3月18日（土）J2 第3節 徳島 vs 横浜FC（14:00KICK OFF/鳴門）
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今季はまだ始まったばかり。これまでたった2節を終えたにすぎない。しかし、今節のこの一戦、対戦する両チームにとってはこれからのシーズンにも影響するであろう重要な戦いとなる。
徳島（2敗/13位）と横浜FC（1分1敗/11位タイ）。開幕からもがき苦しんでいる両チームが、今後の自らの行方を賭けて激突する。

開幕から連敗を喫したホーム徳島。しかも、2試合で重ねた失点は「8」（2試合続けて4失点）と守備の不安定さを露呈してしまった。昨季は失点の多さが順位に大きく響いただけに、今季へ向けては新システムを採用し、それを解消すべくチーム作りに取り組んできたはずなのだが…。また、攻撃面においても苦悩は隠せない。流れの中でチャンスの芽こそ創るも、絶好機と言えるほどのシーンにはなかなか辿り着かないのである。2試合で奪った得点がCKからのわずか「1」いう結果は、それを如実に物語っていると言えよう。
いずれにせよ、チームは攻守両面において大掛かりな立て直しが求められる状態にある。

しかし、そのような厳しい状況ながら、徳島としては何としても今節で勝利を手に入れなければならない。もし今節にも敗れるようなら、チームは一気に自信まで失ってしまう危険があるからだ。Jリーグ入り1年目の昨季でさえ終盤に1度だけしか経験していない3連敗（第34〜37節に4連敗）を今季開幕からいきなり味わえば、選手たちの受けるダメージは計りしれないだろう。そして、その回復には相当な時間を要するに違いない。

では、その徳島が勝利するために必要なことは何かと考えれば、間違いなく守備の安定を取り戻すこと。そしてポイントとなるのが『選手間のコミュニケーション』だ。
その必要性は、これまでの2試合の、特に失点場面を思い返せばハッキリと浮き彫りになる。まず開幕戦での全失点がセットプレーから（うち1点はPK）。自軍ゴール前でのマークの受け渡しや確認が不十分であったことは否めない。今季からの新加入選手もいる中で、互いに十分過ぎるほど声を掛け合うコミュニケーションは不可欠だ。そして前節では、プレーの判断ミスから失点した場面が見られたが、これについてもやはり周囲からの積極的なコーチングが予防策のひとつとなるはず。
こうしたコミュニケーションはピッチ上では基本的なことであり、すでに行われていることでもある。が、今一度その重要性を再認識し、チームとしてこれまで以上に取り組む必要があるだろう。それこそが守備の安定を生み、結果、今節での勝利へ繋がるように思えてならない。

対して、敵地へ乗り込む横浜FCも勝利を譲れない状況にある。
チームは開幕戦で今年J昇格を果たしたばかりの愛媛FCに敗れ、その直後には監督解任という激震も味わった。高木新監督のもとで前節再スタートこそ切ったがスコアレスドローに終わり、まだ落ち着きを取り戻すには至っていないのが現実と言えよう。そのようなただでさえデリケートな時期に、今節さらに結果までもがついてこなければ、チームは迷走に陥ってしまうことも十分考えられる。それだけに是が非でもこの一戦では勝利を得たいはずだ。
絶対的な求心力を持つカズ（三浦知良）をはじめ、山口、城ら経験豊かなベテラン選手たちがチームをどこまでまとめられるかが勝敗を左右するカギとなるであろう。さらには高木監督の采配にも注目が集まる。

今節で『今季初勝利』を飾り、浮上への道標を掴み取るのは果たしてどちらか。開幕早々に訪れた、両チームにとって最初のヤマ場とも言えるこの一戦から目が離せない。


以上

2006.03.16 Reported by 松下英樹