5月3日(水) 2006 J1リーグ戦 第11節
福岡 1 - 2 川崎F (15:00/博多球/11,101人)
得点者:'21 我那覇和樹(川崎F)、'33 我那覇和樹(川崎F)、'84 金古聖司(福岡)
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■特J!プレイヤー: 我那覇 和樹選手(川崎F)
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試合終了後、博多の森にブーイングが響き渡った。繰り返される不用意なミス。戦う気持ちを表現できない選手。生命線であるディシプリンを放棄したかのようなサッカー。鹿島戦(4/29 1-4で敗戦)から切り替えたはずだったが、その内容は更に悪化したかのようにさえ見えた。
「やっているサッカーは間違いない」「相手にはやられていない」。繰り返される言葉にむなしさが伴う。気持ちだけでは戦えない。しかし、気持ちがなければ戦うことさえ出来ない。福岡は大事なものを忘れかけているように見える。
立ち上がりは、いつものように福岡が主導権を握った。6分には、相手のDFからボールを奪ったグラウシオがドリブルでゴールに迫り、9分にはアレックスの強烈なミドルがゴールを襲った。川崎Fのバイタルエリアに出来たスペースにグラウシオが入り込み、球際の強さを発揮してボールを支配する。「今日こそは」。博多の森に、そんな思いが溢れている。しかし、どこかいつもと違う。丁寧さに欠けたプレーはチームのバランスを微妙に崩し、ボールを落ち着かせることが出来なかったからだ。
そんな福岡に川崎Fは冷静に対処する。中盤で奪ったボールをシンプルに展開してカウンターを仕掛け、あるいはセットプレーで福岡ゴールを脅かす。川崎F陣内での戦いが多いとはいえ、得点の匂いはむしろ川崎Fに強い。自分たちのプレーに迷いがなく、ゴールにつながらなくても、自分たちの攻撃を何度も何度も繰り返していく。どこかに迷いを引きずるチームと、戦い方に揺るぎのないチーム。それは、互いの順位によるところが大きいのだろう。
そして21分、川崎Fが先制点を挙げる。左サイドからマルクスがアーリークロスをゴール前へ。だが、ボールは高く、緩い。その対応は難しいものには見えなかった。ところがクリアに入った千代反田が背後から競り合った相手に潰されてクリアボールはゴール前へ。そして、中央でフリーになっていた我那覇が頭で押し込んだ。崩されたわけでもなく、守備陣系も整っていた中での失点。スタジアムに嫌な空気が流れる。
ここから時間の経過とともに福岡のリズムが崩れていく。「勝てない」という事実が重くのしかかるのか、チームの連係が崩れていく。そして33分、福岡に致命的なミスが出る。箕輪からのロングボールがゴール前へ。ボールを支配下に置いた福岡はセーフティにプレーしさえすればよかった。ところがアレックスとGK水谷の連係ミスから、こぼれたボールが水谷の背後へ。このボールを拾ったのは諦めずに走りこんできていた我那覇。最後は無人のゴールに流し込むだけでよかった。
これで勝負は決まった。もともと守備には定評のある川崎F。2点のリードを守ってゲームをコントロールすることは難しいことではない。バランスよく人を配置して隙を見せず、そして、福岡の攻撃が緩んだところを見つけては、すかさずカウンターを繰り出した。福岡はボールこそ持たせてもらえるものの、中へ入れば互いの呼吸が合わず、クロスボールは精度を欠き得点チャンスが生まれない。84分に金古のヘディングシュートで1点を返すのが精一杯だった。
「我々は平凡なチームなので、やることをきちんとやらなければいけない、やってはいけないことをやってはいけない、ということが改めて浮き彫りにされた」(福岡・松田監督)。少なくとも、この日の試合は戦術云々を問題にするような試合ではなかった。何かに恐れて戦うことが出来ず、やってはいけないことを繰り返し、そして互いに声を掛け合うことさえ不足した。厳しいようだが戦う以前の問題。この日の結果は順当なものだった。
「勝ちたいと思う気持ちがある選手が1人でも多い方が勝つ。それしかない」。3日後に控えている広島戦(5/6@広島ビ)へのポイントを聞かれた布部陽功は、そう答えた。まずは勇気を取り戻し、戦う気持ちを呼び起こすこと。そして勝利に対する誰よりも強い欲求を持つこと。それが今の福岡に求められているものだ。それを広島戦までに手に入れることが出来るか。福岡にとっては大事な3日間になる。
以上
2006.05.03 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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