●2006Jリーグプレシーズンマッチ 静岡ダービー
2/19(日)14:04キックオフ/ヤマハ/8,169人
磐田 0-0 清水
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山本監督、長谷川監督ともに2年目のシーズン(注:厳密には山本監督は2004年途中から監督に就任)、また若手がかなり伸びてきたという面でも共通するライバル同士。仕上がり具合に多少の明暗はあったが、どちらも昨年のサッカーにプラスαされる楽しみが見えたプレシーズンマッチだった。
スタメンに関しては、磐田のほうはキャンプで大いにアピールした2年目の藤井を先発(中山との2トップ)させたのが大きな注目点。また、3バックでは新潟から復帰した菊地を中央に置き、両サイドは右に西、左に船谷と、去年の2人(村井と太田)とはタイプの異なる選手を起用した。そして中盤は、新加入のファブリシオと服部がボランチで、名波のトップ下という形の3-5-2。
清水のほうは、ボランチから後ろは、質の高いサッカーを見せた昨年終盤と同じメンバーで、2列目は右に兵働、左にルーキーながら澤登から10番を引き継いだ藤本。2トップはエースのマルキーニョスと久保山を組ませた4-4-2。
両チームともキャンプやトレーニングの疲労を残す中での試合で、とくに清水はキャンプ明けから中2日だったが、むしろ前半に身体が重そうだったのは磐田のほうだった。「お客さんがいて思ったより動けた」(伊東)という清水が、バランス良く守備の陣形を敷く中で、磐田はなかなか前線に有効なボールを入れることができず、逆に清水のほうは中盤でボールを奪うと素早くパスをつないで両サイドからチャンスを作った。
とくに、大きなサイドチェンジで磐田の両サイド(西と船谷)の裏をつく攻めが効果的で、右からは兵働や市川、左からは藤本や山西が積極的に逆サイドにボールを蹴り、ボランチの枝村や伊東からも左右にボールが出て、持ち味のサイド攻撃は十分に機能した。両ワイドの兵働と藤本は、ピッチの幅いっぱいに質の高いボールを蹴ることができるため、こうしたサイドチェンジが今年の大きな武器となりそうな予感は十分に感じられた。
また、清水の新戦力としてもっとも注目される藤本は、サイドに開いてのクロスも、中に入ってのシュートもあり、キープ力もあってまさに即戦力という働きぶり。昨年前半は、強化指定選手として清水のトレーニングに参加し、公式戦にも1試合出場した経験があるだけに、長谷川監督のサッカーも十分に理解しているようだ。
前半は、清水がペースを握り自分たちのサッカーを展開したが、最後のゴール前の部分は少しもの足りず、シュート3本に終わったのは課題と言える部分。磐田のほうは、前半はシュートわずか1本と、自分たちの攻撃があまりできないまま終わった。
しかし、ハーフタイムをはさんである程度修正が効くのが、百戦錬磨の名波や服部がいる磐田の強み。両サイドのうち西よりも船谷を下がりめにさせて、「4バック風にしたほうが、相手がワイドに使えなくなって中に入って来たので、そこで引っかかって逆にこっちのチャンスになっていた」(服部)というように、徐々に流れを自分たちに引き寄せる。
また、この試合では前半から、両サイドを含む中盤でのポジションチェンジが活発で、船谷が中に絞って服部が左サイドに飛び出したり、右でも西が絞ってファブリシオが飛び出したりと、昨年は少し影を潜めていた流動的な攻撃を、今年はもっともっと出していこうという意識が見えた。
注目の新戦力・ファブリシオは、そうした狙いにも十分対応できそうな機動力と運動量を持ち、パスの精度も高く、守備でも身体を張ることができ、かなり能力が高い選手であることは磐田サポーターも確認できたようだ。名波も「守備の連携はまだまだだけど、攻撃のつなぎに関してはまったく問題ないし、ファブリシオを中心にボールを回していければ、速いテンポでボールも動くし、人も動き出すと思う」と語る。後半5分には、今日の磐田でもっとも惜しいシュートを放つなど、ファブリシオのプレーは、この試合での最大の収穫だったと言えそうだ。
後半の清水は、全体的に少し疲れが見え始めた中で、次々に選手を交代させていく。16分から高木純、平松、岡崎、矢島と投入し、30分までに前の4人を総入れ替えし、37分にボランチの杉山も入れたが、前半ほど流れの良い攻撃を見せることはできなかった。ロスタイム直前に、岡崎の左からのシュートがポストに当たる場面もあったが、結局清水はチャンスを作りながらもゴールを決めきれずに終了。
磐田も、カレン(16分)、成岡(25分)、太田(27分)、西野(38分)、上田(42分)と前のポジションを中心に若い選手を積極的に試したが、目立った働きを見せた選手はなく、先発した藤井も十分なアピールはできなかった。結局90分間のシュート数が5本(清水は9本)と清水の守りを崩しきれず、0-0のまま今年最初の静岡ダービーは終了した。
清水は、相手の決定機を最小限に抑えて無失点で終えたことと、攻撃でいくつか良い形を作れたあたりに、順調な仕上がりを感じさせた。あとは、ゴールを決めるという最後の部分を中心に、あらゆる面の精度やコンディションを高めていくことが課題となるだろう。
一方、磐田のほうは、ファブリシオの能力や菊地を中心にした守りといった部分では収穫があったが、代表選手が不在の中での若手のアピールという面では物足りなさが目立った。代表組がチームに戻るのは開幕直前。そこからどれだけ調整を図れるのかという部分が大きなテーマとなる。
以上
2006.2.19 Reported by 前島芳雄
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