5月3日(水) 2006 J1リーグ戦 第11節
鹿島 0 - 1 大分 (15:04/カシマ/22,948人)
得点者:'44 梅崎司(大分)
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■特J!プレイヤー: 梅崎 司選手(大分)
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「今日の我々は何もしていない。チャンスも作っていないし、約束事もできていない。この敗戦を謙虚に受け止めることが大事だ」
昨年のトヨタカップでサンパウロをクラブ世界一に導いたアウトゥオリ監督も諦め顔でこう言うしかなかった。勝てば今季初の首位浮上の可能性もあった大分トリニータ戦で全く自分たちらしいサッカーができず、痛い敗戦を喫したのだ。頼みのアレックス・ミネイロと小笠原満男も相手の堅守に沈黙。守備陣も一発のカウンターに沈んだ。それでも次の浦和レッズとの大一番まで中3日しかない。いち早く立て直すことが先決だ。
ゴールデンウイーク真っ只中の3日に行われたJ1第11節、鹿島対大分戦。春らしい快晴に恵まれ、カシマスタジアムには今季最多の22,948人の観衆が集まった。
4月29日の前節・アビスパ福岡戦を4−1でモノにし、今季2度目の3連勝を飾った鹿島。アウトゥオリ監督も4連勝を狙ってこの一戦に挑んだ。前節で右太もも肉離れの負傷を負った新井場に加え、青木剛も右ふくらはぎを痛めて欠場。さらには不調の本山雅志をベンチスタートにさせた。左サイドには石川竜也、中盤は本田泰人がボランチに入り、右に小笠原、左に増田誓志、トップ下の野沢拓也が陣取る変則的な布陣でゲームに臨んだ。一方の大分は予想通りトゥーリオとエジミウソンのダブルボランチを先発させてきた。シャムスカ監督は右サイドに福岡大出身の新人・高橋大輔を置き、FWは高松大樹と内村圭宏にコンビを組ませた。
アウトゥオリ監督の大胆なメンバー変更が機能するか注目されたが、鹿島は4月15日の清水エスパルス戦や福岡戦同様に立ち上がりがしっくりしなかった。小笠原を起点に攻撃を組み立てようと試みるが、彼自身、相手のダブルボランチの徹底マークに苦しめられる。アレックス・ミネイロと田代有三の2トップも相手の三木隆司、深谷友基、福元洋平の3バックの手堅い守備に阻まれ、仕事らしい仕事をさせてもらえなかった。だが大分もその手堅い守りを攻めにつなげられない。2枚のボランチから左サイドの根本裕一のところまではパスがつながるものの、そこから中央を崩せない。高松や内村も効果的な動きが見せられなかった。
両者ともリズムをつかみきれないまま前半が終わろうとした時、突如として均衡が破れた。前半44分だった。大分はカウンターか左サイドの根本に大きなパスが通った。そしてゴール前へ鋭い動きで飛び込んだU-19日本代表MF梅崎司にボールがつながった。彼はこのままDFをかわしてゴール。「鹿島は両サイドバックが上がるんで、2対2とか数的同数になる状況が多かった。ゴールシーンも相手が1人しか残ってなくて自分がフリーになれた」と梅崎は満面の笑みを浮かべた。まさかの展開に真っ赤に染まったスタンドが沈黙。そのまま前半が終了する。
大分には4月26日のヤマザキナビスコカップでも苦杯をなめているだけに、同じ過ちを繰り返すわけにはいかない。アウトゥオリ監督は後半開始と同時に本田を下げ本山を投入。小笠原をやや下げ気味にして配球役とし、本山と野沢が前に攻め上がる形に変更した。この形は多少機能し、本山と小笠原が絡んでチャンスも生まれた。19分には本山からのサイドチェンジを受けた小笠原が中央にいい折り返しを送ったが、フリーのアレックス・ミネイロの反応が遅れてしまう。このところゴールを量産していたアレックス・ミネイロだが、この日は大分の3バックの前に持ち味を封じられてしまった。
相手の守備をこじあけられない鹿島はスピードある深井正樹、ボールを持てる興梠慎三が交代出場。何とか1点をもぎとろうと懸命にもがいた。しかしシャムスカ監督は虎の子の1点を守るサッカーを徹底させる。25分過ぎからはほとんど攻めることなく自陣に引いて守り続けた。大分の3バックとダブルボランチは中央を確実に固め、鹿島にフリースペースを与えない。その意思統一の高さは見事だった。「相手が引いていたんでサイドからのクロスとかでスペースを作りたかったけど精度が今ひとつだった」と本山も反省するしかない。鹿島は彼ららしいサッカーができないまま、時間だけがむなしく過ぎていく。この日最大のチャンスともいえる後半40分の本山の右足シュートもGK西川周作の右足に止められる。万策尽きた鹿島は0−1で痛い黒星を喫し、勝ち点を22から伸ばせずじまい。順位も1つ下げて4位に後退した。
ここ最近の鹿島は立ち上がりが悪い。清水戦、福岡戦に続いて今回も先に失点してしまった。この日は大岩剛と岩政大樹のセンターバックの前に本田が入り、バイタルエリアは確実に封じていたが、一瞬のスピードと止められなかった。このあたりの詰めの甘さは問題だ。タイトル奪回のためにはまず相手を零封しなければならない。7日の浦和戦に向けて守備の修正は欠かせないテーマだ。
そして攻撃陣も勢いが止まった。小笠原とアレックス・ミネイロのホットラインを寸断された時の攻め手が見つからないという新たな課題も浮上した。柳沢敦の復帰はまだ時間がかかるだけに、既存の持ち駒でどうチームを修正していくのか。今こそ名将の手腕の見せどころだろう。
一方の大分は順位こそ11位のままだが、勝ち点を14に伸ばし、ジュビロ磐田や横浜F・マリノスを射程圏内にした。ナビスコカップと同じように鹿島を下し、梅崎ら若い力が活躍したことは、チームの活力になるはずだ。ここで一気に波に乗りたい。
以上
2006.05.03 Reported by 元川悦子
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