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【J2:第25節 水戸 vs 仙台 レポート】プランどおりの守備と引き換えに、攻撃のインパクトを欠いた水戸。後半、自力を発揮した仙台を食い止められず(06.07.03)

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7月2日(日) 2006 J2リーグ戦 第25節
水戸 0 - 2 仙台 (18:04/笠松/2,895人)
得点者:'66 ボルジェス(仙台)、'85 ロペス(仙台)
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キックオフと同時に確かめる。水戸の両サイドバック(と表記されている)倉本と大和田の位置は…両タッチライン際。これは通常通りの4バックだ。水戸の前田監督、ここ最近の好調を受けて、今日は正攻法で仙台に挑むのか。
と思ったがそこは前田監督。やはり若干の対策を採用して、この試合に臨んでいた。試合後「ロペスさえ潰せば勝機はあると思った」と言い切っていた前田監督は、ロペスに対してボランチの小椋をマンマークで張り付かせてきた。確かにここ最近の仙台はロペスを経由しての攻めが多く、前田監督のこの策は的中。小椋のマークを嫌がったロペスは、始めはボランチの辺り、しまいには最終ライン付近まで下がってきてしまう始末で、そこから長い縦のパスを狙い始めるものの、どれも効果的な攻めにはならない。
ロペスが完全に「悪い時のロペス」となってしまった仙台は前線で基点を作れず、ボールを奪っても最終ラインまで戻して、崩す意図が感じられない横パスを続けるのみ。水戸がアンデルソン以外のフィールドプレーヤー9人でしっかり下がり守備を固めていた状況では、無理に入れたパスがカットされてカウンターを受けるよりは良い判断だったかもしれないが、それにしても得点の匂いが感じられない光景に、アウェーにつめかけた仙台のサポーターからもブーイングが起こる有様だった。

しかし、攻め手が作れないのは水戸も同じだった。前述のように9人が自陣まで引いている状況では、最前線で一人残るアンデルソンのカウンターがほぼ唯一の選択肢となっていた。しかし、相手最終ラインの裏を取りかけたものの木谷にイエローカード覚悟で止められた場面一つを除けばアンデルソンはチャンスを作ることが出来ず、それ以外の見せ場はゴール正面30メートルのこぼれ球を秦がダイレクトボレーで狙っていった1本のみ(これは枠を捉えていたが、高桑のパンチングでゴールならず)。まず相手の攻撃をふさぐという狙いは達成していたが、前線がチャンスを作れないのであれば、単なる低調な試合となる。前半は両チーム共に見せ場なく終了した。

前半のうちに何かしらの結果を残せていれば、水戸にとっては素晴らしい試合になったのかもしれないが、それが叶わなかったことで、水戸には守備の疲労のみがたまる展開に。徐々に乱れていくチームディフェンス。すると後半は、個々のタレントで勝る仙台が息を吹き返す。中盤のバランスを変更し、梁を若干前へ行かせた上で、熊林と千葉といったどちらかといえば守備に尽力していた選手を左右の組み立てに積極的に絡ませることで、仙台は両サイドで基点を作れるようになった。
それでも水戸は何とか耐えていたが、66分、ついに青い壁は打ち破られてしまう。右サイドからチアゴがドリブルを開始し、ゴール正面へ持ち込んだところで、右サイドからゴール前へ侵入してきた菅井へパス。エリア内から放たれた菅井のシュートはGK武田がセーブするものの、ゴール左にこぼれたボールにはボルジェスが詰めていた。角度のないところから放たれたシュートがゴールに転がり込み、先制点は苦しんでいた仙台に。

前節の柏戦のように、1点差ならまだわからない水戸だったが、今節はその再来ならず。FKに合わせた大和田の完璧なヘディングシュートが高桑に阻止されると、さらに積極的に点を取りに行こうとした選手交代が悲劇を生む。
84分、水戸は森を下げ塩沢を投入。FWを一枚増やして残り時間に勝負に出ようとしたのだが、この交代時、ボールを保持していたのは仙台。シフトチェンジを伴う交代で、水戸の選手たちが己のポジションを確認しようとしたそのわずかな間に生まれた「ギャップ」を、右サイドでボールを持っていた千葉は見逃さなかった。相手の混乱の中、水戸の最終ライン付近で不意にフリーになったロペスを見つけ、すばやくロングフィードを送ると、ロペスは慌てる水戸DF陣の中冷静にトラップし、GK武田ともつれながらも柔らかなループシュートを放つ。ボールは勢いなくネットに吸い込まれ、試合を決める2点目に。これで試合の行方が完全に決まった。

仙台は前半こそ、苦戦を予感させる内容に終始したが、この試合では久しぶりに、自ら流れを取り戻すことが出来た。ここは素直に評価しても良い。
前半戦最後の試合となる次節は、第2クールでグッと調子を上げてきた神戸をホームに迎えての一戦。中盤を攻守にわたり活性化していた熊林の出場停止は痛いが、しっかりと勝利を収め、苦戦した第2クールを笑顔で締めくくりたい。
一方の水戸は次節が試合なしのため、今節が第2クールの最終戦だった。この試合は守備力が相手を苦しめる水準に達していたことは証明したが、第2クールの躍進の大きな要因であったアンデルソンを活かしたカウンターが消されると、やはり厳しい戦いになることも再確認させられた一戦でもあった。
水戸・小椋は言う。「守備はだいぶできるようになってきたので、ボランチからFWにもっとクサビをいれるとか、サイドをえぐっていくとか、もっと攻撃でいろいろなプレーを増やしていけば、第3、第4クールでもっと良い成績を出せる」。シーズン後半戦、水戸が真に一皮向けた戦いを見せられるかは、守備がそれなりに計算できる以上、この一点にかかっているといえるだろう。


以上

2006.07.03 Reported by 佐々木聡
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