3月4日(土) 2006 J2リーグ戦 第1節
水戸 1 - 1 山形 (14:05/笠松/6,174人)
得点者:'23 オウンゴ−ル(山形)、'34 高橋周大(水戸)
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試合後のグッズ売り場に水戸のプレーヤーズTシャツを買おうとする親子がいた。そして、子供が親にこうねだった。「24番がいい!」。
水戸の24番――高橋周大。ルーキーながらも開幕戦で右MFとして先発フル出場を果たした彼のインパクトは強烈だった。「前からガンガン行ってやろうと思った」という高橋は序盤からボールを持つと積極的にドリブルで仕掛け、対面の内山を守備に追いやった。鋭いフェイントと豊かなスピードでチャンスをつくり、迎えた34分、左サイドを抜け出した権東からのクロスに合わせたのが高橋だった。「彼はやれると思っていた。ウチにいないタイプで(自分の)形を持っている」と前田監督も認める才能を存分に発揮した高橋。新たな水戸の攻撃の核として期待できそうだ。
だが、序盤からペースを握ったのは山形だった。財前が高い質の動きでボールを引き出し、そこから見事なスルーパスでチャンスを演出。23分の得点はFKから「GKとDFの間を狙った」財前が好クロスを上げ、オウンゴールを誘発したもの。しかし、そのまま波に乗りたい山形だったが、「いい流れが続かない」(財前)のが現状。その後は「足元へのパスだけになってしまった」と樋口監督が反省するようにボールは支配しながらも水戸のDFラインを崩せず。得点から9分後には逆に水戸にサイドを崩されて失点をしてしまう。後半はロングボールで活路を見出そうとしたが、全員が180cm以上の水戸DFラインに跳ね返され続けた。昨年までの『ポゼッションサッカー』に『ゴールへ速く向かう攻撃』を加え、攻撃のバリエーションを増やそうとしている樋口監督。変化の中にある山形の完成形はまだまだ遠そうだ。
ただ、山形の拙攻を水戸の守備力の高さが生んだとも言える。本来センターバックの河野と大和田を両サイドバックに置いた4バックは強固そのもの。前半は連携が取れず、裏を取られるシーンもあったが、「試合の中で選手同士で声を掛け合ってバランスを取り合った」と時崎が言うように経験豊富な選手たちが個々の判断で修正していき、山形の攻撃を食い止めた。例年通り大幅に選手の入れ替えがあった水戸。この試合でも昨季のレギュラーは吉本、大和田、秦の3人のみで連携面で不安があった。そうした中、経験豊富なDFラインの選手を筆頭に声を掛け合ったことで、「チームが1とつとして戦うことができた」(時崎)のは収穫である。今季同様、大幅な選手の入れ替えのあった昨季は連携不足から序盤戦で大量失点を食らい、下位低迷の原因となっただけに、開幕戦で安定した戦いをできたのは大きな進歩と言えよう。
さらにこの試合では2度もゴールライン上でDFがシュートを防ぐ場面があったのをはじめ、最後まで追う、ギリギリまで足を伸ばす、倒れてもすぐに起き上がるといった『気持ちのこもったプレー』を水戸は90分間随所で見せた。2月28日に選手主導でチラシ配布を行ったことによる『意識の変革』がピッチで表れたと言っていいだろう。
「今日は絶対勝ちたかったんで悔しい」と時崎は唇を噛んだが、大幅に選手が入れ替わった中で初戦からしっかりと連携を取り、守備でも強さを見せ、さらに若手が持ち味を発揮したことを考えればこの勝ち点1を悲観的に捉える必要はないはず。「これを最低限にして向上していきたい」と時崎。この日の選手たちの目の色からはそれを実現できる可能性を強く感じることができた。
以上
2006.3.04 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
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