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【J2:第17節 仙台 vs 草津 レポート】ゴールラッシュの影に課題も多いが、5試合ぶりの勝利で仙台は一息。草津はセットプレーでの大量チャンスを活かせず。(06.05.20)

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5月20日(土) 2006 J2リーグ戦 第17節
仙台 5 - 1 草津 (14:05/ユアスタ/14,103人)
得点者:'10 菅井直樹(仙台)、'13 高田保則(草津)、'52 ボルジェス(仙台)、'62 ボルジェス(仙台)、'67 ボルジェス(仙台)、'82 チアゴネーヴィス(仙台)
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 前回の対決で、最近見ないほどの密着マークを、それも仙台のブラジルトリオ全員に仕掛けてきた草津、植木監督。だがチームの成長という視点に立ち「前回みたいに守るだけで終わらせたくない」と考えた監督はこの試合、前回仙台を困らせたマンマーク戦術をあえて捨て、オーソドックスな4バックで臨んできた。

 とはいえそこは植木監督。形を変えた『罠』をしっかり用意していた。右から山崎、チカ、中井を並べた3ボランチで高い位置からボールにチャレンジし、怖いブラジルトリオに渡る前にボールをカットする意図。これが仙台のミス連発もあってピタリとはまり、陣形が乱れている仙台の守備をカウンターで何度も侵食することになる。

 先制点こそ仙台。10分、スローインをペナルティエリア内で受けたボルジェスが、左からゴール前に入ってきたチアゴ ネーヴィスに見事なポストプレーからパスを通すと、フリーのチアゴはこちらもゴール右からフリーで飛び込んできた菅井へ。前回対決においてミラクルセーブ連発のGK高木は、左右に大きく揺さぶられ何も出来ず。合わせた菅井がぽっかり空いたゴールマウスへ流し込んだ。

 しかし、許されない時間での失点癖『ベガルタシンドローム』いまだ治癒せず。失点からわずか3分後に草津は左サイドからのFKを得ると、島田からの左足のボールに、マークをかいくぐりフリーになっていた高田がヘッドで難なく合わせ、スコアはあっという間に同点となる。
 そしてその後、前半は冒頭に触れたとおり、草津の時間となった。相変わらずつなぎの時点で初歩的なパスミスを繰り返す仙台は、攻めのために空いていたSBの裏など、広がるスペースに草津の選手に素早い侵入を許し、危険なセンタリングを許したり、無駄なFKを次々与えてしまう。
 さらにそのセットプレーの場面で、仙台の守備は何か大きな問題を抱えているかのようにマークミスを連発、そこにキッカー島田からの高精度なボールが入ってくるわけだから、草津としては前半のうちにホームチームを沈黙させることも可能な流れだった。

 だが、試合後島田が「キッカーとしては(作ったチャンスを)決めてもらわないと結構きつい。ああいうところで、決めるところをしっかり決めないと、自分たちで試合を苦しくする」と振り返ったように、セットプレーのたびに生まれたチャンスを全てフイにした草津に対して、試合の流れは冷たかった。

 後半からボルジェス、チアゴの2トップにした仙台。3ボランチのマークも届きづらい左サイドに移ったロペスは、そこを基点に力強いドリブルや効果的な配球で草津を苦しめる。

 こうして、仙台のある男が爆発するための下地は整った。普段のようにファールに悩まされることもなく、前半から良い動きを見せていたボルジェスだ。52分にはロペスの浮き球スルーパスに反応してDFを置き去り、GKとの1対1をゴール左に冷静に決めて勝ち越し点をもたらす。草津に退場者が出た2分後の62分には、センターサークルでボールを受け、ただ一人傍にいたマーカーをフェイントで置き去りにすると、ハーフウェーラインからゴールまで独走。直前のゴールとは反対に今度はGKの右を射抜いた。

 この2ゴールでほぼ試合は決まったが、さらに67分、一人少なくなり守りの指針が消散したかのような草津を相手に仙台がカウンター。3対2の状況から中央のロペスが左のチアゴへスルーパスを通すと、チアゴはGKとDFをゴール左に引き付けた上で、正面に入ってきたボルジェスへ完璧なお膳立て。クラブとしては、2001年のJ2第5節、ホームでの対京都戦でマルコスが成し遂げて以来約5年ぶりとなるハットトリックが、ボルジェスによってたった15分の間に成し遂げられた。
 仙台はその後、82分にチアゴが決めて、こちらもJリーグにおけるクラブ最多タイの1試合5ゴールを記録。仙台として5試合ぶりの勝利は、記録尽くしのゴールラッシュに彩られるものとなった。

 勝った仙台だが、しかしすっきりしないのも事実。あまりに脆いセットプレーでの守備もそうだが、5点目を上げた以降も、途中投入で入った草津、佐藤に際どいヘディングシュートを放たれ、高桑のファインセーブで間一髪難を逃れるなど、どうにも守備全般で集中を欠いている。ミスから草津にチャンスを献上し続けた前半など、改善すべき点も多い。今日は点差こそ開いたが、同じ大勝でも4月の、例えば鳥栖戦や東京V戦と比べると、どことなく危なっかしさが覗く試合運びだった(例に挙げた試合も、序盤かなり押し込まれるなど、決して「横綱相撲」というものではなかったが、それでもチーム全体に一種の安定感があった)。

 だが高桑が「勝ちは勝ち」と語ったように、久しぶりの勝利で一息つけたことは確か。試合中動くことが少ないサンタナ監督が、この日は早い時間からシステム変更に乗り出し、それが効果を発揮するなど、今季の仙台にありがちな『これを封じられるとダメ』という試合中の閉塞感が解消される兆しも見えた。

 5月に漂いかけた暗雲を完全に拭い去れるか、仙台にとってこの一週間、そして週末に控える、クラブとして苦手とする蒸し暑さのある九州、鳥栖でのデイマッチにかかる物は大きい。

以上

2006.05.20 Reported by 佐々木 聡
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