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【J2:第1節 柏 vs 湘南 レポート】湘南の後半ロスタイム弾でドロー。柏は圧倒的に主導権を握りながらJ2初戦を飾れず。(06.03.04)

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3月4日(土) 2006 J2リーグ戦 第1節
柏 1 - 1 湘南 (14:04/柏/9,094人)
得点者:'72 岡山一成(柏)、'89 ファビオ(湘南)
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 ホームの柏レイソルが1点をリードし、試合はロスタイムに突入した。内容では湘南ベルマーレを圧倒している。彼らがこのまま勝ち点3を手に入れ、J1復帰への力強い第一歩を踏み出す・・・。日立柏サッカー場に押し寄せた観衆の多くがそう確信したに違いない。しかしサッカーはタイムアップの瞬間を迎えるまで何が起こるかわからない。この日も信じがたいどんでん返しが起きた。湘南のブラジル人FWファビオが終了間際に同点弾を決め、ギリギリのところでドローに持ち込んだのだ。昨季の開幕戦でもロスタイム同点弾を浴びている柏にとっては非常に痛い勝ち点1。今季もまた苦いスタートを強いられた。

 2006年のJ2が4日14時から全国各地で開幕した。2005年12月10日に屈辱のJ2降格を余儀なくされてから3ヶ月。柏は本拠地・日立台でJ1復帰への新たな道を歩みはじめた。記念すべき第一戦の相手は湘南。かつては同じJ1を戦ったチームだが、彼らも何度か復帰に失敗し、J2常連になりつつある。そうならないためにも、1戦1戦確実に勝ち点を積み上げていくしかない。熱狂的サポーターもスタンドを黄色に染める。この日も9,094人もの観衆がスタジアムに集まった。

 今季から指揮を執り始めた石崎信弘監督は前線からのプレスと攻守の切り替えをチームに徹底させてきた。1ヵ月半の準備でチーム完成度はどこまで上がっているのか。それが試合の注目点でもあった。指揮官が送り出したスタメンはGK南、DF(右から)小林亮、小林祐三、岡山、大谷、ボランチ・山根、ディエゴ、右MF谷澤、左MF平山、FW鈴木達也、北嶋だ。一方の湘南も4−4−2。GK伊藤、DF(右から)須田、松本、城定、尾亦、ボランチ・ニヴァウド、佐藤、右MFアジエル、左MF加藤、FW横山、ファビオのイレブンである。

 外国人3人が揃い、就任3年目の上田栄治監督の戦術浸透度の高い湘南がやや有利かと思われたこの試合。だが蓋を開けてみると、柏がボールを一方的に支配する。高い位置からのプレスがうまくかかり、守備から攻撃への切り替えも予想以上に速かった。2トップと谷澤、平山が流動的に動きながらの攻撃も相手を翻弄する。石崎監督にしてみれば「攻めが左からに偏っていたし、手数をかけすぎていた」という不満はあったが、チーム全体が同じコンセプトで戦っており、初戦にしてはかなりいい出来だった。しかし唯一の問題は最も重要なフィニッシュ。前半30分のディエゴが放ったシュート、38分の平山のシュートがどちらもサイドネットに飛ぶなど、あと一歩のところで精度を欠く。「前半に点が入っていれば違った展開になっていたかもしれない」と指揮官も悔やんだ。

 後半に入ってからも柏は主導権を握り続けた。最大のビッグチャンスは22分。左をえぐった谷澤からのクロスにファーサイドで反応した北嶋が、フリーでヘディングシュートを打ったシーンだ。が、これはゴール後ろの看板を直撃してしまう。「狙いすぎてしまった。あれを決めきれないのが自分の悪いところ」と本人もショックを隠しきれなかった。

 だが、彼らは闘争心を持ち続け、27分に喉から手が出るほどほしかった先制点をようやく奪う。谷澤の左CKを大谷が折り返し、ディエゴに当たって岡山へ。彼は右足を振りぬく。ボールがゴールネットを揺らした瞬間、スタンドは歓喜の渦。岡山ら選手とサポーターが一体となって得点を喜んだ。

 この展開に湘南も黙ってはいられない。ここまではリズムが作れず苦しみ続けたが、上田監督は横山に代えて戸田を投入するなど前線の枚数を増やし、猛攻撃をしかけてきたのだ。右サイド・須田がオーバーラップから強烈シュートを放つ場面が何度か生まれ、柏には嫌な空気が漂った。そんな流れを払拭しようと、石崎監督も疲れの見えたディエゴを下げて中澤を起用。負傷した山根に代えて永井を送り出すなどで、何とか1点を守ろうとした。が、この選手交代が裏目に出てしまう。

 後半ロスタイムも3分を回った頃だった。1点をもぎとりたい湘南は右の須田が思い切ったクロスを上げた。ここに飛び込んできたのがファビオ。これまでいいところのなかったブラジル人ストライカーの一撃が見事にはまり、湘南は1点を返すのに成功する。「今日は柏とここまでやれた。ポジティブにとらえている」と上田監督も起死回生のドロー劇に満足感をのぞかせた。

 逆にショックを受けたのが柏の選手たち。ほぼ手中にしていた勝利を落としたのだから当然だろう。「リードした後、チームとして前から点を取りに行くのか、引いて守るのかはっきりしなかった」と鈴木達也が言えば、北嶋も「自分が前線で露骨にキープして時間稼ぎをすべきだった。それは監督から言われることじゃなくて自分たちでやるべきこと」と自戒を込めていう。J1で優勝争いをしていた頃の柏なら、勝ちきるためのずる賢さをチーム全体が理解していたはずだ。こうした意思統一のズレをいち早く修正し、毎週やってくる戦いに備えなければならない。

 もう1つの課題は決定力だろう。今回は湘南も積極的に前からボールを取りにきたため柏はチャンスを作りやすかった。しかしこの先は、ゴール前でがちがちに守り柏のよさを消そうとしてくる相手もいるだろう。その場合、どうやって点をとるのか。その形を見出すか、強烈なストライカーが台頭しなければJ1復帰への道は容易ではないだろう。

 とはいえ、まだ1試合が終わったばかり。柏も湘南もまだチーム作りの途中で、手ごたえもいくつかあった。本当の戦いはこれからだ。

以上

2006.3.04 Reported by 元川悦子
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