6月3日（土）ヤマザキナビスコカップ 浦和 vs 川崎Ｆ（15:00KICK OFF/駒場）
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どうしてもドイツに視線が向きがちな６月。ではあるがナビスコカップは決勝トーナメントがはじまり、ホームアンドアウェイのトーナメント方式で上位進出を争う。しかも今季から始まったアウェイゴール方式がこの争いをどう熱くするのか。こちらも目の離せない戦いなのである。

その準々決勝、Aグループ一位の浦和とBグループ一位の川崎Fが早くも対戦。ベスト８の段階でこの２チームのうちどちらかが消えてしまうことは残念ではあるが、レベルの戦いが見られることは楽しみでもある。しかも今季ここまで対戦のない２チームではあるが、リーグ戦でも首位争いを繰り広げている。勝ち点２７で首位に立つ川崎Fを同26で浦和が追走中。リーグ戦では７月２２日の再開後２戦目で対戦するだけにこのナビスコカップ準々決勝は今季を占う一戦ともなりそうだ。

日本代表組が３人抜けた浦和ではあるが、ベーシックな部分は通常と変わらない戦い方になりそうだ。木曜日に行われた非公開練習で、闘莉王が左足首を捻って前日練習は大事をとり、永井も膝の様子を見ながら若干早めに練習を切り上げていることは懸念要素。彼らは試合当日の様子をみながら出場が判断されるそうだが、そこは逆に浦和の層の厚さの見せ所。ディフェンスには闘莉王ではなくて細貝が入る可能性もあり、永井の穴が開くようであればそこには山田が入り平川が右に入ることになる。「代表組がいなくても、選手はいるし変わらず強いよ」と敵将関塚監督が嘆くように、これだけの人数がたとえ不出場でもさすがと言わせるメンバーがそこには並ぶ。

川崎Fとの対決に「相手は攻撃的だろうけど、守備では相手のスペースを消しつつしっかり守る。でもうちもうちらしく攻撃的に。サイドからのアーリー気味でグラウンダーのクロスを使いつつ攻めることになるだろう」とブッフバルト監督。川崎Fはやはりフィジカルに優れたディフェンダー、運動量のあるボランチらを中心とした堅守から前線のジュニーニョ、マルコン、マルクス、のスピードとコンビネーションに加え我那覇の決定力に支えらたカウンターを特徴とするチーム。彼らを崩すには両サイドからの攻撃、しかも長身ディフェンダーを相手にするため、敢えて早めのグラウンダーのクロスが有効だというわけだ。

そこでサイドからの攻撃の注目ポイントは相馬ということになりそうだ。これまでリーグ戦は先発なしだが、ナビスコカップは出場停止の試合を除く５試合に先発中の彼が三都主不在の今どのようなアピールを見せるか、見逃せない。相馬といえばサイドを駆け上がりクロスをあげるといった攻撃的な左サイドのスペシャリストといったイメージが強い。

「攻撃が僕の持ち味だから」といってはばからず、東京V時代もディフェンス陣がそれを認めたときには好成績を残してきた。しかしリーグ戦では１２試合３２得点と爆発的な攻撃力を誇る川崎F相手にはどうしても守備が必要になってくる。最近ではその守備への意識も高く取り組み、コンビネーションにも力を注いでいる。明日のアピールには攻撃力と同時に彼の守備力も大きな比重を持ってくるだけにその守備にも注目していきたい。

一方川崎Fも、通常通りベストの布陣で臨んでくるだろう。「ワシントンを中心としたカウンターに警戒」とディフェンス陣。浦和が相手ではあるが「中途半端な（実力の）相手とやるより良い」と関塚監督はその対戦を楽しみにしている。取りあえず勝つだけ、と１８０分の戦いではなくまず、目の前の一戦に集中をというスタンスだ。

「代表組はいないけど他の選手にとってはアピールの場」と試合を位置づけるブッフバルト監督。前述の相馬だけでなく将来有望な若手が多く控える浦和だけに、先発メンバーだけでなく交代も含めて楽しませてくれるそんな試合が期待できそうだ。

以上

2006.06.02 Reported by 了戒 美子
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