●国際親善試合
2月11日(土)(13:06/SBCpark/37365人)
日本代表 2−3 アメリカ代表
得点:24'ポープ(アメリカ)、39' デンプシー(アメリカ)、50' トウェルマン(アメリカ)、60' 巻誠一郎(日本)、89' 中澤佑二(日本)
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まさに「完敗」だった。小笠原満男(鹿島)からのスルーパスが久保竜彦(横浜FM)に通りそうになるなど序盤こそいい形が出たが、アメリカの厳しいプレスにあって徐々にパス回しのミスが増え、次々とゴールに詰め寄られた。これで最終ラインはズルズルと下がり、地に足が着かない状況に陥った。その結果、前半だけで2失点。日本の1に対しアメリカの12というシュート数を見れば、もっと点を取られていてもおかしくなかった。後半立ち上がりにも3点目を献上。その後は巻誠一郎(千葉)や佐藤寿人(広島)ら途中出場の選手たちが試合の流れを変え、何とか2点を返したが、反撃もそこまで。シュート数も7対22と3倍以上の差をつけられた。ドイツワールドカップを目指す日本代表の2006年初戦は予想外に厳しい内容を強いられた。
今年の国際Aマッチ第一戦とな日本代表対アメリカ代表のゲームが10日20時(日本時間11日13時)からサンフランシスコのSBCパークで行われた。現地はこの日も快晴に恵まれたが、冷たい風が強く吹きつけ、キックオフ時の気温は11度近くまで下がった。
このゲームは宮崎合宿からトライしてきた3−6−1の新布陣をテストするいい機会。ジーコ監督はこの日も久保を1トップに置き、背後の2列目に小野伸二(浦和)と小笠原を並べる形を採った。ボランチ・福西崇史(磐田)、DF宮本恒靖(G大阪)ら他のポジションも練習と同じ顔ぶれだ。対するアメリカは4−4−2。1月29日のノルウェー戦でハットトリックを達成したトウェルマンや司令塔のドノバンらはもちろん先発だ。
序盤は日本がいい形で試合に入った。小笠原が積極的な仕掛けを見せ、右サイドの加地亮(G大阪)が強烈なシュートを放つなどチャンスを作った。昨年5月のUAE戦(東京・国立)以来の代表戦となる小野も高い技術を披露し、復活の予感を漂わせた。
ところが開始10分をすぎると流れは一変。前線からの激しいプレスをかけてくるアメリカにボールを奪われ、次々とゴール前に攻め込まれるようになる。「こっちのミスから相手に勢いが行ってしまった」と小笠原も話すが、日本は悪循環に陥り、最終ラインがどんどん下がる。間延びしたチームはパスを回せなくなり、ハーフウェーラインを超えるのも困難に。ジーコジャパン始まって以来ともいえる防戦一方の状況になった。
アメリカは左サイドのヌーナンがサイドをえぐり、ドノバンやウォルフが決定的シュートを放つなど、先制点は時間の問題だった。そして25分、左サイドバック・ダニバントからのクロスをトウェルマンが絶妙のヘッドで落とし、ここに飛び込んだDFポープがゴール。ついに1点をリードする。39分にはデンプシー→ウォルフ→トウェルマンとダイレクトにつながったところにデンプシーが飛び込み、フリーの形で2点目をゲット。実に美しい崩して2−0と日本との差を広げた。
日本は前半終了まで何の抵抗もできなかった。期待の久保はコンディション不良が明らか。小野も運動量が少なく、1人でリズムを変えるには至らない。守備陣も冷静さを失っていた。練習試合で戦った高校生とはレベルが違いすぎて戸惑った面もあったのだろうが、それにしても内容が悪すぎた。今回の3−6−1のテストは失敗に終わった。
先発組をすぐには交代させない傾向の強いジーコ監督もさすがに動いた。後半頭から巻と佐藤を起用。2トップかつ小野をボランチに下げる形にして、攻撃に厚みを持たせた。けれども皮肉にも後半5分、トウェルマンに試合を決定づける3点目を決められてしまう。日本選手は精神的ダメージを食らったが、まだ試合時間は40分以上もある。まだ諦めるわけにはいかない。アピールのチャンスを得た巻と佐藤らは必死に前線をかく乱する。
10分には阿部勇樹(千葉)と長谷部誠(浦和)がそろって送り出され、布陣も4−4−2に変わった。コロコロ変わるシステムにはリスクもあったが、指揮官は「今しかできないテスト」と割り切ったようだ。この形にしてからようやくパスが回るようになり、初キャップの長谷部や佐藤が盛んに前線でいい形を作った。前半は消極的だった加地、三都主アレサンドロ(浦和)も持ち味を出し始めた。宮本ら最終ラインには何度かミスもあったが、リズムは確実によくなった。そして後半15分、加地のクロスをファーサイドで合わせた巻がゴール。やっと1点を返す。これで反撃ののろしを上げた選手たちはさらに積極的に攻めた。後半ロスタイムにはセットプレーから中澤佑二(横浜)が右足で強引に2点目を奪う。最後まで同点にはできなかったが、決死の追い上げを見せたことはチームの明るい材料だった。
とはいえ、アメリカと日本の実力差は予想以上に大きかった。欧州組不在やコンディション不良や連携・試合勘の不足、滑りやすい野球場でのゲームなどを差し引いても、前半の戦いぶりは不甲斐なかった。欧州組が加わっても守備陣は変わらない。そう考えても早い時間帯での3失点はいただけない。
ワールドカップ本大会で激突するオーストラリアやクロアチアはこの日のアメリカと同レベル程度と見ていいだろう。となると、今後はこの相手を封じられる組織的守備を構築していく必要がある。攻撃にしても同様だ。確固たる得点パターンがなければ世界の強豪国には勝てない。この苦い敗戦をいい教訓にできるのか。ドイツ本大会でのジーコジャパンの成否はそこにかかっている。
以上
2006.2.10 Reported by 元川悦子
J’s GOALニュース
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