6月3日（土）J2 第19節 神戸 vs 湘南（15:00KICK OFF/神戸ウイ）
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記憶に新しい1ヶ月前の同カード。試合の主導権を先に握ったのは神戸だったが、ゲームを支配している時間帯に得点を奪えず。逆に、前半終了間際という最も注意すべき時間帯に失点。更に76分にもDFエメルソン・トーメのファウルからPKを与えて2失点目と、悪い形で相手に得点を許し0-2と完封負けを喫した。それだけに、今回のホーム戦は神戸にとって、その屈辱を晴らすためにも負けられない一戦。前節の第18節は試合が組まれていないため、2週間空いた中での試合となるが「徳島戦を終えた後、先週末は試合をしていないが、ガンバ大阪との練習試合を行なう中で身体はしっかりと動けている。ただ、ヨーロッパなどでも統計がとられているが、休んだ後の試合というのは負ける可能性が高いと言われている。そういった意味も含め、メンタル的な準備をしっかり整えて挑まなければいけないというのは大前提になるだろう」といバクスター監督。その言葉にもあるように、また、立ち上がりが良くない試合はこれまでも結果がついてこなかったということを踏まえて考えても、序盤から心身両面でしっかりと集中してゲームに入っていくことが大事になるだろう。

注目は、チームの主軸でありながら、前回対戦時には出場停止だった、神戸MF栗原の存在。33回目の誕生日と重なった5月20日、前節・徳島戦では、2つのメモリアルゴールを挙げた栗原だが、そのゴールのみならず、コンスタントに安定したパフォーマンスを披露。ベテランとして積み重ねた経験を心身両面で発揮する中で存在感を示し、バクスター監督も「素晴らしいプロフェッショナルプレーヤー。サッカーをよく理解しているし、人間的にも素晴らしい」と絶大な信頼を寄せている。それは、彼がこれまでの試合で挙げた『5ゴール』を見ても然りで、流れの中で常に自身の役割を把握しながら、チームのために戦う姿勢を示すことでチームを鼓舞。今季、彼がゴールを決めた試合が全て白星だったこと、つまりは彼のゴールにチームが引っ張られている部分も大きいという見方もできるだろう。
だが本人は「僕がゴールを挙げれなくてもチームの誰かが点を取ればいい。一番大事なのは自分のゴールより、チームとしていかにいい形で点を取れるか。自分も、まずはそのための動きを意識しながら、もっとどん欲に点を取り続けていきたいですね」と、現状に慢心する様子はない。というより「徳島戦はいい感じで勝てたけど、これからの連戦が大事になる。ここにきてようやくチームとしての形、規則的なことを構築できつつあるからこそ、それが間違いではなかったと証明するためにも、勝ち続けなければいけない」と先を見据えたコメント。今節でもその思いをしっかりとプレーで示してくれることだろう。ちなみに湘南は彼が2001、2002年シーズンを過ごしたチーム。古巣相手にどんなパフォーマンスを示すのかも楽しみだ。

一方の湘南はここにきて3連敗。今ひとつ波に乗り切れていない様子だが、ここ最近の試合を見た限り内容的にはさほど悪いとも思えない。ただ、攻撃におけるイマジネーション、展開力に今ひとつ乏しさを感じるのは正直なところ。この『得点力』については、今季のスタート時から上田栄治監督がテーマの１つに掲げていたが、上田監督の言う「ダイレクトプレーが出来ない時に相手をどう崩せるか」「どこを起点にして、どうビルドアップしていくのか」などといったチームとしての形がもう少し明確になり、かつゴールに繋げていくことが出来れば、明確な結果を求められるはず。攻撃の軸となる、FW横山やFWアジエル、MF佐藤らをはじめ、MF加藤やMF外池らがサイドを効果的に揺さぶりながら、チームとしての機動力を示す中で神戸ゴールに襲いかかる姿を楽しみたい。

以上

2006.06.02 Reported by 高村美砂