■Jリーグアカデミー詳細
http://www.j-league.or.jp/academy/
■プレ Jリーグ・アカデミーフェスティバル(2005年8月開催)概要
http://www.j-league.or.jp/academy/index_festival.html
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日本サッカー界の頂点に立つ日本代表選手は、突然その才能を開花させたわけではない。彼らにもサッカーのイロハを教わった子供時代が存在し、その成長過程において適切な指導があったからこそ彼らの今があるのである。
9歳から12歳にかけての、いわゆるゴールデンエイジと呼ばれる年代がサッカー選手としての成長に非常に重要な時期だということは多くの方がご存じだと思うが、この年代にフォーカスを当てた初めての試みが、昨年の8月に「2005プレJリーグ・アカデミーフェスティバル」として全国4カ所で開催された。JクラブのU-12年代のチームを中心として多くの試合を組んだこの催し物は、同年代の子供たちの交流という意味において一定の成果を残したと言える。ただ、Jリーグアカデミーでは、フェスティバルの開催を通じて浮上した子供たちが目指すべき課題(U-12の年代で習得すべき習慣や技術という意味)を抽出し、それをいかに達成させるのかを主眼とした事後研修の場を設けることとなった。それが今回レポートする「2005プレJリーグ・アカデミーフェスティバル事後研修会」である。
事後研修会はJリーグ 技術・アカデミー部の主催の形で2月19日〜21日の3日間に御殿場で開催され、事情によって辞退した3クラブを除くJ1・J2の28クラブが参加した。研修会では、全体を4つのグループに分け、実技と議論を通しながら与えられたテーマについての指導方法の研究を行った。
この研修会をコーディネイトされたサンフレッチェ広島の眞藤邦彦さんは「子供を集めて試合をやったらそれで終わりではないということです。試合を通じて見つかった課題をどう克服していくのか。各クラブからコーチを招集し、いろいろな意見を通して研鑽してもらえればと考えています」と開催意図を説明してくださった。
テーマとなったのは「見る」こと。見るとはつまり、ボールがあるところ、ないところでの状況を見るということであり、そうすることによってプレーの選択肢は大きく広がり、かつ変わる。では、日頃の練習の中でいかにして視野を広げ、見ることを意識させられるか。指導者として子供に見る習慣を習得させるためにはどのような練習が効果的なのか、というポイントについて議論が進み、研修が進められた。
取材日となった2日目(2月20日)。午前中のグループワークでは、ホワイトボードを前にトレーニングメニューの選定で議論を進めるグループがある一方、冷たい雨が降りしきる中、ピッチ上での実技を通し、いかに見ることを教えるのかを激しく議論するグループも見られた。ピッチ上で実際に体を動かしていた東京ヴェルディ1969の山本佳津さんは、激論の論点として「見ることができればそれでいいという意見があったが、見えるようになった後にもやることは残されている。ポジショニングにしても、ボールコントロールにしてもそう。見るということにも詰まっていることはたくさんあるんです」と説明してくれた。
浦和レッズの岩瀬健さんと熱く議論していたガンバ大阪の上野山信行さんは「見ることは目的ではないということです。何のために見るのか、ということなんです。そういう議論を通じ、彼は最後には見ることの意味を理解してくれました。それは良かったと思います」と成果を強調されていた。
それぞれのグループは午後になって議論の成果を発表。見ることを意識させることを念頭に作られた練習メニューを参加者で実演し、それに対して参加者からの鋭い意見が加えられて練習メニューに磨きがかけられていた。
JFAが行っている指導者育成コースが日本全土に共通の指導理論を与える土台の部分だとすれば、Jリーグ技術・アカデミー部が主催した今回の研修会はプロ集団としてのJリーグの独自性を打ち出そうとする試みだと言える。上野山さんは「こうした場で指導理論についての共通理解を持ちつつ、各クラブに参加者が経験を持ち帰り、そのクラブの独自性を打ち出してほしいですね」と今回の研修会への期待を述べる。こうした研修会を続けることで、「最終的には世界につながる選手を育てたいですね」と夢を口にされていた。
Jリーグが費用の全額を持つ形で行われた今回の研修会は、プロサッカー集団としてのJリーグの気概の表れであり、眞藤さんが問わず語りに口にした「Jリーグは才能のある選手を預かっているだけですから」というポリシーが色濃く出たものだったと言える。指導者を育成し、その指導者に育てられた子供が成果を出すには10年単位の時間が必要になるが、先を見越した投資を着々とJリーグは続けているのである。
以上
2006.2.20 Reported by 江藤高志
J’s GOALニュース
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