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【J2:第19節 草津 vs 東京V レポート】東京Vが4ゴールで草津に圧勝。草津は迷宮に足を踏み入れた。(06.06.03)

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6月2日(金) 2006 J2リーグ戦 第19節
草津 0 - 4 東京V (19:04/群馬陸/5,554人)
得点者:'23 大野敏隆(東京V)、'40 齋藤将基(東京V)、'44 大野敏隆(東京V)、'89 平本一樹(東京V)
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終了間際の89分、東京V・平本がダメ押しとなる4点目をゴールに叩き込むと、草津の守備陣は一斉に崩れ落ちた。DF齋藤は込み上げてくる、屈辱や怒りといった感情を抑え切れずにピッチに拳をぶつけた。最下位脱出を図るために勝利のみを求めていた草津は、東京Vのサッカーの前に成す術なく敗れた。

連勝を狙って草津のホームに乗り込んできた東京Vは、平本が3試合ぶりに先発に復帰、齋藤との2トップを組んだ。迎え撃つ草津は、両サイドを封じるために4バックでスペースを埋め、DFラインの前には3枚のボランチを並べた。

立ち上がりは、草津のゲームだった。6分には島田からのラストパスを受けた佐田がシュート。8分には中井のパスから島田がゴールを脅かすなど、草津はカウンターから何度も決定機を作り出す。

そんな流れを一変させたのは大野のFK。23分、ゴール正面約25メートルの位置からの鮮やかな弾道が草津の壁を越えてゴールネットを揺らす。「直前に2度のCKを蹴り、キックの感触が残っていたので、狙いどおりのコースに打てた」と大野。この一撃がゲームに与えた影響は大きかった。東京Vには落ち着いてボール回す余裕が生まれ、草津には焦りが生じた。
 
追い詰められた草津は、中途半端に攻めてはボールを奪われ、東京Vの餌食となる。機能しない3ボランチと中盤からのプレス。最終ラインは守備体制が整わないままズルズルと押し込まれ、慌てて戻るボランチ陣は幾度となくDFラインに吸収された。

40分、混乱する草津のDFラインをあざ笑うかのように左サイドの裏へ抜け出した藤田が、齋藤の頭へクロスを合わせ2−0。44分にはカウンターから齋藤、平本とつないだボールを大野が落ち着いてゴールに流し込み、東京Vは前半で勝負を決めた。「相手のFWが中盤に下がってボールを受けに行っているのに、そこにプレスがかからないのは致命的」と齋藤。草津は崩れたバランスを修正する間もなく失点を重ねた。

草津は後半、寺田、里見を投入、3−5−2の基本布陣に変更して、落ち着きを取り戻すが、佐藤が2枚目のイエローで退場になるなど最後までチーム全体の歯車が噛み合わなかった。

2連勝となった東京Vは、連敗を経験したことによりサッカーが変わってきた。「守備の決まりごとがハッキリしてきたので、一人一人の役割が明確になった」(大野)。金澤、根占の2ボランチの存在も大きい。また、島田へのマンマークで起点を抑え、ロングボールを警戒し前線からのプレスを徹底させるなど草津への対策も万全だった。ラモス監督は「(仙台、柏との連戦が控えるが)今日の試合に勝つことだけを考えた」と一戦必勝の姿勢を強調した。

3連敗を喫し、第2クール1勝5敗となった草津は、迷宮へ足を踏み入れてしまった。しかし、前に進むことを恐れては、ここから抜け出すことはできない。「リーグ戦には必ずどこかに壁がある。今ここで、下を向いても始まらない」と太田。植木監督は「この苦しみを越えられるかが、チームの本当の力だ」と選手に奮起を促す。昨年のように最下位というドロ沼に足を捕られるのか、それとも苦しみを乗り越えて成長を遂げるのか。第2クール半ばにしてチームは大きな分岐点を迎えている。

試合後、スタジアムに飛び交った怒号と罵声。そんな中で、数人の選手は悔しさのあまり、涙を流していた。その涙を決して無駄にしてはいけない。

以上

2006.06.03 Reported by 伊藤寿学
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