6月2日(金) 2006 J2リーグ戦 第19節
愛媛 1 - 2 鳥栖 (19:04/愛媛陸/3,641人)
得点者:'7 金裕晋(鳥栖)、'34 金裕晋(鳥栖)、'50 田中俊也(愛媛)
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前節の横浜FC戦で主力3選手が相次いで出場停止となり、守備陣が大きく入れ替わった愛媛。井上に代わるボランチに石丸、右サイドバックの森脇の代わりには関根が入った。そしてセンターバックの金守の位置には、橋垣戸がJ初出場。さらに左サイドバックの松下は先月チームに加入してまだ2試合目ということで、文字通り急造となった愛媛のディフェンスラインはやはりチームのバランスを大きく狂わせた。
「前半はディフェンスラインへの不安から前に出て行けなかった」と試合を振り返った望月監督。続いたのは「新居を警戒しすぎて出て行けなかった」と、第1クールの敗戦の影がちらついたコメントだったが、ピッチ上の選手も明らかに戸惑いを見せていた。その不安を煽るかのように、前半の鳥栖はDF加藤らがロングフィードを放り込む。そのボールにFWの新居、山口が愛媛のディフェンスラインの背後を狙って揺さぶりをかけた。すると7分に鳥栖は左サイドで得たフリーキックから、中央でDFの金が合わせてあっという間の先制。鳥栖は愛媛の守備陣が落ち着く前にリードを奪い、試合を優位に進めた。
以後、前半の愛媛は今季最悪といっても過言ではない内容。DF星野が「新しい選手が入って、無意識のうちに慎重になりすぎた」と振り返ったように、守備への過剰な意識は攻撃のリズムをも壊してしまった。先制したことで無理に出てこない鳥栖に対しては横へのパスで遅攻に終始。勝負をかける縦へのパスは前線とのタイミングが全く合わず、奪われてはことごとくカウンターを食らうという悪循環。今季ここまで積み重ねてきたハードワークとアグレッシブなサッカーは影を潜め、34分には鳥栖にセットプレーからの素早いリスタートで再び金に追加点を許してしまった。
そんな中、愛媛にとって唯一の光明は左サイドに入ったDF松下。後半5分に「流れの中で自然に出た形」というMF高萩とのパス交換でタッチライン際まで駆け上がると、ニアに飛び込んだFW田中へピンポイントでクロス。ホームでは4月22日以来のゴールを演出し、後半22分にも同じコンビネーションでダイレクトパスを繋いだチャンスにはスタジアムも沸いた。
しかし、後半に愛媛がピンチを迎えたのもこの左サイドを突破されてのこと。同点に追いつくために前がかかりになったとはいえ、鳥栖のMF山城、途中出場の廣瀬に再三カウンターから決定機を許した。逆に鳥栖にすれば、そこで確実に決めていればもっと早く試合を終わらせることができただろう。「後半は勝ちたいという意欲と、2点取った微妙な心理的な重さが出たのではないか」と鳥栖の松本監督は選手をかばったが、とにかく結果的に7試合ぶりの勝点3をつかんだ事実が、次の試合でプラスに働くことは間違いないだろう。
一方で「連敗してズルズルいくと自信をなくしてしまうので、次は何とかしたい」と危機感を募らせた望月監督。ディフェンスラインに出場停止明けの選手が戻ってくる次節では、我慢しながら使い続けてきた攻撃陣も少し入れ替えながら状況を打開するつもりだ。しかし今の愛媛にとって何より必要なものは、ホームで丸2ヶ月以上遠ざかってしまった勝点3。チームにとっても浮上のきっかけをつかむ大切な勝点だが、今日もスタジアムに響き渡る大声援を送ってくれた愛媛の子ども達のためにも、早く長いトンネルを脱出して欲しい。
以上
2006.06.03 Reported by 近藤義博
J’s GOALニュース
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