3月5日(日) 2006 J1リーグ戦 第1節
磐田 1 - 1 福岡 (14:04/静岡/28,564人)
得点者:'36 宮崎光平(福岡)、'86 田中誠(磐田)
----------
結果は1-1の引き分け。しかし、終了直後のピッチやスタンドの雰囲気は、およそ引き分けの試合には見えなかった。
とくに前半は、両チームの明暗がはっきりと分かれた。5年ぶりのJ1で、代表選手を数多く擁する磐田とのアウェーゲーム。福岡の選手たちに緊張があっても不思議はなかったが、実際にはまったく臆することなく、立ち上がりからエンジン全開で自分たちのサッカーを披露した。
守備では、バランスの良いポジショニングから鋭い出足で磐田のパス回しを封じ、中盤でボールを奪うと、素早くトップのグラウシオに当ててワイドに開く2列目の古賀や宮崎に展開。サイドに基点を作って磐田ゴールに迫った。ボールの動きによどみがなく、よく訓練されたオートマティズムが表われたサッカー。それは、「つねに(練習で)取り組んでいる部分」(松田監督)というように、普段通りのプレーをしっかりと出せた成果だった。
対する磐田は、前半は明らかに動きに精彩を欠いた。DFラインやボランチがボールを持ってもパスの出しどころがなく、必然的にロングボールが多くなる。そのセカンドボールがなかなか味方につながらず、シュートまでいく形が作れない。守備では、ほぼ初めて実戦でコンビを組む福西とファブリシオによるボランチのバランスが悪く、DFラインとボランチの間に顔を出してクサビのボールを受けるグラウシオを止めきれない。また、サイドの裏のスペースに走りこむ田中や古賀、宮崎らへのマークもあいまいになり、対応が後手後手に回ってしまった。
代表選手が合流して3日しか経っておらず、コンビネーションも不十分でいつも以上にスロースタートになることは仕方なかったが、それにしてもスロースタートすぎた。
そうした対照的な両チームの立ち上がりにより、前半は完全に福岡のペース。8分に左CKからの金古のヘッドがバーに当たり、15分にはグラウシオがドリブル突破から惜しいシュートなど、決定的なチャンスも作った。そして36分、グラウシオが中村からのクサビのボールをワンタッチで右にはたくと、宮崎がフリーで抜け出してワンタッチでシュート。これがDFの足に当たってコースが変わり、GK川口の頭上を越えて福岡の先制ゴール。シュート自体は幸運な面もあったが、そこに至る流れは、まさに自分たちの形だった。
前半のシュート数は、福岡が7本、磐田が2本。そのうちバーに当たったシュートが福岡2本、磐田1本。福岡にしてみれば「前半の流れの中で1点だけという部分が課題」と松田監督が言うように、勝点3を得るには、もう1点が必要だった。
後半はさすがに磐田のエンジンがかかり始め、ボールを持たない選手の動きが増えて、立ち上がりから攻勢をかける。こうなると、個人の力の差が徐々に出始めて磐田が押しこむ時間が長くなってくる。17分の鈴木のヘッド、25分の西野のヘッド、その直後の西野のシュート、37分のファブリシオのシュートなど、何度もチャンスを作った。だが、ここは福岡が全員守備でよく耐えて、GK水谷も好セーブを連発。逆に福岡もカウンターで2度、3度と磐田ゴールを脅かすスリリングな展開となった。
30分を過ぎたあたりからは、ボランチの福西が前線に張り付き、船谷、藤井、太田と若い攻撃陣も投入した磐田がさらに激しい攻勢に出て、福岡が耐える展開。残り時間が5分を切り、福岡の逃げ切りが見え始めた41分、船谷の右CKから日本代表DF・田中がきれいなボレーシュートを決めて、磐田が何とか同点に追いつくことに成功した。
結局試合はそのまま1-1で終了したが、ホームの磐田サポーターからは大きなブーイング。福岡サポーターが選手たちの健闘を称える姿とは非常に対照的だった。負けなかったことは良かったが、コンビネーションが熟成するまでまだ時間のかかりそうな磐田。次節は満員の埼玉スタジアムでの浦和戦。この後も正念場が続く。
一方、福岡は組織的な攻守がJ1でも十分に通用することが確認できて、まずまずのスタート。ただ「やっぱり簡単には勝たせてくれない」(布部)という部分でJ1の厳しさを確認した。こちらも次のホーム開幕戦(vs大宮)が重要なゲームとなる。
以上
2006.03.05 Reported by 前島芳雄
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第1節 磐田 vs 福岡 レポート】代表選手の多い磐田はコンビが合わずに苦戦。J1復帰の福岡は勝点3を逃すも組織サッカーで健闘(06.03.05)















