(15:00KICK OFF/柏)
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「柏のサポーターがどんな感じか見てみたくてこの場所を選んだけど、ブーイングが凄くて・・・怖いです」。第1戦(小瀬陸上競技場)で柏サポーターの前でボールボーイをしていた、甲府ジュニアユースの選手は柏サポーターの迫力をこう話した。第2戦は、この雰囲気がほぼ100%(甲府サポーターが手にしたチケットは約200枚のみ)となる柏スタジアムで甲府の選手は戦うことになる。サポーターが試合をするわけではないが、全てが決まる戦いは独特の雰囲気になるだろう。
第1戦では結果と内容で甲府が柏を上回った。ケツに火がついた柏がどのような修正を行ってくるのかわからないが、アグレッシブに来ることだけは確か。選手だけで行ったミーティングでは『走り勝つこと』を確認した。それに、昨年の入れ替え戦(2−0、2−0で勝利)の相手(福岡)と違うことは充分に感じているだろう。ただ、甲府がこれを受けてしまえば柏ペースになる。しかし、第4クールの終盤にタフな試合を経験して3位という結果をもぎ取った甲府の選手たちは、受けることがどんな結果をもたらせるのか知っている。甲府のサッカーはアクション。リアクションになれば力は半減してしまうからだ。
第2戦は柏がアプローチの出足とスピードでプレッシャーをかけてくるため、第1戦よりボールを失うことは増えると思われる。ボールを失うことはある程度仕方がないが、その場所や失い方、その瞬間の判断が重要になってくる。失う状況にもよるが、全員がズルズル引くのではなく、ボールを奪い返すためのプレッシャー、2列目から飛び込んでくる選手に対するケアにも意識を置いておく冷静さが必要だ。GKの阿部は、「(甲府が)攻めているときには、(柏の)カウンターを意識している」と、何が一番危険なのか知っている。また、柏が充分な連携なしに前に出てくるようであれば、甲府のパスサッカーが活きて来る。
第2戦はボランチに明神を投入してくる柏。甲府にとって柏のキーマンは怖い存在になる。ボールが明神を経由すれば攻撃の手数が増えるからだ。藤田、倉貫、奈須の中盤は、集中力を切らすことは許されないし、身体を寄せる厳しいマークで仕事をさせたくない。明神の前に立つだけではマークしたことにはならない。また、中盤に平山も戻ってくるだけに、ディフェンスラインはレイナウドとの勝負だけでなく、柏の突破やパワープレーを跳ね返すタフさを、第1戦以上に求められる。
甲府は杉山、井上の両サイドバックが出場可能になるだろう。守備力を重視すれば井上に代えて山本を使うだろうし、バックアップメンバーはモチベーションでも能力でも劣ることがなく、心配はない。また、バレーも右肩上がりに復調しており、長谷川、石原とのコンビネーションによる得点力は期待していいだろう。ただ、甲府は点を取ることにウェイトを置いたチーム。成長したとはいえ守備力は高くない。この試合では、テクニック、フィジカル、スピードの差を気持ちでカバーするしかない。そして、守備の負担を減らす最大の方法は、攻撃すること。失点を怖がったり、悔やんだりするよりも、柏より1点でも多く取ることを考えるべきだろう。
「相手を尊敬して戦う」という言葉を大木監督だけでなく、選手も口にする甲府。相手を尊敬する気持ちがあれば、怯むことも奢ることもない。プロサッカーチームとしては少し青臭いのかもしれないが、大木監督は真摯にサッカーに取り組むことの大切さを説き続け、チームはチャンスを手にすることができた。J1昇格という栄光を掴み取るまであと1勝。引き分けて昇格するつもりはない。第2戦も甲府は攻めて勝つ。
以上
2005.12.09 Reported by 松尾潤
J’s GOALニュース
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