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【J2:第19節 水戸 vs 横浜FC レポート】『我慢比べ』を制した水戸。だが、攻撃面での課題も。ついに負けた横浜FCはこれが新たなスタートとなる。(06.06.03)

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6月2日(金) 2006 J2リーグ戦 第19節
水戸 1 - 0 横浜FC (19:04/笠松/2,638人)
得点者:'56 アンデルソン(水戸)
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56分、横浜FC・アウグストの突破を阻止した水戸がカウンター攻撃。DF裏のスペースを突いたアンデルソンが中央に切り込み、豪快にシュート。ボールはトゥイードの股間を抜け、横浜FCゴール右サイドに突き刺さった。これが横浜FCの無失点記録時間(770分)に終止符を打ち、不敗を15試合で止めるゴールとなった。

序盤からゲームを支配したのは横浜FC。山口を起点にうまくサイドに振り分け、攻撃を仕掛ける。6分には城のポストプレーから内田がクロスを上げ、アウグストが頭で合わせるがゴール左。12分には右サイドからのFKにトゥイードが合わせるがクロスバー。そして、14分にも三浦の蹴った左CKを城が折り返し、鄭がボレーを放ったがゴール上に逸れていった。得点こそ生まれなかったが、横浜FCが序盤から怒涛の猛攻を仕掛け、水戸を追い込んでいった。

だが、これは水戸のペースと言える内容でもあった。相手は16試合でわずか3失点という横浜FCだが、これまで鉄壁の守備を誇るものの、攻撃面では課題を残してきた。前田監督もこの試合に対し、「相手は守備が強いが攻撃力がないので、我慢比べになる」と言っており、河野も「前半を0−0で折り返せばウチのペースになる」と言っていたように、横浜FCの序盤の猛攻を水戸が防ぐと試合は徐々に膠着の相を呈していった。ゲームは横浜FCに支配されたが、『我慢強く守った』水戸のプラン通りに試合が進んだと言っていいだろう。

15試合負けなしで2位につける横浜FCだが、16試合での得点は16という得点力不足は顕著である。そして、ここ3戦でわずか2得点。その2得点も前節愛媛が退場者を出してのセットプレーからであり、攻撃の形がつくれていないのが現状だ。この試合でも水戸の粘り強い守備の前に沈黙。序盤のチャンスを生かしきれないと前線で起点をつくれなくなり、攻撃の糸口を見出せなくなっていった。すると、「ウチらが引いて0−0で行くと、相手はしびれを切らせて出てくる」という河野の言葉通り、後半からは横浜FCの攻め急ぎがあらわれはじめ、ミスが目立つようになってきた。そして、中盤でボールを持ちすぎたアウグストのミスをついた水戸がアンデルソンの個人技を生かして先制点を挙げた。

1点をリードされた横浜FC。そこからが2位につけるチームの本領発揮といきたいところだったが、その後も攻め手を見出せず。北村を投入し3トップに、DF室井を前線に上げてパワープレーを見せたが、「みんなが集中できていた」(河野)という水戸の守備を崩せず。1−0のまま試合は終えることとなった。

「はまった感じですね」と河野が勝利の余韻に浸ったように『してやったり』の勝利を挙げた水戸。だが、続けて「結果は良かったけど、攻撃はまだアンデルソン頼み」とチームの課題も口にしたようにこれまで上位に対して粘り勝つということはあったが、『攻めて勝つ』という試合はない。この試合も結局はアンデルソンのカウンターのみ。それ以外に攻撃の形をつくれなかったのは大きな反省材料だ。暫定的に5位に浮上したものの、恒常的な強さを身につけるためにはさらなる攻撃の形を身につけたい。この勝利だけで喜んでいたら、これまでと同じ繰り返しになるだけ。勝ったからこそ、しっかりとこの内容を噛み締めて次の試合につなげないといけない。次節は頼みのアンデルソンが出場停止。チームの真価が問われる一戦となるはずだ。

そして、課題の『攻撃力不足』を顕著に露呈し、ついに敗北を喫した横浜FC。だが、試合後の高木監督の表情はすごく柔らかなものだった。『就任以来負けなし』というプレッシャーから解き放たれたのかもしれない。いきなりの監督就任から16試合、『礎』もつくれず、『微調整』でチームをつくってきた苦悩もあったはず。背負っていたものがなくなった今、思い切り『高木色』を出していってほしい。これからが横浜FCの新たな出発となるだろう。

以上

2006.06.03 Reported by 佐藤拓也
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