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【2006シーズン 戦力分析レポート:東京V編】「1年でのJ1復帰」への決意を胸に、チーム一丸となって2006シーズンに挑む。ラモス監督率いる新生・東京Vのスローガンは『All for win』(06.02.20)

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【今季の見どころ】

東京Vの明確な目標は、言うまでも無く「1年でのJ1復帰」だ。そして、クラブが昇格への牽引役として招聘したのは、J監督としてのキャリアをスタートさせるラモス新監督。そのラモス監督がどんな手腕を見せるのか。また標榜する「90分間観客が楽しめるサッカー」とはいかなるものなのか。そして何より、経験者の誰もが『魔物が棲む』と口を揃えるJ2リーグを戦い抜くのか・・・・サポーターならずとも興味は尽きない。さらに新監督を支える、都並敏史氏、柱谷哲二氏、菊池新吉氏といった、過去に選手として『読売クラブ』を彩ったコーチ陣の存在。格下のリーグに属することになったとはいえ、周囲からの注目度は去年より増していることは間違いない。  

とはいえ、J2降格はチームに大きな痛みを伴った。 
 去年までの主力はことごとく他チームへ流失。これまでの土台は無いに等しく、開幕までの限られた準備期間の中で新チームを作り上げることに。新加入選手は26人を数え、キャンプ前には「プレーの前に、互いの名前と顔を覚えることから始めた」と話した選手も多く、現実にはリーグ戦を戦いながらチームが成長していく形になるのは致し方ないことだろう。 
 ただ、「技術よりハートを持った選手を集めた」というラモス監督の言葉通り、新加入選手達は目の色を変えてサッカーに取り組む姿勢を見せる選手ばかり。キャンプ中も「あんなに走らなくてもいいのに」とラモス監督が苦笑する場面もあったほどで、ともすると高い技術力に頼りがちだったこれまでの「東京V」とはまた違った魅力が加わったのは確かだ。 
 事実、ラモス監督は「ヴェルディ変わったな、読売変わったな、と言われるサッカーを見せるつもり」と意気込んでいる。例えば練習でも、1対1のDF時は必ず最後まで付いて行く、ということを徹底していた。こういう練習をDF戸川は「新鮮です」と話していたが、ラモス監督がまずはサッカーの原点を選手に意識させることを重視していることが伺える。東京Vとしての誇りやプライドを持つことを説く一方で、これまでの実績にあぐらをかくことなく一から始めていこうとのメッセージなのだろう。  

 具体的には「内緒」という戦術。「観て驚くサッカー(ラモス監督)」がどんなものなのかは、開幕を待つしかない。クラブとしても初、選手の中でも未経験者が多いJ2の舞台。ACLを含め、未知の世界に乗り込んでいく東京Vの奮闘ぶりをまずは見守りたい。  

【注目の新戦力】

●FW9 バジーリオ 

東京Vは今季、DFデジマール選手、MFアナイウソン選手、FWバジーリオ選手の3人のブラジル人選手を獲得した。 
中でも注目は、ブラジルの名門・サントスからレンタルで移籍してきたバジーリオ選手だ。169センチと小柄ながら、スピードを活かしDFの裏へと走りこんでいくプレーが持ち味で、両足が使えるのも魅力。キャンプ前に行われた専修大学とのトレーニングマッチでは大学生相手とはいえハットトリックを達成し、既にチームメイトの信頼も得ている。ラモス監督も「3人の中で1番チームに馴染んでいる」と評価。また、「点を取ることはもちろん、是非チームを引っ張っていって欲しい」と、その経験値にも期待を寄せる。 
 バジーリオ選手は98年に柏でのプレー経験があり、日本語を多少理解できることもチームへの順応が早い理由のひとつ。練習中も、周囲の選手に積極的に自分の要求を伝える姿があった。昨年チーム総得点数40のうち22得点を稼ぎだしていたFWワシントン選手が移籍した今季、このバジーリオ選手がチームの浮沈の鍵を握っていると言っても過言ではないだろう。  

【日本代表へイチオシ】

●FW25 平本一樹 

いつかフル代表として日の丸を背負う姿を見てみたい選手がいる。 
ジュニア時代から読売育ちのFW・平本一樹だ。その身体能力、スピード、左足から繰り出されるパワフルなシュート、止められないドリブル・・・高い潜在能力は誰もが認め、実際各ユース年代の代表にもコンスタントに選出されてきた。だが、2001年のワールドユースでの出場時間はわずか数分、夢見ていたアテネ五輪では最終メンバーから漏れた。  

「ムラがある」・・・平本を評するとき、時に出てくる言葉だ。昨季、第8節名古屋戦でチーム7年ぶりとなるハットトリック達成したにもかかわらず、総ゴール数は6。ワシントンにボールが集まることが多かったとはいえ、この数字では「もっとできるはず」と周囲が歯がゆい思いを持っても仕方がない。  

 平本に求められるものはやはり「メンタル面での成長」だ。しかし今季、平本は大化けする可能性を秘めている。監督には「ユースから見ていて1番恐いと思ってた(平本)」ラモス監督。尊敬する読売の先輩・ラモス監督の為にも、という思いは平本にとっての最大の原動力になる。 
見た目は「イマドキ」な平本だが、内面は浪花節な所のある好青年で、期待されると意気に感じるタイプ。ラモス監督が平本を副キャプテンに指名したのも、平本のそんな性格を知った上でのことだろう。ピッチ上で好不調の波があったとしてもラモス監督が我慢して使い続ければ必ず期待に応える仕事をするはずだ。  

 以前も紹介した「平本はある時はペレで、ある時は(当時通訳の)羽生だ」というアルディレス前監督の言葉も、裏を返せば「ずっとペレになれる」ということ。FWの軸としての責任を一年間全うした時の平本が、プレーヤーとしてどんな成長を遂げているか楽しみで仕方がない。  

次のW杯が行われる2010年、平本は29歳。円熟味を増した彼が、代表のユニフォームに袖を通しピッチに出て行く・・・想像だけでは、物足りない。  

【開幕時の布陣予想】

システムは4−4−2で、攻撃陣にはスピード自慢の選手が揃う。 
 2トップには新加入のバジーリオと平本。バジーリオが下がってのプレーが多くなると予想されることから、平本が前線に残って身体を張る。両サイドにはアナイウソンと大橋。鋭いスルーパスを見せるアナイウソンが中盤でのためを作り、テクニックのある大橋正博と共に前線へ絡んでいく。中盤の底には大野敏隆と金澤慎のダブルボランチで、攻撃的な役割は大野。金澤は強靭な身体と人に強い特徴を活かし、中盤で攻撃の目を摘む仕事が多くなりそうだ。基本的にはアナイウソン、大橋、大野、バジーリオがショートパスでリズムよく攻撃の形を作っていくだろうが、時折見せる金澤のサイドチェンジが攻撃のアクセントに。 
 両SBには運動量豊富な青葉幸洋と柳沢将之が配され、アナイウソンと大橋が中へ入って空けたスペースを活かし攻撃参加、厚みのある攻撃を実現する。 
 CBには人に強く、カバーリングもできる萩村滋則と戸川健太。去年はゴール前でフリーでやられ失点することが多かったが、この2人が組むことでその心配は解消。揃ってコーチングにも定評のある選手だけに、チームとしての組織的な守備の構築にも大きな役割を担ってくれそうだ。  

Reported by 高木聖佳



2006開幕直前 クラブ別キャンプ・戦力分析レポート
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