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【ヤマザキナビスコカップ 甲府 vs 名古屋 レポート】結果は傷み分け。鶴見の突進力とGK・阿部の記憶力が前半不調の甲府を救った。(06.04.27)

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4月26日(水) 2006 ヤマザキナビスコカップ
甲府 1 - 1 名古屋 (19:00/小瀬/7,526人)
得点者:'29 山口慶(名古屋)、'46 鶴見智美(甲府)
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■特J!プレイヤー: 阿部 謙作選手(甲府)
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横浜FMからの劇的な勝利(第9節)から中2日、甲府の大木監督は3トップの一角に鶴見を先発させた。本来はディフェンシブなポジションの選手。フィジカル的な強さ、シュート・キック力は日本人離れした凄さがあるが、甲府の「人とボールが動くサッカー」には充分順応できているとはいえない。しかし、現在の鶴見のパフォーマンスでは本来のボランチ(アンカー)で林や奈須に競り勝ってポジションを獲得するのは難しい。だからこそ、大木監督は鶴見が活きるポジションを3トップに見出した。
ただ、当初予想されたバレーと同じ頂点ではなく、サイドだった。この狙いは高い位置でサイドの鶴見にボールを入れて、長谷川と堀井が中に走り込んで、鶴見から正確なクロスを入れるというもの。しかし、前半は鶴見にボールが収まるシーンがほとんどなく、機能しなかった。
早々に鶴見を下げて山崎を入れ、堀井を頂点に置くのかと思ったが、大木監督は耐えたのではないだろうか。「前半はまったくサッカーが出来なかった」と大木監督が話したように、甲府にはいいところはほとんどなかった。前から効果的なプレスをかけられないため、ディフェンスラインはマークする相手と距離を置くしかなかった。また、ラインコントロールもルーズで、何度も裏を取られる。名古屋のスピードスター2トップ、玉田・杉本のスピードを演出するかのように、走られ置いて行かれた。

名古屋は1トップではなく、4-4-2の2トップでのこの試合に臨んできた。玉田、杉本の2トップと、両サイドハーフの片山・中村は甲府のディフェンスラインをいいように切り裂いた。動じることが少なくなってきた甲府の選手たちを動揺させた。甲府の選手にとって、これほど自分たちのサッカー出来ない経験は、大木監督が就任して以来初めてだろう。
29分には内容が結果に繋がる。FKからの流れで、山口が先制点を決める。名古屋はあと1〜2点追加できる流れはあった。そのハイライトが41分に手にしたPKのチャンスだった。左から上げたクロスボールは合わなかったが、甲府の保坂がトラップしたつもりのボールは足元で止まらず、彼の手に当たってハンド。そして、PKを蹴るのは中村。左に蹴ったボールは、甲府のGK・阿部を吸い寄せるように軌道が重なりノーゴールとなった。

昨年、甲府から神戸に期限付き移籍をしていた阿部は、名古屋とのトレーニングマッチで対戦したときのことを覚えていた。その試合でもPKのシーンがあり、中村の立ち足は右方向に向いていたが、蹴る瞬間に蹴り足をインサイドに捻って左に蹴ってきたのだ。
「去年のトレーニングマッチでは、蹴る瞬間ギリギリまで待って飛んだが、立ち足の向きとは逆にインフロントで蹴られて決められた。今回も同じように蹴ってくると思っていた」
阿部の読みは見事に当たった。このゴールが決まっていれば、内容が悪かっただけに甲府の選手たちのショックは相当大きかっただろう。阿部の記憶力が甲府を救った。今頃、保坂は阿部への贈り物の準備でもしているのではないだろうか。

前半を0-1という最少失点で終えた甲府。後半は鶴見を頂点に置いて仕切り直した。名古屋も玉田を下げて藤田を投入。交代に伴って、システムも1トップに変更し、藤田はトップ下に入る。この組み合わせで起こった現象は、名古屋のディフェンスラインが下がってしまうというということ。鶴見という強靭なくさびを中央に置かれたからだが、後半の開始1分、こぼれ球に鶴見がその突進力を活かしてゴールを挙げたことが効いた。そして、彼に対する警戒心が無意識にラインを下げた。そのことで、甲府は前に向かってサッカーが出来るようになった。

ただ、一方的ではなかった。チャンスはお互いにあった。後半24分、名古屋は大型DF・増川を1トップに置いて甲府と同じようなコンセプトを選択する。一段下がった杉本のスピードを活かした攻撃が復活する。ただ、杉本は中央ではなくサイドに抜けて行くことが多く、直接的な脅威になる裏の取り方は多くなかった。そして、フィニッシュの精度も高くなかった。逆に見れば、ゴールに向かって裏を取り、フィニッシュの精度を高めればもっと素晴らしい選手になれるということ。
お互いに決定的なチャンスがあったものの、決められないまま3分間のロスタイムに入った後半。杉本がペナルティエリアで倒れ、名古屋サイドから見れば2回目のPK獲得かと思われた。が、主審の判断はPKでもシミュレーションでもなく、プレーオン。気がつくとピッチの中に白いボトルが水を撒き散らしながら転がって行く。名古屋・フェルフォーセン監督の革靴が怒りにまかせて蹴りこんだものだった。この行為でフェルフォーセン監督は退場処分。その頃、甲府は80分に投入されたバレーが右のハムストリング付近に違和感を訴え、最後の1プレーが出来ずにベンチに向かう。最後の最後は、ゴールとは関係ないところで関心を集めて試合は終わった。

チャンスをもらった甲府の選手たちにとって、アピールしきれなかった思いが残った試合となった。動かないとボールは出ない、ボールを後ろ向きにポゼッションしても何も起こらない、ボール保持者にプレスをかけないとディフェンスラインは容易に裏を取られるなどという課題をトレーニングで修正できればチャンスはある。名古屋の選手も同様だが、連戦だけに一喜一憂せずにやるべきことをやって、次のリーグ戦・ナビスコカップに備えるしかない。


以上

2006.04.27 Reported by 松尾潤
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