3月5日(日) 2006 J1リーグ戦 第1節
川崎F 6 - 0 新潟 (15:00/等々力/17,444人)
得点者:'26 我那覇和樹(川崎F)、'40 我那覇和樹(川崎F)、'66 我那覇和樹(川崎F)、'87 中村憲剛(川崎F)、'89 ジュニーニョ(川崎F)、'89 マルクス(川崎F)
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試合前に聞いた川崎フロンターレサポーターの声。
「今年は9番にがんばってもらわないとね」
今季に向けての意気込みを聞いたときに、真っ先に口をついて出た言葉だった。期待の高さを感じ取ったが、すぐに「だけどさ、簡単じゃないだろうなぁ」と自らの言葉を打ち消した。川崎Fの中では人気と知名度とを持つ我那覇和樹とは、そういう選手である。「期待はしているし、応援もしている。みんなが好きだけど、だけどなぁ」という微妙な感情を抱かせる選手。そんな選手が、爆発した。
アルビレックス新潟のサポーターにとって絶対的な存在だった前任者の後を受け、監督の任に就いた鈴木淳監督はマジメにマジメに自分のサッカーを構築していた。合宿を含めた準備期間での仕上がりは上々。4-4-2で臨んだこの試合は、立ち上がりから激しく川崎Fを攻め立てた。
4分。新潟はエジミウソンが強烈なシュートを放つがGK相澤貴志がセーブ。こぼれ球に鈴木慎吾が詰めたが、箕輪義信が体を寄せてCKに逃れた。新潟はこのCKをつなぎシルビーニョが強烈なミドルシュートを放つが、ここも相澤がセーブ。点差に隠れて目立たないが、川崎Fはこのビッグプレーで落ち着いた。
「立ち上がりにミドルシュートを打たれたところで耐えられたのは大きかった。あそこで1点入っていたら、状況は変わっていたと思う」とは影の殊勲者である相澤。新潟が「基本的に自由に動いていい」(鈴木慎)というルールで中盤を構成していた中で、川崎Fは難しい立ち上がりを強いられていた。ただ、昨年までとは違い、ゾーンディフェンスの比重を高めた守備を推し進めている川崎Fにとって、この新潟の攻撃は自分たちが目指すサッカーとうまく合致していたとも言える。
「守備のズレはなかった。今日のような(中盤が動く)チームは、今年のやり方がはまったと思う」(川崎F・中村憲剛)
徐々に川崎Fが攻守に渡って新潟を圧倒しはじめると、19分にビッグチャンスが生まれる。マルクスからのスルーパスでジュニーニョが飛び出し、クロス。ニアに走り込んだ我那覇がDFを引きつけると、その裏でマルクスが頭で合わせた。完璧な流れだったがGK野澤洋輔がこれをセーブ。その野澤が、至近距離でヘディングを放ってきた古い戦友と軽く手を合わせたところまでが、新潟の見せ場だった。
26分にマルコンからのクロスを我那覇が高い打点のヘディングシュートで決めて川崎Fが均衡を破る。さらに40分にもマルコンがマーカーから半身ずらしてクロス。これが再び我那覇の頭に合って2点目を手にした。
劣勢の新潟は後半の頭から鈴木慎を右に移しマルコンをケア。失った流れを取りもどそうとしたが思うに任せず、逆に66分に我那覇が途中出場の森勇介からのクロスをダイレクトで叩き込んで息の根を止められた。川崎Fにしてみればそのまま無失点で試合を乗り切ればいいという流れだったが、87分に中村が4点目を決めると、89分にジュニーニョ。さらにロスタイムにマルクスが6点目をねじ込んで試合を締めくくった。
J1での初めてのハットトリックでサポーターの期待に応え、チームを勝利に導いた我那覇だが、おごることなく謙虚にチームメイトへの賛意を口にし、自らの反省の弁を忘れることはなかった。10周年の節目の開幕戦で川崎Fは大きな勝ち点3を手にした。
惨敗の新潟は、サポーターからの強烈なブーイングで奮起を求められた。流動性の高い中盤ははまればおもしろいが、どうしても攻守のバランスを失いがちになる。守備を安定させることを優先させるのか、それともシーズンを通して熟成させていくのか。いずれにしても90分を通してコンスタントに力を出し続けることが求められそうだ。
以上
2006.03.05 Reported by 江藤高志
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