4月2日（日）J1 第6節 鹿島 vs 大宮（15:00KICK OFF/カシマ）
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　今週水曜日に行われたヤマザキナビスコカップを含めると現在3連勝中の鹿島。リーグ戦でも第5節を終え、首位浦和と勝ち点差3、2位の横浜FMとは勝ち点差2。川崎F、G大阪と並ぶ勝ち点10で5位につける。一見混戦に見える上位争い、選手層が厚く地力に勝るチームが着々と勝ち点を重ねている中、上位陣に引き離されたくない鹿島は第6節、ホームに大宮を迎える。

　先週から始まった週2試合の強行日程。過酷な日程であり、選手への疲労の蓄積自体は避けることのできないもの。ただ、負傷で柳沢を、代表戦で小笠原を欠いた29日のナビスコカップ・大分戦は、鹿島にとって収穫の多いものだった。日本代表のエースでもある柳沢に代わり今季初先発した田代が先制点を叩き込み、さらに今季はフェルナンドの負傷がありつつも慣れないボランチというポジションで出場を重ねる増田が2ゴールを挙げる活躍ぶり。「常にメンバーが足りないというハンデがありながら、出ている選手が高いレベルを出している」とアウトゥオリ監督もこの点に関しては満足気だ。

　指揮官が「明日勝つということは重要なこと。勝つことで自信もつくし、今後戦いやすくもなる」と上位を目指すためにも重要視する大宮戦。負傷した柳沢のポジションにはナビスコカップで力を見せた田代とアレックスミネイロが2トップを組む。日本代表から戻った小笠原が合流する他は先発メンバーに大幅な変更はなさそうだ。前日練習では新井場が姿を見せず心配されたが、一時的な体調不良によるもので、試合出場に問題はないようだ。また、青木が練習に復帰しており本田に代わって出場の可能性も帯びてきた。チーム全体としては大幅な変更はなく、技術に長けた中盤と、大型で強固なディフェンス、そして両サイドからの攻撃と見所の多い鹿島らしいサッカーを展開してくれそうだ。

　さらに特筆すべきは、新人・内田篤人の活躍だ。「プロに入って思ったことは、、ヤナギさんかっこいい！！ってことですかね」と発言は初々しい。しかし「日本人は年齢を気にしすぎる」と指揮官が一蹴するほど、内田篤は新人らしからぬ活躍ぶり。彼の鋭い駆け上がり、精度の高いクロスに魅せられた方はすでに多いのではないだろうか。「大宮のイメージですか？僕まだどのチームとも一度もやったことがないのでわかりません。もう、ただただ、変な横パスとかで失点につながってしまうようなプレーをしないこと、それだけを心がけています」そんな謙虚な言葉とは裏腹にサイドバックに入った彼のプレーは攻撃的。それを活かす周囲のサポートに注目しても面白そうだ。

　さて、対する大宮。水曜日に行われたJ1第4節ではG大阪に3−1と敗戦。しかしながら、崩された形の失点はなく選手たちも「負けた気はしない」と口をそろえた。アウトゥオリ監督も「大宮は強いチーム。G大阪も試合終了間際にしか勝ち越すことができなかった。約束事が徹底した守備に特徴」と警戒を示す。大宮にとってG大阪戦の収穫は守備的な時間帯、攻撃的な時間帯、それぞれのメンバーや戦い方がようやく整ってきたというところだろう。ここまで多くのパターンを試行錯誤し一度として同じメンバーを試合開始時に並べてはいない大宮。負傷から藤本主税の復帰もあり、中盤の基本的な構成もほぼ決まりつつある。守備的にいくのであればボランチは片岡、純マーカス、攻撃的にいくのであればそこに小林慶を投入という基本パターンが見えてきた。また今季初めて得点に絡まなかったとはいえ小林大の繰り出すセットプレー、藤本と共に組み立てる攻撃にも自信がでてきたところ。来週も磐田（ナビスコ杯）横浜と強豪チームとの連戦になるため、少しでも勝ち点を取っておきたいところだ。

　ちなみに昨年2度の対決は2試合とも2−0で鹿島の勝利。大宮は1得点もあげることができていない。一方鹿島は4得点のうち3点を野沢があげるというキラーぶりを発揮している。

さて、明日の勝負の行方や如何に−。

以上

2006.04.01 Reported by 了戒美子